生涯教育レポート 1


日時:平成17年4月20日(水)19:00〜21:00
場所:大宮ソニックシティ 905号室
タイトル
1.CLSI M100−S15(NCCLS M100−S15)の解説
 武沢敏行(日本ベクトンデェッキンソン株式会社 学術情報部)
2.微生物検査技師への教育指導について
 −新人がベテランになるまで−
 矢越 美智子(日本大学医学部附属板橋病院)

【Report 1】
 NCCLSは、CLSI(Clinical Laboratory Standards nstitute)に名称を変更した。
●主な変更点
 「S15から」
 @ESBL産生スクリーニング及び確認試験
  P.mirabilisの追加:P.mirabilisの日常的なスクリーニング試験を勧めない。
臨床的に関連がある(血液からの分離など)分離株の場合CAZ,CTX,CPDXの結果で暫定的にESBL産生株と同定。確認試験で産生が認められたらペニシリン系,セフェム系の全て及びAZTに耐性と報告すべき。
 「S14から」
 AESBLsのスクリーニング
 ディスク法:cefpodoxime ≦17mm
 希釈法:cefpodoxime 4μg/ml
 Bリネゾリド(Linezolid)の追加
 CS.pneumoniae :
 AMPC,AMPC/CVA,CFPM,CTX,CTRXの判定基準が髄膜炎とそれ以外に分かれた。
 DStreptococcus spp.(S.pneumoniae以外):
  PCG,ABPC,CFPM,CTX,CTRXの判定基準がβ溶血連鎖球菌とviridans group に分かれた。
 ECFX(Cefoxitin)ディスクの使用でオキサシリン耐性S.aureusCNSを検出可能
 「S13から」 
 Fテリスロマイシン(Teliyhromycin)の追加。

その他、基準化されていない試案の解説などあった。このあたりは大変興味深く質問も多かった。
詳細はCLSIホームページ(Shop CLSI)から直接入手可能。
また関連文書はJCCLS(〒103-0008 東京都中央区日本橋中州1-1 Tel:03-3669-9110)

【Report 2】
微生物検査技師への教育指導について
 矢越氏の経験および期待像を含めての講義であった。特に看護師教育の例を示され,知識,技術,精神について教育カリキュラムが明確にされていることを強調した。またこれを参考に,ワークショップ形式で臨床微生物検査技師の新人教育について示した。目標と期限を設定し評価することが重要と説いた。評価は新人を評価するだけではなく,教育者を逆に評価することを加えることがポイントであった。
 臨床検査技師はおよそ知識と技術に集約しがちである。しかし最終的に最も大切なことは精神術であり臨床医や病棟との的確な情報交換が迅速に行えるようになることが重要と説明した。 新たな切り口で興味深い講義であった。

R1,2記:司会H.yoshio
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