生涯教育レポート 8

日時:平成18412日(水) 19:0021:00
場所:大宮ソニックシティ905号室
テーマ:新人のための臨床微生物検査 −緊急を要する感染症への対応−
講師:西山 宏幸 駿河台日本大学病院
参加人数:59

緊急を要する感染症への対応ということで「全身性の感染症」、「中枢神経系の感染症」、「毒素産生菌による感染症」、「高度耐性菌のアウトブレイク」という4つのテーマに沿い講演していただいた。

1)全身性の感染症:全身性炎症反応症候群(SIRS:systemic inflammatory response syndrome)の概念や血液培養からの検出菌、Streptococcus pyogenes(ヒト食いバクテリア)感染症の症例など
2)中枢神経系の感染症:髄液からの検出菌など
3)毒素産生菌による感染症:Clostridium tetaniVibrio choleraeなど
4)高度耐性菌のアウトブレイク:MDRPmulti-drug resistant P. aeruginosa)による院内感染など

 いずれも分刻みの対応が求められる感染症であり、培養結果を待ってからの報告では意味がない。グラム染色所見、患者情報から菌を推定することが重要となる。また、S. pyogenes(ヒト食いバクテリア)の疑いではA群溶連菌検出キットを使用してみるなどの柔軟な対応も必要となる。 

 感染症の動向を把握することや文献などにより知識を蓄えることを日常からすべきであり、そのような事の積み重ねが患者救命の手助けになる。また、一刻を争う感染症においては医師からの情報が重要となるため、積極的に連絡をとることが必要である。

今回「新人のための臨床微生物検査」ということであったが、非常に有益な内容であり、新人だけではなくベテランにも聞いていただきたい講演であった。

記:結城 篤


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