<抄録>57 脳波モニタリングは,生理検査の中では,ハードルの非常に高い検査である.その理由として入院検査で行うこと,時に発作を誘発することがあり危険を伴うこと,脳波・ビデオのデータ量が大量になること,装着,判読(診断)が難しいことなどがあげられる.しかし,発作性疾患や,原因不明の意識障害の診断においては,ゴールドスタンダードな検査であり,非常に信頼できる検査である.この脳波モニタリングの進歩に絶大な貢献をしてきたのは,デジタル化である.世の中のIT,DX化により大量のデータを保存することができるようになったため,迅速にいつでもどこでも判読することができ,時に遠隔でも判読することができるようになったこと,これに尽きる.脳波検査のデジタル化とともに,てんかん外科の術前診断で主に行われていた本検査は,ICUにも広がり,Critical Care EEGとして世界中に普及している.現在,本邦においてCritical Care EEGの判読ガイドラインが完成し,国内における本検査の普及が期待される. 著者は,四半世紀前,ちょうどビデオ脳波がデジタル化に移行していく最中にかかわり始め,その進化を見守ってきた.また,てんかん外科・Critical Care EEGと四半世紀にわたり脳波モニタリングに命懸けてきていたが,本特別講演では,現在,そして将来について熱く語る!!
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