生涯教育レポート 1
      
        



     日 時 : 2024年412   1900分〜2030

     会 場 : ソニックシティビル905号室         点数:専門教科−20点


     主 題 : 令和5年度埼玉県・埼玉県医師会臨床検査精度管理事業報告と解説(微生物)




     講 師 :佐々木真一(株式会社ビー・エム・エル)
          大塚聖也(埼玉医科大学総合医療センター)
          渡辺駿介(深谷赤十字病院)
          伊波嵩之(さいたま赤十字病院)


    参加人数 : 26名


     出席した研究班班員 :小棚雅寛、酒井利育、今井芙美、岸井こずゑ、
             佐々木真一、伊波嵩之、渡辺駿介、大塚聖也、山本早紀


    

    《研修内容の概要・感想など》

 今年度最初の研修会を「令和6年度埼玉県・埼玉県医師会臨床検査精度管理事業報告と解説(微生物)」をテーマに開催した。フォトサーベイ、同定検査、薬剤感受性検査、グラム染色について各出題担当から結果報告と解説があった。
 フォトサーベイでは、Edwardsiella tardaを出題した。本菌は、腸炎や創傷感染の原因菌であり、免疫不全患者などで重症化することが知られている。
Salmonella
Paratyphi AProteus mirabilisと回答した施設があった。Edwardsiella tardaとは、インドール産性能やVP反応に違いがあるため基本的性状を再確認していただきたい。
 同定検査では、
Listeria monocytogenesを出題した。L. monocytogenesは、髄膜炎、敗血症、食中毒などの起炎菌となり、妊婦の感染では胎児に垂直感染を起こすことがあるため同定は不可欠である。S. agalactiae と回答した施設があった。
L. monocytogenesとは、グラム染色およびカタラーゼ試験を実施することで鑑別が容易に可能である。
 薬剤感受性検査では、
Enterococcus faecalis VREATCC51299)とEscherichia coli ESBL(臨床分離株)を出題した。AmpC/ESBL鑑別ディスクを用いた施設で、ESBL陽性・AmpC陽性との回答が1施設あった。出題した菌株の薬剤耐性はESBL産生のみであり、AmpCβ-ラクタマーゼの過剰産生は認められていない。添付文書を熟読し、操作方法や判定方法について再確認していただきたい。また、回答の不等号の表記は指定した不等号の使用が望まれる。
 
グラム染色では、Pseudomonas aeruginosaを出題した。全ての参加施設が、グラム陰性桿菌と回答する非常に良好な結果であった。各設問において評価が低かった施設は、問題点を見直し、改善していくことが必要である。最後に無回答の場合は、評価Dとなるので参加申し込み時から注意していただきたい。

文責小棚 雅寛

 



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