抄録作製のskill upポイント


 5月に入り、若葉が香り爽やかな季節になってきました。
 私は、第48回埼玉県医学検査学会で学術担当をしている獨協医科大学 埼玉医療センターの小俣諭子と申します。皆さんご存じかと思いますが、5月1日(金)から抄録登録が開始しました!
私が初めて学会発表を経験したのは埼玉県医学検査学会です。当時を思い返すと訳も分からず戸惑いながら抄録を書いたことを覚えています。きっと今回、演題(学会)発表を決意して頂いた方のなかにも、抄録作成に慣れていないという方もいるでしょう。
そこで私なりに抄録作成のskill upのポイントをお伝えし、少しでも皆さんの抄録作成に役立てていただけたら幸いです。


 抄録を書く前に皆さんにお勧めすることは、過去の色んな抄録をみることです。先人の抄録には上手な表現のエッセンスが詰まっており、その中で素晴らしい表現を見つけたら積極的に取り入れていきましょう!参考になりそうな抄録を見つけた方は、いざ抄録作成です!抄録は物語と一緒です。面白そうな本を選ぶ気持ちで考えてみましょう。
皆さんが書店で本を選ぶ際、まず題名を見ると思います。本の題名が【演題名】です。演題名は簡潔で発表内容がわかり易い題名を付けましょう。自分だったら発表を聴いてみたいと思うような(時にはインパクトのある)題名を考えるといいと思います。
演題名が決まったら文章作成に移ります。文章の基本は起・承・転・結です。起承転結の起は【背景・目的】、承は【対象・方法】、転は【結果】、結は【考察・結語】の様に4つのパートに分けて構成していきます。
① 【背景・目的】は背景を踏まえ、自分が何を明らかにしたいのか短くまとめましょう。
② 【対象・方法】は対象の基準や、実際に行った検討データ、データの抽出方法、評価方法について客観的に記載しましょう。
③ 【結果】は対象・方法に則り、得られた事実や数値のみを記載しましょう。
④ 【考察・結語】の考察は結果から導き出した飛躍のない自分の考えと残課題、今後の展望を記述し、結語で明らかになった知見を簡潔にまとめましょう。
 自分なりに抄録を作成したら、先輩技師や上司に何度かチェックしてもらいましょう。
誤字脱字は勿論のこと、さらに的確な表現(技)を教えてくれるはずです!また、一般演題の本文は26文字×18行×2段=936文字以内です。
句読点はカンマ「,」、ピリオド「.」を使用といった注意点もあります。抄録は日本臨床衛生検査技師会総合情報システム(JAMTIS)を用いたテキスト入力方式、ファイルアップロード方式のいずれかで作成しましょう。ファイルアップロ-ド方式で使用するMicrosoft Wordファイルは、学会ホームページからもダウンロードできます。文字数設定済みで、アップロードも簡単なのでお勧めです!
詳しくは演題募集ページをご覧ください。それでは、多数の演題の申込みを楽しみにしています。

学術部 小俣 諭子