生涯教育レポート 1
日 時 : 2023年4月28日 18時30分〜19時35分
会 場 : web開催 点数:専門教科−20点
主 題 : 令和4年度埼玉県・埼玉県医師会臨床検査精度管理事業報告と解説(微生物)
講 師 :佐々木真一(株式会社ビー・エム・エル)
酒井利育(自治医科大学附属さいたま医療センター)
今井芙美(地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター)
伊波嵩之(さいたま赤十字病院)
参加人数 : 37名
出席した研究班班員 :小棚雅寛、酒井利育、今井芙美、岸井こずゑ、
佐々木真一、伊波嵩之、渡辺駿介、大塚聖也
《研修内容の概要・感想など》
本年度最初の研修会を「令和4年度埼玉県・埼玉県医師会臨床検査精度管理事業報告と解説(微生物)」をテーマに開催した。フォトサーベイ、同定検査、薬剤感受性検査、グラム染色について各出題担当者から結果報告と解説があった。
フォトサーベイでは、Aeromonas hydrophila complexを出題した。本菌は、創傷感染や下痢症での検出が多い菌であるが、Aeromonas veronii biovar sobriaと回答した施設があった。出題菌種とは胆汁エスクリン培地の発育に違いがあるとの解説があった。 同定検査では、Yersinia enterocoliticaとPasteurella multocidaを出題した。Yersinia属には、Y. pestis、Y. enterocolitica、Y. pseudotuberculosisが代表的なヒト病原性菌として存在している。Yersinia sp.と回答した施設は生化学的性状等を確認し、Y. enterocoliticaと菌種まで同定できるようにしていただきたいと報告があった。
薬剤感受性検査では、Enterococcus faecalis(ATCC29212)とPseudomonas aeruginosa MDRP(臨床分離株)を出題した。正確な検査結果を報告できるよう日常から内部精度管理を実施することが重要であると報告があった。多剤耐性緑膿菌は、厳重な感染対策を実施する必要があるため検出された場合は、臨床へ確実に多剤耐性緑膿菌(MDRP)とわかる結果報告をすることが大切との解説があった。
グラム染色では、Streptococcus pyogenesを出題した。未回答を除いたすべての施設が、グラム陽性球菌と回答する非常に良好な結果と報告があった。
一方で、すべての設問で、参加申し込みしているにも関わらず無回答の施設が散見された。無回答の場合は、評価Dとなるので参加申し込み時から注意していただきたい。各設問において評価が悪かった施設は、問題点を見直し、改善していくことが重要である。
(文責:小棚 雅寛)
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