血 液◎神戸 小雪1)②A法とB法の比較ではB法で濃染する傾向があり、A◎柳沢 静香1)、鈴木 慎平1)、吉野 亜美1)、吉田 翔平1)、長岡 勇吾1)、岡本 直子1)◎柳沢 静香1)、鈴木 慎平1)、吉野 亜美1)、吉田 翔平1)、長岡 勇吾1)、岡本 直子1)さいたま赤十字病院1)さいたま赤十字病院1)◎神戸 小雪1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立小児医療センター1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立小児医療センター1)鏡鏡検検業業務務ににおおけけるる症症例例共共有有のの取取りり組組みみ当当セセンンタターーににおおけけるるギギムムザザ染染色色液液のの比比較較検検討討93【はじめに】当院では,当直の勤務化と業務の拡充に対応するため,血液・輸血と生化学・免疫血清に分かれていた業務を一本化し, 1つの課で担当することによりフォロー体制を整えた.現在,新人,時短勤務者,再雇用者を除く12名は,これら全てのルーチン業務を行っている.そのため,鏡検業務に携わることができる技師が増えた一方で,全員で集まり顕微鏡を使用した症例の共有が難しくなったことが課題であった.今回,Excelを用いて標本管理表(以下表)を作成し,各々時間があるときに症例を共有できるような取り組みを始めたので報告する.【運用】表の管理者は血液分野の責任者と鏡検業務経験の長い技師の2名としている.末梢血液,骨髄液,体腔液などの標本を鏡検中に①分類不能な細胞をカウントした症例,②その他共有したほうが良いと判断した症例,に遭遇した場合には管理者へ報告する.報告を受けた管理者は表中に標本情報(材料,採取日,受付番号,患者IDとイニシャル),分類不能な細胞の割合,特記事項を入力する.特記事項は必要に応じて細胞の特徴,患者情報,院内検査の結果,【はじめに】ギムザ染色は血液塗抹標本における最も基本的な染色方法であり、血液細胞の形態を評価するために日常的に用いられる。しかしその染色性は染色液メーカーや染色条件によって幅があり、さらに観察する要員によっても染色性の評価は異なる。今回、当センターではメイグリュンワルド・ギムザ染色に用いるギムザ液の変更を余儀なくされ、3製品の評価を行うにあたり、北海道臨床衛生検査技師会が発表している血液細胞形態の評価基準法を使用して比較したため、報告する。【対象】当センター職員10人と外来患者10人のEDTA2K採血塗抹標本(スピナー法)【方法】①ギムザ液3製品を用い、染色条件を同一にし、染色を行った。染色した塗抹標本は、北海道臨床衛生検査技師会が発表している血液細胞形態の評価基準に則って点数化し、比較した。外注検査の結果,病理検査の結果,治療について記載している.また,表中には撮像した細胞画像のリンクを挿入し,観察してもらいたい細胞がわかりやすいように工夫した.標本は所定のケースで管理し,各自業務の空いた時間に表の内容と合わせて観察できるようにした.表は全ての電子カルテ端末で閲覧可能なため,いつでも症例を確認することができる.【結語】表の運用を始めたことで,症例の共有を行いやすい環境となった.また,特記事項の活用により,カルテレビュー力の向上にも結び付いた.今後,タスク・シフト/シェアを含めた臨床からの要望に応えていくために,更なるフォロー体制が必要になることが想定されるが,検査の質を維持する工夫が必須だと考える.今回取り組んだ表は,限られた時間でできる症例の共有や形態の知識を身につけるためのツールとして活用し,鏡検業務に携わる技師全員が細胞を正しく分類できる能力を向上させていくことに繋げていきたい. 連絡先:048-852-1111②①で最も点数の高いギムザ液を用いて、当センターで日常的に設定している染色条件(A法)とメーカーが推奨している染色条件(B法)で染色し、それぞれの標本を再度点数化して比較した。【結果】①3製品で染色性に大きな差は見られなかったが、C液が最も点数が高かった。法の点数が上回った。③点数と実際の見やすさはおよそ比例していた。ただし、細胞の種類によっては比例しないものもあった。【まとめ】血液細胞の染色性については、今回のように一定の基準を設けて細胞を点数化する事で、より客観的に染色性を評価する事が出来た。B法で濃染する傾向は、メーカー推奨法は用手法を想定しており、自動染色装置を用いたA法は振盪が加わるために染色性が異なると推測された。連絡先:048-601-2245鏡検業務における症例共有の取り組み当センターにおけるギムザ染色液の比較検討血-1(10:30~10:40)血-2(10:40~10:50)血液EntryNo. 25血液EntryNo. 46
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