埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
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生 理%FS30.6±4.433.8±4.436.2±3.6◎赤井 楓菜1)、神嶋 敏子1)、鈴木 みどり1)、益子 明子1)、藤畑 友里1)、油座 記子1)、小山 真弘1)③GLS低下群9名(8%),ボーダーライン群30名(28%),正常群68名(64%)であった.平均EF,%FS,E/A,E/e'の表を以下に示す.EFGLS57.7±6.6低下群ボーダー群62.2±5.965.8±4.8正常群◎長谷川 ゆみ1)、辻本 恵美1)、澤田 健太1)、秋山 真琴1)、本多 飛鳥1)、木村 紀子1)、戸出 浩之1)抗抗腫腫瘍瘍薬薬にによよるる治治療療後後のの心心機機能能のの結結果果ににつついいててE/A2.2±0.82.3±0.72.5±0.8E/e'7.6±1.37.6±1.57.7±1.3連絡先:048(601)222◎赤井 楓菜1)、神嶋 敏子1)、鈴木 みどり1)、益子 明子1)、藤畑 友里1)、油座 記子1)、小山 真弘1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立小児医療センター1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立小児医療センター1)◎長谷川 ゆみ1)、辻本 恵美1)、澤田 健太1)、秋山 真琴1)、本多 飛鳥1)、木村 紀子1)、戸出 浩之1)獨協医科大学埼玉医療センター超音波センター1)獨協医科大学埼玉医療センター超音波センター1)78【はじめに】近年抗腫瘍薬による心毒性が注目され,GLSはLVEFの有意な低下に先行して低下し心筋障害を予測する指標として有用であるとされている.当センターでも2022年4月より血液腫瘍科患者のUCG検査時にGLSを計測している.今回我々は抗腫瘍薬による化学療法後の患者のUCG検査結果を報告する.【対象】2023年4月から2024年3月までに当センターでUCGを実施した患者154名(3歳~34歳)を対象とした.【方法】病名,年齢,治療後の年数,EF%,%FS,E/A,E/e',GLS%を集計した.GLSを計測できた107名のうち,16%未満を低下群,16%から18%未満をボーダーライン群,18%以上を正常群として分類し各項目を比較した.【使用機器】GE社製VividE9,E95【結果】①154名中GLSを計測できた患者が107名(69%),参考値が25名(16%),計測不可患者が22名(14%)であった.②GLS参考値及び計測不可の理由は,心尖部描出不良,体動,患者の抵抗などであった.心アミロイドーシス(CA)は,アミロイド繊維が心筋間質や微小血管周囲に沈着する疾患で,左室壁ばかりでなく右室や心房中隔の肥厚などの形態的変化や,拡張障害を主体とする機能障害を来す疾患であり,心電図の低電位や偽梗塞型波形は本症に特徴的な所見のひとつとして知られている.心エコー(TTE)では,左室をはじめとする壁肥厚や拡張障害の所見を認めるが,近年ではさらにストレイン解析で心尖部の収縮が保たれる,いわゆるapical sparingが,肥大型心筋症などの他の左室肥大を呈する疾患との鑑別に有用であるとの報告がある.今回我々は,TTEの他所見や心電図がCAの典型的所見を有したにも関わらず,明確なapical sparingを示さなかったAL型CAの1例を経験したので報告する. 【症例】70代男性.【既往歴】心房細動,胃がん.【現病歴】AL型胃アミロイドーシスにて前医入院加療中.心不全症状からCAが疑われ,当院循環器内科に紹介受診.【心電図】心房細動,V1-3:R波増高不良,四肢低電位.【TTE】左室壁はびまん性に肥厚(IVST/PWT=14/13mm)するが,内腔サイズは正常(LVDd/Ds=40/23mm)で,LVEFは73%【考察】抗腫瘍薬による心筋障害は収縮能に先行して拡張機能が低下するといわれているが,各群のE/A,E/e'には明らかな差異は認められず,若年者における有用性は低いと思われた.各群の平均EF,%FSは有意差が認められるもののすべて正常範囲内にあったことから,心機能低下を予測する指標としてGLSが有用であることが示唆された.【結語】今回の結果より,抗腫瘍薬による治療時の心機能評価においてGLSは計測すべきであると思われる.とやや亢進していた. 右室壁は肥厚する(6mm)が,心房中隔に明らかな肥厚はなかった(3mm).Global Longitudinal Strain=15.5%と軽度低下するものの,明確なapical sparingを示さなかった.胸水と少量の心膜液貯留を認めた.【経過】左室壁肥厚や心電図変化,胃アミロイドーシスの既往からCAが強く疑われたため,心筋生検を施行し,病理検査にてAL型CAと診断された.【考察と結論】CAにおいて,壁肥厚やapical sparing,心電図変化は,病態の進行とともに顕著になると考えられる.しかし,本症例はTTEの他所見や心電図所見がCAの典型的所見を有したにも関わらず,明確なapical sparingを示さず,乖離がみられた.apical sparingはCAにおいて特異度,感度の高い指標とされるが,アミロイド繊維沈着の程度や心筋構造など様々な要因が関与しており,その条件によってはapical sparingを呈さないとの報告もある.CAは進行性の疾患であり,早期診断のためにTTEから精査へ繋げることが重要である.本症例のようにapical sparingを示さなくとも, CAを示唆する他の所見が認められた場合には,積極的にCAを疑うことが肝要である.      連絡先- 048-965-1111Apical sparingのの判判定定にに苦苦慮慮ししたたAL型型心心アアミミロロイイドドーーシシススのの1例例Apical sparingの判定に苦慮したAL型心アミロイドーシスの1例抗腫瘍薬による治療後の心機能の結果について生理EntryNo. 40生理EntryNo. 49生-12(9:40~9:50)生-13(9:50~10:00)

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