生涯教育レポート 2
日 時 : 2023年6月16日 18時30分〜19時30分
会 場 : web開催 点数:専門教科−20点
主 題 :2023年CLSIドキュメントの変更点について
講 師 :原 みゆき(ベックマン・コールター株式会社)
岸井 こずゑ(埼玉県立大学)
参加人数 : 49名
出席した研究班班員 :小棚雅寛、酒井利育、岸井こずゑ、今井芙美、
佐々木真一渡辺駿介、大塚聖也
《研修内容の概要・感想など》
今回は、「2023年CLSIドキュメントの変更点」について原氏を講師にWebにて開催した。
導入として、CLSIドキュメントシリーズのM02はディスク法、M07はMIC法、M100はディスク法およびMIC法、M45は分離頻度が低く栄養要求性の高い菌種について記載されていることが紹介された。次にM100 ED33のTable1においてTier表記が使用されるようになったことに関する解説があった。Tierは階層という意味を持ち、Table1では菌グループごとに、薬剤感受性検査を実施、報告する抗菌薬が優先度順にTier1〜1の1グループに分けられたカスケード構成となっている。すなわち各菌種における重要度の高い抗菌薬から薬剤感受性検査を実施することが理想とされている。臨床では1患者から複数菌種が分離される場合があるが、その場合も1菌種ごとにカスケードを考えていくことが必要である。その他、Table2における新たな表記法:(U)b,(Inv.),* についての解説や、Pseudomonas aeruginosaにおけるアミノグリコシド系抗菌薬に関する追加コメントについての解説があった。
後半は、自動分析装置における精度管理についての話題が提供された。平成30年施行の医療法の一部改正に伴い、「病院等において検体検査を行う場合の内部精度管理の実施」が努力義務化されたこともあり、微生物同定感受性分析装置における精度管理についてメーカーへの問い合わせが増えている。以前は20−30日プランを採用している施設が多かったが、最近では、各標準菌株の再現性について3回測定を5日間実施するWeeklyプラン(3回×5 日間計15回測定)がCLSIより推奨され、こちらに変更する施設が増えているとの報告があった。
CLSIのドキュメントは毎年更新されており、最新版はホームページでも公開されている。本研修会の内容を踏まえてドキュメントを読むと、より理解が深まると思われた。
提出日:2023年6月23日
文責:岸井こずゑ
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