◎山口 拓1)、田中 佳緒1)、永縄 真央1)、野本 伊織1)、大谷 奈穂1)、小原 明1)病 理◎三ツ木 啓晃1)、日野 るみ1)、金子 りりか1)病病理理組組織織検検体体ににおおけけるる切切出出ししママニニュュアアルルににつついいててヒヒトト癌癌細細胞胞株株ににおおけけるるγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)のの癌癌特特異異経経路路のの病病理理学学的的検検討討◎三ツ木 啓晃1)、日野 るみ1)、金子 りりか1)大東文化大学 大学院1)大東文化大学 大学院1)◎山口 拓1)、田中 佳緒1)、永縄 真央1)、野本 伊織1)、大谷 奈穂1)、小原 明1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県 済生会川口総合病院1)連絡先:04(2936)3507連絡先:048-253-1551【はじめに】 本研究で着目している蛍光プローブ法は近年開発された癌細胞が特異的に光るプローブを用いて癌を検出する方法であり、基礎的研究並びに臨床応用に向けての開発が進んでいる癌検出法の1つである。近年、甲状腺癌についても蛍光プローブが応用可能である事が報告されており、先行研究ではγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)の発現に関する経路の検索を行い、陽性株を用いて免疫組織化学的検討を行った。その結果、GGT1の発現に関する経路にKRAS、HRAS、AKTによるGGT1活性経路への関与が示唆された。【対象】 GGT1の癌特異性についてKRAS、HRAS、AKTの関与を中心に、GGT発現経路に関わる分子を分子病理学的に明らかにする。【方法】 蛍光プローブ法を細胞株で再現し、陽性となった細胞株について免疫組織化学的に検討した。また、免疫染色の評【はじめに】提出される病理組織検体は、手術・内視鏡・生検検体など様々な採取、提出方法がある。そのため、同じ臓器でも処理の方法は一様ではなく、採取方法によって臨機応変に対応しなければならない。したがって、検体ごとに適した処理方法を理解していることが重要である。当院の切出し業務は、複数の病理検査技師がローテーションで行っており、新人技師が最初に研修する業務である。私は、新人技師として切出しの業務に携わる中で、生検材料の処理方法の難しさを実感した。以上のことから、生検材料の切出しマニュアルを見直したため、当院の工夫と併せて紹介する。【気づき】生検材料の切出しが苦渋する原因として、①検体が多種多様であること、②採取法の詳細なマニュアルを作ることが煩雑で文書化が難しいこと、③指導側の経験則による処理のバラツキがあることであり、今回は②にフォーカスを当て、マニュアルの整備を行った。価から、GGT1とRASの阻害剤を用いた検討を行った。【結果】 免疫組織化学的検討からは、RAS、AKT、GGT1活性化経路への関与、GGT1陽性細胞株で細胞増殖、細胞周期の活性化の再現性が得られた。 RAS阻害剤実験では、RASを阻害してもGGT1の発現には影響がなかった。すなわち、RASの下流にGGT1があるのではなく、RASの上流にGGT1が存在する結果となった。 また、GGT1を阻害すると、A549細胞の細胞増殖能が低下することが判明した。【考察】 A549細胞株とHeLa細胞株においてGGT1高発現に関与が示唆された。【結語】 GGT1を阻害する事によりRASの発現が低下し、細胞増殖能が低下したことからGGT1阻害は癌細胞の治療に応用できる可能性が示唆された。【工夫】マニュアル化するにあたり、技師間のみならず、病理医を含めた話し合いを行い、また現在の傾向に合わせた新マニュアルを作成した。【結果】切出しにおけるマニュアルを見直したことで、一定の標準化を設けることに成功した。これは技師間のバラツキを抑えることができ、病理医における診断の負担を減らしていることにも繋がっている。【結語】マニュアル化にあたり、切出しの理解を深めたことで、重要性を再認識することができた。これは、新人教育にも役立てることができ、一つの指標になると考えた。今後も意見を出し合い、改善と実践を繰り返し、更新してより良い病理標本作成に取り組みたい。75の癌特異経路の病理学的検討病理組織検体における切出しマニュアルについて病-1(13:00~13:10)ヒト癌細胞株におけるγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)病-2(13:10~13:20)病理EntryNo. 87病理EntryNo. 63
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