生涯教育レポート 25           

テーマ:結核とクウォンティフェロンTB−2G  

日時:平成20年9月18日(木) 19:0020:30
会場:大宮ソニック604号室    参加人数:88
講師:吉岡浩明 技師(埼玉県立循環器・呼吸器病センター検査技術部)
講師:柳澤 勉 医師(埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科副部長)

 

結核感染の診断を既往のBCG接種の影響を受けずに,しかも,血液検査で行うことができるクウォンティフェロンTB−2G(QFT)が開発され,日本でも2006年に保険適用になった.今回の講演では,QFT検査法の詳細についてと,実際にQFTの結果を利用して診断・治療をしているドクターの講演であった.検査法については,原理的にはIFT-γを定量する方法(免疫酵素ELISA)ではあるが,吉岡技師の検査室では,QFT検査を自動機器で実施しており,その問題点やコスト削減の改良点を示した.また,最終的な目標は,検査の完全自動化+オンライン化であることを示した.

柳澤先生はQFT検査を必要とすべき背景,有効性,問題点について臨床側からの視点で講演されていた.最近の結核感染患者数・罹患率動向などの基本的な情報,結核感染後QFT結果が陽性になるまでの時間,集団感染発生時の対応,職員検診での有効性,ツ反との結果比較,活動性結核におけるQFTの感度,結核患者におけるQFTの反応性,結核性胸膜炎との関係など,実際の症例,最近の新しい知見,CTX線画像を交えながらの非常に興味深い内容であった,結核感染を規定する絶対基準ない中で,QFT検査は,結核感染診断に非常に有力な診断の項目になる予感が感じられた,また,今後,現状よりもさらに少量の検体量等で検査できる「第3世代」のQFTが諸外国では既に使用されており、本邦への認可が待たれると示した点が特に印象深かった.

文責:金田光稔

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