生涯教育レポート 5
      
        



     日 時 : 2022年1118   1830分〜1945

     会 場 : web開催         点数:専門教科−20点


     主 題 : 微生物検査のリアルタイムPCR活用法〜PCRの基本から結果解釈まで〜




     講 師 :村井 美代(埼玉県立大学)
         





    参加人数 : 69名


     出席した研究班班員 :小棚雅寛、酒井利育、今井芙美、岸井こずゑ、
             伊波嵩之、渡辺駿介、大塚聖也


    

    《研修内容の概要・感想など》

 今回の研修会は、「微生物検査のリアルタイムPCR活用法 〜PCRの基本から結果解釈まで〜」をテーマに、村井氏を講師にWebにて開催した。核酸の抽出法にシリカメンブレン法や磁気ビーズ法があり、グアニジンイソチオシアネートを使用しRNaseを不活化するなど、抽出法の原理がわかりやすく説明された。
 PCRの原理は、952本鎖DNAを1本鎖にし(熱変性)、55前後に温度を下げてプライマーを結合させ(アニーリング)、72に温度を上げ耐熱性DNAポリメラーゼの作用で相補的DNAが合成される(伸長)。熱変性、アニーリング、伸長を1サイクルとし、サイクルを回すことで標的DNAを増幅させ、得られた増幅産物を電気泳動により検出することが解説された。また、プライマーやDNAポリメラーゼの働きによりDNAの複製が行われることや、相補性の違う塩基が結合した場合でもDNAポリメラーゼの働きにより修正される校正作用について説明された。
 リアルタイムPCRは、PCR反応の過程をインターカレーター法や加水分解プローブ法などの蛍光検出系でリアルタイムにモニターし、増幅産物を検出する。従来のPCR法と違い、増幅と検出を同一ウエルで行うことで標的核酸を迅速に検出できることや、既知濃度の標的物質を段階希釈しCT値より検量線を作成し、サンプル中の目的DNA濃度を求める絶対定量について解説された。
 MRSAの遺伝子検査はMRSAに特異的な3つの遺伝子を検出することで、血液培養陽性の培養液より直接MRSAを検出するマルチプレックスPCRが紹介された。
 今回の研修会は、PCRの原理や操作法の注意点など遺伝子検査の基礎についてわかりやすく解説された。研修会で得た知識を活かして日常業務に役立てていただきたい。

文責酒井 利育

 



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