◎比嘉 絢子1)、小島 みなみ1)、宮崎 梨恵1)、吉野 優里1)、小島 典江1)、伊丹 直人1)輸 血◎中村 佑稀1)、小曽根 江美1)、畠山 玲奈1)、塚原 晃1)段階に該当するのかを検査時に判断し記録を残すこととした.③選択すべき製剤の血液型を患者カルテに表示し,医師は製剤依頼の都度,製剤血液型を選択する仕様にシステム変更した.④輸血管理システムの製剤割り付け画面に選択すべき製剤の血液型を表示し,対象外の血液型が割り付けられた際に警告が表示されるようシステム変更した.⑤血液型がドナー型へ移行中の患者名と,その患者の選択すべき製剤の血液型を輸血管理室内に掲示した.【結果】管理方法変更後,移植患者におけるインシデントは発生していない.【考察】移植患者の対応が統一化されたこと,血液型の移行段階を判断するポイントが増えたことでインシデントの発生を抑制できていると考えられた.移植患者や選択すべき製剤の血液型の確認が容易になったことで,いつ誰が業務を行っても同じように対応できる運用を構築することができた.【結語】移植患者の対応を整理しスタッフの認識を統一したことでより安全な輸血医療の提供に寄与できた.他職種かつ複数の要員が携わる業務においては情報の共有が重要である.連絡先:048-722-1111であった.(輸血後Hb)-(輸血前Hb)の輸血効果判定値は平均1.63g/dlの上昇がみられた.輸血効果判定未実施は4%あった.輸血オーダーが適正と判断した割合は65.2%(137/210件),不適正と判断した割合は34.8%(73/210件)であった.【考察・結語】血液製剤の適正使用推進は,患者様にとって医学的・経済的な不利益を被らないために重要である. その為,赤血球輸血トリガー値を医師と共有し,不適正だと思われる輸血オーダーに関して医師へ単位数の変更や,中止等を提案し,意見交換を積極的に実施していきたい.また輸血前後の検査が適切に行われていない事例もあるため,輸血効果判定の重要性を伝えていく必要がある.一方,今回Hb値により不適正と判断されたものであっても,生活の質(QOL)向上目的のため輸血を実施することもある為,生活環境・背景も考慮し,医師への問い合わせを実施する必要がある.今後も輸血療法委員会・医師と協働し,適正輸血の推進に努めていきたい.連絡先:0570-01-111【はじめに】当院では血液内科医師の増員以降,ABO異型造血幹細胞移植件数が大幅に増加し,製剤準備時のインシデントが散見されるようになったため管理方法を検討したので報告する.【事例】事例1:ABO異型造血幹細胞移植患者において,医師は血液型検査の結果を基に使用する製剤の血液型を選択していた.該当患者が増え,不適切な血液型で製剤が依頼され製剤準備まで進めた.事例2:マイナーミスマッチ移植後,血液型がドナー型に移行している患者に患者型の製剤を輸血していた.上記2例を経験し管理方法を見直し対策を講じた.【原因】事例1:製剤の血液型を切り替えるタイミングが院内で統一されていなかった.事例2:輸血管理室では5人の要員が製剤管理・輸血検査をローテーションしている.移植患者の情報が十分に伝達されず,血液型移行状態の判断が適切に行われていなかった.【対策】①製剤の血液型を切り替えるタイミングを輸血療法委員会で共有した.②移植患者の血液型検査について,1.患者型,2.ドナー血球出現,3.カラム凝集法で患者血球消失,4. 試験管法で患者血球消失(ドナー型)の4つに分類し,患者がどの【目的】血液製剤使用指針(赤血球製剤)では,末梢循環系への十分な酸素供給と循環血液量を維持する事が使用目的とされており,当院では急性出血や慢性貧血・周術期において日常的に輸血を行っている.状況に応じて輸血投与量は異なるが,製剤の過剰な使用は,ウイルス感染や免疫性副作用の危険性を増加させる恐れがあるため,適正使用の推進が必要である.今回,当院での赤血球製剤の適正使用実態調査を行い,問題点について検討したため報告する.【対象・方法】[対象]2024年1月~3月に周術期輸血以外での目的で赤血球製剤の輸血を実施した患者210名.[方法]当該患者の輸血決定時Hb値により3つの区分(①7.9以下, ②8.0~9.9, ③Hb10以上,単位:g/dl)に分け, 赤血球製剤の適正使用および輸血効果判定について集計した.適正使用を判断するうえで,厚生労働省が策定した「血液製剤の使用指針」と照らし合わせた. 【結果】輸血決定時Hb値区分の割合は①79.5%,②14.8%,③5.7%であった.輸血効果判定は入院輸血では1~4日後,外来輸血では2~14日後に実施され,輸血後Hbは平均9.0g/dl◎比嘉 絢子1)、小島 みなみ1)、宮崎 梨恵1)、吉野 優里1)、小島 典江1)、伊丹 直人1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター1)◎中村 佑稀1)、小曽根 江美1)、畠山 玲奈1)、塚原 晃1)戸田中央メディカルケアグループ 戸田中央総合病院1)戸田中央メディカルケアグループ 戸田中央総合病院1)86当当院院ででのの赤赤血血球球製製剤剤輸輸血血にに係係わわるる適適正正使使用用調調査査ににつついいててABO異異型型造造血血幹幹細細胞胞移移植植患患者者ににおおけけるるイインンシシデデンントト削削減減のの取取りり組組みみ当院での赤血球製剤輸血に係わる適正使用調査について輸-4(11:00~11:10)ABO異型造血幹細胞移植患者におけるインシデント削減の取り組み輸-5(11:10~11:20)EntryNo. 60 輸血EntryNo. 39輸血
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