生涯教育レポート 5

                  

 日 時: 平成211014  19:0020:30
     会 場 大宮ソニックシティ601号室
   主 題: 疫学シミュレーションによるアウトブレイクへの対応
     
講 師 加來浩器 ( 防衛医科大学校  国際感染症学 )
    
協 賛 株式会社 スギヤマゲン   
     参加人数: 41名

《研修内容の概要・感想など》
 実地疫学の専門家である加來浩器先生に講義していただきました。最初に疫学と聞くと分かりにくい感じもありましたが、実は病院施設の中で常に起こりうる身近な事例があります。それは検査結果から推定したり、看護部など臨床からの相談で気付くものです。万が一緑膿菌やクロストリディウムなどアウトブレイクが発生した時にそれを把握し対策をとることになります。事例を把握するために「症例定義」をします。時・場所・人が症例定義の3要素が大切になります。
 講義では事例をあげ、コホート研究と症例対象研究について実際に計算してみました。その結果により例えば「搾乳器の使用者は、非使用者に比べ5倍 感染しやすいようだ」という疫学としての評価をする事ができます。
 また、アウトブレイクの原因の追及に行き詰った時には「そうだ現場に行こう」というフレーズを思い出せということも印象に残りました。検査データだけを見ていても限界があり真の現場を見よということです。

 臨床検査技師としてアウトブレイクを系統立てて考え評価し、対応して収束させていく。さらに再発防止策を考えていくことはチーム医療の中でも必要な役割だと考えられ、今回は非常に勉強になりました。
 微生物担当以外の参加者も多数ありました。疫学や数学は遠い学生時代の思い出であったが久しぶりに数式にもふれることができ、軽快な話であっというまの90分でした。


                         平成21年10月28日     文責: 荻野毅史

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