生涯教育レポート 16
 院内感染のポイント
               

日 時:平成19515日(火) 19:0020:30
テーマ:院内感染のポイント
−ディフシール菌、ノロウィルスを中心に−

場 所:大宮ソニックシティ601号室  参加人数:76
講 師:霜島 正浩(株式会社ビー・エム・エル)

概要・感想など:

 

腸管感染症の原因であるノロウイルスとクロストリディウム・ディフィシルを中心に院内感染対策のポイントについて講演していただいた。食中毒の発生状況は、これまで細菌を原因とするものが多かった。しかし、現在では検査方法の普及等によりノロウイルスを原因とする事例が増加しており患者数では最も多い原因である。また、昨年大流行して話題となった事も記憶に新しい。アルコールにも強い抵抗性を持ち感染能力も極めて高く、嘔吐物の処理には注意が必要である。クロストリディウム・ディフィシルは芽胞を形成して乾燥・消毒薬に抵抗性があることから院内感染の原因となる。石鹸と流水による手洗いが基本であり、排泄物を扱う際はディスポーザブルの手袋の使用し接触予防策をとる。環境の清掃消毒としてはドアのノブや便座の清掃消毒をすることで感染経路を遮断することも大切である。産生されるToxinAとBがその病原性に大きく関わり、両Toxinを検出可能な検査キットが近日発売予定である。
 微生物の検査をしている検査技師が、微生物の特徴を踏まえた感染対策について看護師等の医療スタッフに分かりやすく伝えることも我々の大切な役割である。今回の講演を参考に自施設での院内感染対策に役立てたい。

  平成19年5月18日 文責:荻野 毅史

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