埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
74/134

後12.8±4.10ppb,30分後14.9±5.00ppb,60分後14.6±5.84ppb.昼食直後の測定値に有意差を認めた (p<0.02).他15,30,60分後には有意差を認めなかった.のど飴摂取前11.0±4.80ppb,直後9.2±4.74ppb,15分後10.0±4.04ppb,30分後10.7±4.35ppb.摂取直後の測定値に有意差を認めた( p<0.01).15,30分後には有意差は認めなかった.【考察】食事とのど飴どちらの場合も摂取直後はFeNOが低下し,原因として唾液の分泌が促され上気道のNOが減少したと考えられた.15分後以降, 昼食では摂取前と同程度の数値まで回復するか,緩やかに上昇する変化も一部に認められた.のど飴では摂取前と同程度の数値まで回復した.野菜などの硝酸塩が含まれる食事を摂取するとFeNOが上昇すると報告されており,今回の結果も食事に含まれる硝酸塩が関係していると考えられた.【結語】今回の検討の結果を受け,FeNO検査の際は食事やのど飴の有無を確認し,必要に応じて食後参考値とコメントを入れることとした.今後も臨床側に有用な報告を行っていきたい. ◎中村 将祥1)、大津 佳那子1)、安宅 麻佑1)、佐藤 由佳1)、石井 圭一1)生 理%肺肺活活量量・1秒秒率率をを用用いいたた呼呼吸吸機機能能検検査査のの内内部部精精度度管管理理◎竹内 かな1)、浅見 省吾1)、河村 香奈恵1)、中田 正人1)呼呼気気一一酸酸化化窒窒素素濃濃度度(fractional exhaled nitric oxide;FeNO)測測定定ににおおけけるる食食事事のの影影響響連絡先:048(463)7284◎竹内 かな1)、浅見 省吾1)、河村 香奈恵1)、中田 正人1)医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター1)医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター1)◎中村 将祥1)、大津 佳那子1)、安宅 麻佑1)、佐藤 由佳1)、石井 圭一1)戸田中央メディカルケアグループTMGあさか医療センター1)戸田中央メディカルケアグループTMG あさか医療センター1)72連絡先:048-665-6114【はじめに】呼吸機能検査の内部精度管理は,校正用シリンジを用いた気量の許容誤差限界±3%以内の確認が推奨されている.他施設の先行研究より患者データによる正常者平均法での客観的な評価が有用であると提案されていた.今回当院では%VCとFEV1%に着目し,内部精度管理としての有用性について検討を行った.【方法】①2022年7月~2024年6月に実施した健診受診者の全受診者と正常者ごとの平均,SD,CVを求めた.(正常者:予測%VC≧80%以上,FEV1%≧70%以上)②全受診者と正常者の月別の平均,SD,CVを求めた.③平均とSDの推移を確認した.【結果】①%VC…全受診者:平均=98.98% SD=1.21 CV=1.22,正常者:平均=100.29% SD=0.93 CV=0.93. FEV1%…全受診者:平均=80.89% SD=0.32% CV=0.39,正常者:平均=81.61% SD=0.32% CV=0.40%. ②%VC…正常者:平均=98.22%~101.71% SD=10.39~11.85 CV=10.47~11.76 FEV1%…正常者:平均=80.8%~82.32% SD=5.16~5.89 CV=6.35~7.22【考察】全体の平均値を全受診者と正常者とで比較すると,%VC,FEV1%共に正常者の方が100%に近い数値となり,SD,CVともに収束【はじめに】呼気中に検出される一酸化窒素(以下NO)は気道内の上皮細胞やマクロファージにより産生されたNOに由来すると考えられており健常人においても定常的にNOが呼気中に検出される.今回,測定前の食事が呼気一酸化窒素濃度(以下FeNO)に与える影響について検証した.【対象】喉の有症状や喘息の既往のない当院臨床検査部スタッフ,食事は8名(男性3名,女性5名,平均年齢30.0±6.12歳),のど飴は6名(男性1名,女性5名,平均年齢36.7±10.8歳)を対象とした.【方法】食事とのど飴摂取によるFeNOの経時的変化を測定した. 測定機器は一酸化窒素ガス分析装置NIOX VERO(チェスト株式会社)を使用.食事の検証は朝食から4時間以上経過後に昼食前,昼食直後,15,30,60分後のFeNOを測定した.のど飴の検証は最終飲食から2時間以上経過後に摂取前,摂取直後,15,30分後のFeNOを測定した.各測定値に対応のあるt検定を用いて,摂取前と比較し有意差(p<0.05)をもって影響ありと判定した.【結果】昼食前12.8±4.79ppb,昼食直後9.9±3.90ppb,15分しているのがわかる.正常者にて月別の推移を見ると%VCでは平均98.22%~101.71%,FEV1%では平均80.80%~82.32%の間で変動がみられ両項目安定している.毎年12月,1月での数値の低下が目立ったが季節的な要因を考え,乾燥によるものと予想した.今回のデータをもとに%VCでは目標値を100.29%とし,上方管理限界を102.15%,下方管理限界を98.43%と設定した.FEV1%では目標値を81.61%とし,上方管理限界を82.25%,下方管理限界を80.97%と設定した. 【結語】今回,%VC,FEV1%に着目し推移を追ったが,月別集計において安定した結果が得られ,正常者平均法の有用性について確認ができた.月別集計より正常者平均法を行うことでXbar-R管理図と同様な管理ができ,データの推移を可視化することで機器の不具合やメンテナンスのタイミングがより分かりやすくなる事が期待できる.校正用シリンジによる管理だけでなく正常者平均法を行うことで,精度管理の質向上に繋げられた.      %肺活量・1秒率を用いた呼吸機能検査の内部精度管理測定における食事の影響生-5(10:10~10:20)生-6(10:20~10:30)呼気一酸化窒素濃度(fractional exhaled nitric oxide;FeNO)生理EntryNo. 30生理EntryNo. 75

元のページ  ../index.html#74

このブックを見る