《研修内容の概要・感想など》
研修内容の概要・感想など
今回は「初歩からのグラム染色」をテーマとして、染色に必要な器材、染色液、方法や症例写真について解説していただいた。
興味深かったのは、初心者がHucker変法、バーミー法、西岡法を染色した結果、Hucker変法とバーミー法は染色にムラが生じたが、西岡法では鮮明に染めることができたと述べていた。グラム染色は、菌体を陰性と陽性に染め分けるが、時として意に反した結果になることもあり、原因は菌体の細胞壁の厚みの違いや脱色に対する抵抗性、培養条件などがある。膿性や粘性が強い検体の場合も、標本が厚くなり脱色されにくく、陰性菌を陽性と判定してしまう場合がある。
症例写真の解説では、検体中の微生物の有無、細菌の形や大きさおよび菌体の配列から菌種を推定することができるが、細菌検査技師の経験や力量に左右されると述べていた。グラム染色は微生物検査において最も基本的な方法で、簡便で迅速性にも優れ、その結果のみで早期に治療方針を定めることができ、大きな役割を果たしている。
この講演で標本の作り方や各染色法の特徴を再確認することができ、今後、さらに技術や知識を身につけたいと思った。
平成21年12月10日 文責:永野 栄子
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