生涯教育レポート6

日時:平成18112日(木)19002100
場所:大宮ソニックシテイ905
参加人数:53名 会員45名

タイトル:1.平成17年度「院内感染対策講習会」伝達講習会
       五十里 博美(越谷市立病院)
        2.私の考える院内感染対策
           霜島 正浩(BML

1. 平成17101415日にラフレさいたまで行われた院内感染対策講習会の中から、浅利誠志先生の「院内感染、今これだけは必要」を重点的に講義していただいた。

院内感染を防ぐためには、標準予防策・感染経路別予防策を医療従事者が理解し、CDC提唱の予防策等をもとに自分の施設にあうよう工夫したマニュアルが必要である。

検査部では耐性菌の検出情報を報告しているが、薬剤部で把握している抗菌剤の使用状況と比較・整理し、臨床に適切なアドバイスをすることにより耐性菌の検出頻度を低下させることが可能となる。抗菌剤の使用量と検出菌の関連の一例を示す。

     IPM使用量↑↑:Acinetobacter spp.、B. cepaciaS. maltophilia

     CAZ使用量↑↑:ESBLs

     第三世代セフェム、カルバペネムの使用制限:ESBLsP. aeruginosa

     ABK使用量↑↑:ABK耐性のMRSAMRSE

     FCZ使用量↑↑:C. kruseiC. glabrata

 

2. 普段、仕事で看護師に講演しているという内容で基本から丁寧に講義していただいた。院内感染を減らすには、まず看護師にもっと細菌のことを知ってもらうことが必要であり、グラム染色像も提示することにより関心をもってもらえる。

微生物が人から人へ伝播するリスクを減らす最も重要な手段は手洗いである。手洗い前後の手の培養やグリッターバグ(てあらいくんというお値段手頃な商品もある)を使用して手洗い方法を再確認するとわかりやすい。手荒れ防止のために、イルソープのような手に優しいハンドソープや保湿クリーム、適切なディスポ手袋を使用する。皮膚保護クリームであるガードバリア(製造販売()ニューヘヤー化粧料本舗)という商品が今回一番のお勧めであった。 

今回の勉強会は院内感染対策というテーマであったため、細菌検査担当以外のかたの参加も多かったが、噛み砕いた内容でわかりやすかったのでは? 是非、今後の対策に役立てていただきたい。

記:黒澤直美 

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