埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
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生 理◎伊澤 美穂1)、丹下 千智1)、間中 樹里1)、長谷川 卓也1)◎中村 美貴1)、伊藤 真由美1)、吉見 明日香1)、安田 茜1)、庄司 優香1)、大川 真実1)、山田 志穂1)◎中村 美貴1)、伊藤 真由美1)、吉見 明日香1)、安田 茜1)、庄司 優香1)、大川 真実1)、山田 志穂1)医療法人社団 愛友会 三郷中央総合病院1)医療法人社団 愛友会 三郷中央総合病院1)◎伊澤 美穂1)、丹下 千智1)、間中 樹里1)、長谷川 卓也1)医療法人社団協友会 八潮中央総合病院1)医療法人社団協友会 八潮中央総合病院1)70狭窄病変との相関性に関する調査報告909mL/min,狭窄群では302mL/minであった.RIの中央値は正常群では0.52,狭窄群では0.76であった.波形パターンの中央値は正常群ではⅡ型,狭窄群ではⅢ型であった.また, 透析中に脱血不良が発生していた症例(脱血不良群)は18件あり,そのうち17件に有意狭窄を認めた.脱血不良群のFVの中央値は226mL/min,RIの中央値は0.84,波形パターンの中央値はⅢ~Ⅳ型であった.ババススキキュュララーーアアククセセスス超超音音波波検検査査導導入入かからら10年年をを経経てて当当院院ののババススキキュュララーーアアククセセススエエココーーににおおけけるる機機能能評評価価狭窄病変との相関性に関する調査報告(連絡先)048‐953‐1325【はじめに】当院では2009年5月より血液浄化センターを院内開設し27床で血液透析を行っている.高齢透析患者や長期透析患者,糖尿病患者の増加によりVascular Access(以下:VA)の管理はより重要さを増している.良い状態で長く維持できるようにする為のVAの日常管理やトラブルの早期発見には超音波検査が有用である.血液浄化センターでの簡易超音波機器では評価の限界があり2014年4月から臨床検査技師による超音波検査を導入した.今回より良い検査に繋げるために血液浄化センターへアンケートを実施し,今までの取り組みの検証を行ったので報告する.【方法】2014年度から2023年度までのVA超音波検査実施件数を集計し,検査科内での取り組みについてまとめた.また血液浄化センターに在籍している医師,看護師,臨床工学技士合わせて16名に①VA超音波検査所見について②検査科と血液浄化センター間での連携についてのアンケートを行った.【はじめに】バスキュラーアクセス(以下VA)の機能評価には上腕動脈血流量(以下FV)と血管抵抗指数(以下RI)による評価が最も一般的で最良の指標であるとされている.当院ではFV,RIの他に上腕動脈血流速波形パターン(以下波形パターン)を用いて機能評価を行っている.今回,当院でVAエコーを施行した患者のFV,RI,波形パターンと狭窄病変の有無についての相関を調査したので報告する.【対象】2023年4月~2024年3月までの1年間でVAエコーを施行した152件のうち,人工血管内シャント9件を除く143件を対象とした.【方法】対象患者を正常群と狭窄または閉塞を認めた群(狭窄群)に分け,それぞれのFV,RI,波形パターンを調査した.なお血管径が2.0mm以下を有意狭窄とした.  【結果】正常群は105件,狭窄群は38件, FVの中央値は正常群では【結果】VA超音波検査実施件数は2014年度79件から2023年度には277件に達した.VA超音波対応可能技師は導入当初2名だったのに対し現在は7名に増員した.また2016年度からは検査時間を1時間から30分に短縮した.血液浄化センターへのアンケートでは①所見の記載内容についてわかりやすいとの回答が94%.血管走行や内部構造がイメージしやすくなったとの回答が75%となった.②検査科と血液浄化センター間での連携については今後カンファレンスやVA管理チームの立ち上げと同時に臨床検査技師のチームへの参加を望む声があがった.【まとめ】VA対応可能技師数が増加し,検査時間を短縮したことにより検査数も増加したと考えられる.また血液浄化センターへアンケートを行った結果,要望・意見などを改めて把握することができた.今後さらなる密な連携が求められており,カンファレンスやVA管理チームへの参加を目指していきたい. 【考察・結語】「慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作成および修復に関するガイドライン」において,血流量が500mL/min未満またはベースの血流量より20%以上の減少は狭窄病変が発現している可能性があるとされている.RIにおいては0.60をカットオフ値とする報告もある.当院における調査でもこれらの値がスクリーニングのカットオフ値として適切であると考えられた.しかしながら,パルスドプラ法による測定は検査者によるバラつきがあるため,経時的変化を評価するためにも施設内で測定部位や手技を統一しておくことが重要である.   連絡先:0570-07-1131(内線190)バスキュラーアクセス超音波検査導入から10年を経て当院のバスキュラーアクセスエコーにおける機能評価生-1(9:30~9:40)生-2(9:40~9:50)生理EntryNo. 71生理EntryNo. 80

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