生 理◎福島 渉1)、渡邉 一儀1)、稲垣 正樹1)、内山 健二1)、中島 あつ子1)、党 雅子1)、春木 宏介1)◎中村 麻里子1)、横田 玲於奈1)、高橋 真由美1)、浅子 瑞穂1)、桐生 ななえ1)、早川 勇樹1)、小野口 晃1)神神経経伝伝導導検検査査ににおおけけるる痛痛みみ緩緩和和をを目目的的ととししたたシシーールル電電極極刺刺激激のの有有用用性性ににつついいててのの検検討討◎中村 麻里子1)、横田 玲於奈1)、高橋 真由美1)、浅子 瑞穂1)、桐生 ななえ1)、早川 勇樹1)、小野口 晃1)自治医科大学附属さいたま医療センター1)自治医科大学附属さいたま医療センター1)◎福島 渉1)、渡邉 一儀1)、稲垣 正樹1)、内山 健二1)、中島 あつ子1)、党 雅子1)、春木 宏介1)獨協医科大学埼玉医療センター1)獨協医科大学埼玉医療センター1)80当当院院ででのの聴聴神神経経腫腫瘍瘍摘摘出出術術ににおおけけるる術術中中モモニニタタリリンンググのの試試みみ連絡先048(782)6924【はじめに】聴神経腫瘍は内耳道に発生する良性腫瘍であり,腫瘍付近には脳幹から伸びる顔面神経と聴神経が存在する.顔面神経麻痺や聴力低下は,患者のQOLを下げる大きな後遺症となるため,摘出手術においてこれらの神経機能温存が大切となる.当院での術中モニタリングの症例報告を行う.【対象】過去約3年間に当院で行った16例の聴神経腫瘍. 【方法】術中モニタリングとして,(1)SEP,(2)Tc-f-MEP,(3)顔面神経直接刺激による持続モニター,(4)ABR,(5)Free run EMGを行った.測定機器はNeuropack MEB-2306/2312(日本光電), NIM Response3.0(Medtronic)もしくはC2 Xplore(inomed)を使用した.【結果】(1)SEP:50%以下の低下を陽性とした.16例で変化なし. (2)Tc-f-MEP:12例で変化なし,1例で振幅低下を認め,3例は術前より導出不可能であった.(3)顔面神経直接刺激による持続モニター:11例で変化なし,1症例で振幅低下を認め,1例は導出不可能,3例は持続モニターを行っていなかった.綿電極がずれることで振幅に変化が【はじめに】神経伝導検査は電気刺激による痛みを伴う検査であり, 患者への負担が大きい. 今回われわれは, シール電極を使用した2通りの刺激方法とプローブ電極とで検査値と痛み評価について比較を行い, シール電極が痛みの緩和に有用であるか検討を行ったので報告する.【使用機器】測定機器:Natus Elite(ガデリウス・メディカル社), 導出シール電極:ニップローデⅢ(フクダ電子社), 刺激シール電極:NSC電極 NM-31(日本光電社).【対象及び方法】対象は, 当院の健常者スタッフ男女10名(20~60歳)で, 測定神経を正中・尺骨・橈骨神経とした. 測定方法は, ①プローブ電極刺激, ②シール電極刺激(指で押し込みながらの刺激), ③シール電極刺激(指で押し込みなし)の3法で振幅・速度を算出し, ①に対し②と③について相関係数と有意差を求めて比較をした. 痛み評価は, 被検者が①で感じた痛みを10段階中5とした場合の②と③の10段階評価を確認し, 各刺激方法の平均最大上刺激(mA)とともに比較した.【結果】①との検査値の比較では, ②の各神経において, 振見られたが,その場合は綿電極を置き直してもらいベースラインの再設定を行った.(4)ABR:8例でⅤ波消失.8例で術前よりⅤ波が認められなかった.(5)Free run:10例で自発放電を認めた.16例中3例で術後の顔面神経麻痺が認められ,1例は術前より顔面神経麻痺が認められた.12例で顔面神経麻痺を認めなかった.【考察】顔面神経直接刺激による持続モニターは確実に顔面神経を刺激ができる反面,術操作で電極が動いてしまう欠点がある.その場合,電極の動くことのないTc-f-MEPが有用になると考えられる.また,電極が動いたかの確認を医師に行う必要があると考える.腫瘍が大きい摘出術の場合,腫瘍を剥離していく操作によってABRのⅤ波が消失してしまうことは避けられない.【結語】聴神経腫瘍摘出術に対する術中モニタリングは,種類が多く,また波形の導出も解釈も難しい.今後の術中モニタリングの精度を上げるべく,我々技師だけでなく,医師とともに模索していくべきである.幅の相関係数0.98〜1.00, 速度は相関係数0.89〜0.94でともに有意差なしであった. ③については正中・尺骨神経において, 振幅の相関係数0.97〜1.00, 有意差なし. 速度は相関係数0.90〜0.91, 有意差ありであった. 橈骨神経は導出不能であった. ②と③の痛み10段階評価は, ②が平均4.10±0.88 , 最大6 最小2 , ③は平均4.93±1.51 , 最大7 最小2であった. 各刺激方法の平均最大上刺激(mA)は, ①44mA, ②44mA, ③59mAであった.【考察】①との検査値比較で③は速度で有意差を認め, 橈骨神経が導出不能であった. 電極を押し込まない事により表皮から神経に電気刺激が伝わるまでタイムラグが生じ,速度の差と導出不能例が発生したと考えられる. また, ②は平均最大上刺激が①と同等にもかかわらず, 痛みは軽減を認めた. これはプローブ電極を押し込んだ時の物理的な痛みがないことによるものだと考えられる. ②のシール電極(指で押し込む)方法は, プローブ電極と値に差がなく痛みも低い. 痛みに弱い患者などに対して有用であることが示唆された. 連絡先:048(965)1111当院での聴神経腫瘍摘出術における術中モニタリングの試み神経伝導検査における痛み緩和を目的としたシール電極刺激の有用性についての検討生-16(9:50~10:00)生-17(10:00~10:10)生理EntryNo. 16生理EntryNo. 51
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