生理埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024 生理EntryNo. 88生理EntryNo. 90生-9(10:50~11:00)生-10(11:00~11:10)◎佐藤 結愛1)、皆川 彩葉1)、中谷 帆乃加2)、大塚 裕子2)、庄司 拓哉2)、植松 明和2)大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科1)、大東文化大学2)大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科1)、大東文化大学2)◎◎川野 翔哉1)、久司 晃生1)、中谷 帆乃加2)、大塚 裕子2)、庄司 拓哉2)、植松 明和2)大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科1)、大東文化大学2)大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科1)、大東文化大学2)◎74生体信号を用いた心電計の精度管理の試み生生体体信信号号をを用用いいたた心心電電計計のの精精度度管管理理のの試試みみ血流依存性血管拡張反応(FMD)検査における血血流流依依存存性性血血管管拡拡張張反反応応((FMD))検検査査ににおおけけるるコーヒーととカフェインレスコーヒー摂摂取取のの影影響響コーヒーとカフェインレスコーヒー摂取の影響佐藤 結愛1)、皆川 彩葉1)、中谷 帆乃加2)、大塚 裕子2)、庄司 拓哉2)【はじめに】心電計の精度管理は,標準物質としてECGジェネレータを用いて,検査機器の品質を担保するのが一般的であるとされる.しかし,ジェネレータがない施設では,各々独自で心電計の精度を担保する方法を考え,精度管理を実施している.今回我々は,本学にジェネレータがないと仮定し,生体信号を用いた精度管理を試みたので報告する.【目的】簡易的な肢誘導のみの心電図を使用して心電計の精度管理を実践すること.【対象】本学にて2024年6~7月の期間,継続的に心電図を施行した学生被検者9名,平均年齢21.2才.【方法】①心電図電極は四肢のみ手足,胸部誘導は左前腕に装着し,被検者9名の心電図を一か月間,月~金曜日に記録した.②心電計が計測した一か月間の肢誘導心電図の詳細データを用い,その統計データから縦軸(振幅),横軸(時間)を管理するための計測項目を決定した.③被検者9名それぞれの計測項目から管理幅を作成した.④精度管理の運用を開始した.ジェネレータはAX-301D,心電計はECG-2550(共に日本光電社)を用いた.【結果】被検者9名における縦軸(振幅)の管理項目は,Ⅱ川野 翔哉1)、久司 晃生1)、中谷 帆乃加2)、大塚 裕子2)、庄司 拓哉2)、植松 明和2)【はじめに】FMD検査とは,血管拡張物質である一酸化窒素が血管壁から放出されることで血管がどの程度拡張できるかを確認し,血管内皮機能を評価する検査である.FMD検査は午前中,空腹時に行うことが望ましく,薬剤,喫煙,カフェインやビタミンCなどが測定結果に影響を及ぼすといわれている.我々の前研究はコーヒーに含まれるカフェインの影響についてコーヒー摂取前後(30分値)を比較検討した.その結果,コーヒー摂取後では有意にFMD値が低下している事がわかった.今回我々はコーヒー摂取前後1時間までのFMD値の経時的変化とカフェインレスコーヒー摂取前後1時間までの経時的変化を比較した.【対象】本学にて2024年6~7月の期間にFMD検査を施行した学生被検者11名(男性:5名,女性6名),平均年齢20.8才を対象とした.喫煙者や生理中の学生は対象外とした.【方法】検査の前日21時以降より絶食とし飲水のみ可とした.検査はユネクス社が発行しているFMD検査測定ガイドブックに従い計測した.安静時FMD計測後にコーヒーを185 mL摂取し,FMDが低下する 30分値と摂取から1時間値を安静時と同様の方誘導およびaVF誘導のR波振幅と両者を足した値の3項目,横軸(時間)の管理項目は,全誘導平均のPR間隔,QRS幅,両者を足した値の3項目について,平均,標準偏差(SD)および変動係数(CV)を求め,CV値が最も小さい項目を選択した.9名にうち,縦軸として選択されたのは,Ⅱ誘導のR波振幅が6名(CV:4.1-9.3),Ⅱ+aVF誘導のR波振幅が3名(CV:4.3-7.6)であった.横軸として選択されたのは,PR間隔+QRS幅:7名(CV:1.6-3.3),QRS幅が2名(CV:2.1-3.5)であった.9名の選択された項目について,管理幅を平均±2SDで作成後,運用を開始した.【考察】心電図の縦軸項目では,Ⅱ誘導のR波振幅が6名に選択されたが,被検者9名の電気軸は60~75度の範囲であり,最も振幅の高いⅡ誘導のR波でばらつきが少なかったと考えられた.横軸項目でPR間隔+QRS幅が7名に選択されたのは,足した長い時間でよりばらつきが減少したと考えられた.本研究の利点は,胸部誘導を使用しないことから,男女問わず肢誘導のみ簡便に記録できることであり,継続してデータを収集していく.連絡先0493-31-1501法で計測した.また,同一被験者に対し安静時FMD計測後にカフェインレスコーヒーを185 mL摂取し,コーヒー摂取時と同様のタイミングでFMDを計測した.使用機器はユネクスイーエフ38G(UNEX社)用いた.【結果】コーヒー摂取による変化は安静時の結果は12.4(4.1)%であったのに対して30分値は8.0(2.5)%,1時間値は14.1(3.9)%であった.カフェインレスコーヒー摂取による変化は安静時が10.9(4.6)%であるのに対して30分値は10.5(3.8)%,1時間値は14.1(4.0)%であった(いずれも平均(標準偏差)).30分値と安静時を比較すると有意な低下はみられず,1時間値では安静時よりもFMDが増加していた.コーヒーとカフェインレスコーヒーの30分値を比較するとコーヒー摂取の方が有意に低下した(p<0.05).【考察】健常大学生においてコーヒー摂取によるFMD値は摂取してから計測のタイミングによって結果への影響の及ぼし方に違いがみられた.またカフェインレスコーヒーとの比較によりFMD値を低下させる物質がカフェインである事が示唆された. 連絡先:0493-31-1501
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