埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
53/134

<抄録>参考図書『働き方の処方箋~人生を肯定的に生きる~』(医歯薬出版)『社会人になるということ令和版』(幻冬舎)『森のような経営~社員が驚くほど自由で生き生きする。「心理的安全性」に溢れた組織づくり~』(山田博共著/ワニプラス)* もしお時間ありましたら、上記書籍を事前に読んでいただけると講演に対しての理解がより深まり、質疑応答や対話の時間もより有意義に参加できると思います。51 ここ最近、臨床検査技師領域はもちろん一般企業も含めて、講演に呼ばれる機会がとても多い。コロナ禍と言われる状態からの変化に伴い、この1~2年、学会や講演会がリアルに開催されることによって、毎月のように講演の依頼を全国から頂き出向いている。オンラインは申し訳ないが全てお断りしている。それゆえ残念ながらスケジュールが重なりお断りすることも多い。その根底にあるのは、「不確実な時代」と言われるように、現在、医療現場でも、働き方や生き方に大きな変化が訪れているが、その対応に間に合っていない組織、そして個人があり、また若手からベテランまで個々の関係性や距離感などにもとまどいが生じているのが感じられる。コロナ禍に私は依頼を受けて、医療雑誌の連載、そして書籍を2冊出している。どのどれもが「人の生き方」「個人や組織のあり方」に言及している内容であり、その書籍を読んだ方や、また講演に参加した方などが繋がりを持って次の講演に呼んでいただくというパターンが増えてきた。これは、誰もが様々なことに「困っていて、悩んでいるから」だと思うのだが、なぜ困っているのかとえば、「正解がないこと」だからではないかと思う。正解がないからこそ、「自分の頭で考えること」「自分がどう在るか」ということが大事になる。この講演でも私は正解を与えられるわけではない。皆さんと共に問いを持ち、そして一緒に考えていく。令和の時代においても、変えていかなければならないこともある一方、変えてはならない不変的なものもある。私は医療法人の理事長として複数の医療機関で医療従事者を雇う立場、医師としては共に働く仲間としての立場、そしてそれらを踏まえて、どのような医療人になって欲しいのかという立場で、学校長として臨床検査技師教育に日々向き合っている。「心理的安全性」という言葉で扱われることもあるその「場創り」は、対話を大切にそして中心に置いた関係性創りでもあり、学生としてのあり方から、医療人としてのあり方、成長、リーダーシップまで、一通りのストーリーとして、当日は幅広くお話が出来たらと思っている。私の講演は出席者も「参加型」としていつも行っている。お互いの対話も楽しみに当日、皆様にお会い出来ることを楽しみにしている。

元のページ  ../index.html#53

このブックを見る