2月研修会

平成29年2月4日 (土) 9時 55分 ~16時 20分
大宮センタービル 2階会議室      点数: 専門 ― 20点

さいたまレベルアップセミナー「尿酸を極める」             
1)高尿酸血症・痛風の基礎と臨床
講 師  :寺井 千尋(自治医科大学附属さいたま医療センター リウマチ膠原病科 教授)
2)関節液検査と結石鑑別の実際
平間 靖((株)ビー・エム・エル総合研究所 第一検査部 血液化学課 課長)
3)高尿酸血症の食事指導
茂木 さつき(自治医科大学附属さいたま医療センター栄養部 栄養室長)
4)尿酸と腎疾患
山路 安義(JCHO埼玉メディカルセンター 内科・腎センター部長)
5)尿路結石のX線画像
阿野 匡昭(JCHO埼玉メディカルセンター 診療放射線科)
6)尿沈渣でわかること ~結晶の確認だけではない~
宿谷 賢一(東京大学医学部附属病院 検査部 副臨床検査技師長)
参加人数: 会員 61名  申請中 0名  賛助会員 0 名 非会員  0名

研修内容の概要・感想など
 今回の研修会では、「尿酸を極める」をテーマに医師、診療放射線技師、管理栄養士、臨床検査技師、それぞれの観点から講演をしていただいた。
寺井氏には「高尿酸血症・痛風の基礎と臨床」を講演していただき、古代から伝わる痛風検査の歴史から疫学、体内動態や治療に至るまで幅広くご教授いただいた。高尿酸血症は遺伝的要因と環境要因に大別される。アスコルビン酸の6倍を示す、抗酸化物質としての尿酸の重要性も示唆された。
平間氏には「関節液検査と結石鑑別の実際」を講演していただき、関節液の基礎知識と結晶の鑑別ポイントをご教授いただいた。細胞数算定におけるヒアルロ二ダーゼ処理の運用事例も大変参考になった。現在標準化が進められている関節液検査の手技や実際に関して、質疑応答もより活発となった。
茂木氏には、「高尿酸血症の食事指導」を講演していただき、痛風に対する非薬物療法の重要性やエネルギー代謝、身近な食品類のプリン体についてご教授いただいた。自身の食生活を振り返ることで、尿酸値の適正なコントロールの重要性を改めて実感した。
山路氏には、「尿酸と腎疾患」を講演していただき、尿酸と各種疾患の関連についてご教授いただいた。腎疾患のみならず、心血管系合併症のリスクファクターの研究報告に至るまで、尿酸と関連疾患の幅広さを実感した。
阿野氏には「尿路結石のX線画像」を講演していただき、X線装置の原理や撮影画像の実例を数多くご教授いただいた。あまり見慣れない画像診断の知識や腫瘍崩壊症候群と治療に関して多角的に学ぶことができた。
宿谷氏には「尿沈渣でわかること~結晶の確認だけではない~」を講演していただき、尿酸結晶やキサンチン結晶の形態、症例についてご教授いただいた。塩類結晶円柱やキサンチン結晶の意義、結石症と尿細管上皮が認められやすい傾向について学ぶことができた。
「尿酸」について様々な視点から捉えた本研修会では、尿酸は単なる、=痛風という一般的概念に留まらず、私達が認識している以上の数多のメッセージを発信していると実感した。
提出日  平成 29年 3月2日                      文責:柿沼 智史

2015年10月04日