生涯教育レポート 20
日 時:平成19年12月7日(金)19:00〜21:00
テーマ:検査で用いる簡単な統計 −今日の参加者に有意な性差を認めるか−
会 場:大宮ソニックシティ601号室
講 師:神山 清志(浦和市医師会メディカルセンター)
参加者:45名
【研修会概要・感想等】
『なぜ統計が必要なのか』という基本的事項の説明から、検診の生化学データを用い、エクセルでの度数分布表(ヒストグラム)の作成方法、正規分布、歪度と尖度等を詳しく教えていただいた。数字の羅列されたデータ(表)だけではわかりにくいため、まずグラフ化してみる。すると、見えてくる情報が格段に増えるということがわかった。
微生物の分野でも、薬剤感受性の精度管理をグラフ化することにより、バラツキの要因が「測定者よる誤差」なのか、「ふ卵器による誤差(温度差)」なのか等、視覚的に変動をいち早く見つけられるため、原因の解析へと繋がると思われる。ただし、臨床化学の分野では「±2SD」という概念で管理限界を設定されていることが多いと思うが、微生物ではATCC株を使用した精度管理限界値が設定されているので、その値から外れたかどうかの方が重要となる。
講演後半では、学会発表や論文でよく使われる有意差検定についても説明していただいた。検定は、有意差があることを証明するものではなく、有意差がない(AとBの平均値には差が無い、など)と仮説を立て、それを立証・棄却することである。
ちなみに「p<0.05」とは・・・。『同じことを100回実施したら5回は違う結果になる可能性がある』ということ。難しい言い方では「5%の危険率で仮説は棄却された」(本来の書き方)。分りやすく言うと「5%水準で有意差を認めた」ということになる(どちらも同じ事を言っています)。
エクセルでの有意差検定の方法も教えていただきましたので、次回の学会では、統計の苦手だった方々も是非統計を使用してみましょう!!
平成19年12月21日
レポーター:黒澤 直美