◎軍司 雅代1)、髙橋 瑞貴1)、尾股 恵美1)、佐藤 友紀1)、山口 純也1)、関谷 晃一1)◎軍司 雅代1)、髙橋 瑞貴1)、尾股 恵美1)、佐藤 友紀1)、山口 純也1)、関谷 晃一1)血 液◎小野 恵奈1)、佐々木 志穂1)、窪田 勝己1)、野口 彩紀子1)、佐藤 麻央1)、三志奈 賢司1)、松岡 優1)、前田 卓哉1)連絡先:0570-08-1551(内線1902)抗抗菌菌薬薬投投与与後後PT-INRがが延延長長しし、、メメナナテテトトレレノノンンでで改改善善ししたた一一症症例例回回盲盲部部・結結腸腸部部のの部部分分切切除除後後ににPT、、APTTがが著著明明にに延延長長ししたた一一症症例例回回盲盲部部・結結腸腸部部のの部部分分切切除除後後ににPT、、APTTがが著著明明にに延延長長ししたた一一症症例例◎小野 恵奈1)、佐々木 志穂1)、窪田 勝己1)、野口 彩紀子1)、佐藤 麻央1)、三志奈 賢司1)、松岡 優1)、前田 卓哉1)埼玉医科大学病院1)埼玉医科大学病院1)◎軍司 雅代1)、髙橋 瑞貴1)、尾股 恵美1)、佐藤 友紀1)、山口 純也1)、関谷 晃一1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県 済生会川口総合病院1)96った.PT-INRが投与後に異常高値を示したが,メナテトレノン製剤静注後,急激な改善が見られた.【考察】PT時間の延長としてワーファリン服用や,ビタミンK欠乏などが考えられる.ビタミンK欠乏の原因として食事摂取量の低下,嘔吐・下痢などの消化器症状,閉塞性黄疸,抗菌薬の投与が挙げられる.抗菌薬のうち,セフェム系抗菌薬でPT-INRの延長が報告されているが,今回ペニシリン系抗菌薬であるスルバシリンを投与した症例であった.スルバシリンはβラクタマーゼを産生する菌に強く作用する.ビタミンK産生腸内細菌として主にBacteroides属があげられる.多くがβラクタマーゼを産生するためスルバシリンにより数が減少,ビタミンK産生が抑制されたことで,PT-INRの異常高値が出現したと考えられる.【結語】本症例では,原因検索を十分に行うことができなかった.今後同様の症例を経験した際には抗菌薬による変動の可能性を念頭に置き,定期的な凝固検査の実施の提案,ビタミンK欠乏の指標であるPIVKA-Ⅱの測定も有用であると考えられる. 連絡先:049(276)1436院使用凝固機器ではPT値測定不能となった.追加詳細検査値として,VK依存性凝固因子活性値は,Ⅱ 6%,Ⅶ 9%,Ⅸ 3%,Ⅹ 6%と著明に低下し,PIVKAⅡは157,952mAU/mLと著増していた.その後,止血機構賦活ビタミン(ケイツー)を投与し翌日の結果はPT 15.3秒,APTT 44秒, Ⅱ 31%,Ⅶ 74%,Ⅸ 35%,Ⅹ 27%,PIVKAⅡ 81,674mAU/mLとなり,投与2日目にはPT,APTT値は正常値に戻った.詳細な経時データは当日スライドにて提示する.【考察・結語】今回の症例は,入院中の抗生物質の投与(特にセフェム系抗生物質製剤),慢性腎臓病,手術による食事制限,悪性腫瘍, 回盲部及び結腸部の部分切除術の複数の要因が重なり,重度のVK欠乏を引き起こし,PT及びAPTTの著明な延長をきたした.データの解釈に対する臨床側からの問合せに当初は的確な返答が出来なかったが,今回の経験を通し,検査技師として臨床側に的確な助言が出来るよう凝固の基礎的な部分も学び直し活かしていきたい. 【はじめに】凝固因子第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子産生はビタミンKに依存し,PT時間に大きな影響を与える.今回抗菌薬の投与と,メナテトレノン製剤(ビタミンK剤)によるPT-INRの数値が短期間で大きな変動を示した一症例を経験したので報告する.【症例】64歳男性,原発性副甲状腺機能亢進症と診断され,手術治療を予定されていた.炎症反応の上昇,CT画像で気管支炎と肺炎の感染が疑われ各種培養が提出,同日よりスルバシリンによる抗菌薬加療が行われた.【検査所見】〈スルバシリン投与前〉APTT時間 47.3秒,PT時間 15.8秒,PT-INR 1.27,AST 41 U/L,ALT 22 U/L,LD 429 U/L,ALP356 U/L,CRP 2.26 mg/dL,喀痰培養検査で,Klebsiella oxytoca,Pseudomonas aeruginosaが3+,α-Streptococcusが1+であった.〈スルバシリン投与3日後:測定時間 9:11〉PT時間 55.0秒以上,PT-INR 5.20以上.AST 33 U/L,ALT 21 U/L,LD 314 U/L,ALP 291 U/L〈同日10:00頃,メナテトレノン製剤静注後 測定時間 11:21〉APTT時間 48.6秒,PT時間 16.3秒,PT-INR 1.31,FIB 143 mg/dL,血中FDP 7.1 μg/mL.スルバシリン投与前後で肝機能の値に変動は見られなか【はじめに】ビタミンK(VK)欠乏症は,ビタミンK依存性凝固因子(第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子)の欠乏により発症する.成人の場合,複数の要因が関与し発症する場合が多く,スクリーニング検査としてプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長等が診断に有効である.今回我々は,回盲部及び結腸部の部分切除後にPT,APTTが著明に延長し,原因がVK欠乏症であった症例を経験したので報告する.【症例】70代男性.下行結腸癌による大腸閉塞により当院緊急搬送.その後大腸穿孔を発症し緊急手術.約2か月後,下行結腸癌に由来する回盲部及び結腸部の部分切除が施行された.既往歴は,慢性腎臓病(CKD G5D),2型糖尿病,閉塞性動脈硬化症,発作性心房細動. 特記事項として,入院中抗生物質長期使用.【経過・結果】入院時凝固:PT 16.0秒 INR1.27,APTT 29秒(ワーファリン服用.入院後中止).回盲部及び結腸部の部分切除術後徐々にPT,APTTが延長,術後9日目のデータがPT 200秒以上,APTT 108秒になり,当抗菌薬投与後PT-INRが延長し、メナテトレノンで改善した一症例血液EntryNo. 65血液血-8(13:00~13:10)EntryNo. 68回盲部・結腸部の部分切除後にPT、APTTが著明に延長した一症例血-7(12:50~13:00)
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