輸 血◎濱本 隆明1)、尾形 洋輔1)、小森 幸子1)、松熊 晋1)◎大澤 崚1)、小浦 麻由1)、岡村 久理子1)、江森 唯1)、本宮 夏海1)、野口 愛莉1)、原 涼乃1)、石井 圭一1)◎大澤 崚1)、小浦 麻由1)、岡村 久理子1)、江森 唯1)、本宮 夏海1)、野口 愛莉1)、原 涼乃1)、石井 圭一1)防防衛衛医医科科大大学学校校病病院院ででののククリリオオププレレシシピピテテーートト製製剤剤ののフフィィブブリリノノゲゲンン回回収収率率ににつついいてて◎濱本 隆明1)、尾形 洋輔1)、小森 幸子1)、松熊 晋1)防衛医科大学校病院1)防衛医科大学校病院1)◎大澤 崚1)、小浦 麻由1)、岡村 久理子1)、江森 唯1)、本宮 夏海1)、野口 愛莉1)、原 涼乃1)、石井 圭一1)戸田中央メディカルケアグループ TMGあさか医療センター1)戸田中央メディカルケアグループ TMGあさか医療センター1)戸田中央メディカルケアグループ TMG あさか医療センター1)【はじめに】当院では,日本輸血・細胞治療学会が作成した「クリオプレシピテート作製プロトコール」(以下,プロトコール)に準じ,輸血検査室にてFFP-LR 480製剤(以下,FFP)からクリオプレシピテート(以下,クリオ)製剤を作製し,周術期、出産、外傷等での大量出血事例時に対応している.プロトコールでは,クリオ製剤の品質管理として,Fib回収率チェックする方法が記載されており,今回われわれは,作製したクリオ製剤の回収率の調査を行ったので報告する.【方法】①2020年1月から2024年7月までに作製された81件のクリオ製剤の回収率について調査した.回収率は,作製前のFFPのFib量(A)と作業工程中に除去したFFP上清のFib量(B)を使用し,(A – B) /Aとして計算した.②プロトコールに記載された回収率の目安(40~50 %)に満たなかった製剤について調査した.【結果】①クリオ製剤の回収率の平均は,49.5 %(最大:63.5 %,最小:36.0 %)であった.クリオ製剤の作製に使用したFFP1パックあたりのFib量の平均は1176.4 mg(最【はじめに】輸血による感染症の一つに細菌感染がある.日本赤十字社によると毎年1例程度の血小板製剤による細菌感染事例が確認されている.今回,当院で血小板製剤による細菌感染事例を経験し,院内での輸血製剤の管理,対応の重要性を再認識する機会を得たので報告する.【症例】72歳 女性.骨髄異形成症候群(MDS)の治療目的で入院.治療薬であるアザシチジン使用による血小板減少に対し,照射濃厚血小板-LR(採血後3日)の輸血を施行.輸血開始15分後までに異常はなく輸血を継続.さらに15分後,看護師来室時に血小板輸血セットのフィルターに詰まりを確認し直ちに輸血を中止.投与終了3時間後に発熱(39.2℃),酸素飽和度低下(90%),シバリングが発生した.BaCon Studyの症例登録基準より血小板輸血による細菌感染が疑われ,血液培養を採取.後日当該製剤を埼玉県赤十字血液センターへ提出,調査を依頼した.【結果】調査結果より当該製剤の色調に異常はみられなかったが,2~18mm程度の凝集物が確認された.無菌試験で嫌気性培地,好気性培地いずれも陽性.細菌培養同定検査で大:1789.2 mg,最小:808.2 mg,SD:192.6737)であった.作業工程中に除去したFFP上清1パックあたりのFib量の平均は580.8 mg(最大:822.2 mg,最小:398.1 mg,SD:81.8174)であった.②プロトコールの目安に満たなかった製剤は9/81例(11.2 %)あり,回収率は36.0 ~ 39.0 %の範囲であった.該当したFFP1パック当たりのFib量の平均は994.1 mgであり,全81例のFib量の平均より少なく,t-検定を行ったところ,有意差を認めた.(P<0.05)【考察・まとめ】作製したクリオ製剤の回収率を調査したことで,プロトコールにて作製した製剤の多くが,有効な品質を担保していた.一方,クリオ製剤の原料となるFFPのFib濃度が少ない製剤では,低回収率となる事例が認められ,クリオ製剤を作製するFFPは,血液センターで製剤製造時にFibのチェックが必要なことが示唆された.より品質の高いクリオ製剤を臨床に提供するためには、血液センターでのクリオ製剤の製造・供給または,FFP製造時にFib測定された製剤の提供等,血液センターへ要望していきたい. 連絡先:04-2995-1895(直通)は患者由来菌株,当該製剤由来菌株ともに黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が同定され,パルスフィールドゲル電気泳動法による遺伝子検査では泳動パターンが一致し相同性を認めた.問診や採血に関わる記録から異常は確認できず細菌混入の原因特定には至らなかったが黄色ブドウ球菌による細菌汚染が輸血による細菌感染を引き起こした可能性が高いとの結論に至った.【結語】今回,初めて血液製剤による細菌感染を経験した.当院では製剤の出庫時に外観確認を行っているが本事例では外観の異常,凝集物の発見には至らなかった.再発防止,管理の見直しとともに今後,より意識的に外観確認を行い記録に残す必要性を鑑みて輸血部門システムでの管理・運用を実施することとした.日本赤十字社より2025年には血小板製剤の出庫前細菌スクリーニングの導入が予定され輸血による細菌感染発生の大幅な低減が予測される.改めて血液製剤の外観確認の重要性,輸血開始後の患者観察等の安全対策の徹底に努めていきたい.血血小小板板製製剤剤のの輸輸血血にによよるる細細菌菌感感染染がが疑疑わわれれたた1例例血血小小板板製製剤剤のの輸輸血血にによよるる細細菌菌感感染染がが疑疑わわれれたた1例例連絡先:048(463)728487防衛医科大学校病院でのクリオプレシピテート製剤のフィブリノゲン回収率について血小板製剤の輸血による細菌感染が疑われた1例輸血EntryNo. 55輸血EntryNo. 64輸-6(11:20~11:30)輸-7(12:50~13:00)
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