埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
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◎布施川 岳人1)、櫻井 優莉1)、松本 莉歩1)、森田 恭介1)、村山 浩基2)、後藤 美楓3)、岸井 こずゑ2)、村井 美代2)微生物◎一瀬 夏菜1)、滝野 景2)、于連升3)、菅原 庸3)、鹿山 鎭男3)、村井 美代2)、岸井 こずゑ2)COVID-19パンデミック下下ととそそのの後後ににおおけけるる下下水水由由来来ESBL産産生生Escherichia coliののEscherichia coliの薬剤耐性遺伝子型の比較検討◎一瀬 夏菜1)、滝野 景2)、于連升3)、菅原 庸3)、鹿山 鎭男3)、村井 美代2)、岸井 こずゑ2)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学専修2)、国立感染症研究所 薬剤耐性研埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学専修2)、国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター3)究センター3)◎布施川 岳人1)、櫻井 優莉1)、松本 莉歩1)、森田 恭介1)、村山 浩基2)、後藤 美楓3)、岸井 こずゑ2)、村井 美代2)さいたま市民医療センター1)、埼玉県立大学院 保健医療福祉学専修2)、埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻3)さいたま市民医療センター1)、埼玉県立大学院 保健医療福祉学専修2)、埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻3)【結果】2020~2021年に分離されたESBL-Ec 30株の遺伝子型は,CTX-M-1G 14株(47%, 9株は+TEM),CTX-M-9G 14株(47%, 4株は+TEM),CTX-M-8G 1株(3%)TEM 1株(3%)であった.2023~2024年に分離された13株については,CTX-M-9G 7株(54%, 5株は+TEM),CTX-M-1G 3株(23%, 1株は+TEM),CTX-M-2G 1株(8%),TEM 1株(8%),CTX-M-1G+CTX-M-9G+TEM 1株(8%)であった.【考察】ESBL-Ecが保有する耐性遺伝子型の割合に有意差は見られなかった.しかしながら,複数種の遺伝子を持つESBL-Ecの割合が43%からパンデミック後に54%に増加し3種類保有する株も出現するなど,耐性遺伝子の伝播傾向が変化していることが示唆され,今後も継続的な監視が望まれる. とどまり、SCCmecⅣ保有株が40株と最も多く80%を占めた。SCCmecⅣのうち77%(31/40株)がサブタイプⅣaで最も多く検出された型別となった。TSST-1保有株は6株検出され、そのうち2株はSCCmecⅣl特有のspjを保有していることからCA-MRSA/Jクローンと判定した。PVL保有株は4株検出され、すべてSCCmecⅣaかつACME保有であることからψUSA300が強く疑われるクローンと判定した。このPVL保有4株はすべて膿検体由来であった。【考察】今回の調査で当センターから分離されたMRSAの多くはSCCmecⅣ(40/50株)で多くの報告と相違ない結果となった。また、重症化の関与が示唆されているCA-MRSA/JクローンやψUSA300クローンが想像以上に多く検出されたことが判明し、一定数市中に存在していることが確認できた。今回の結果を踏まえ、MRSA感染症では特に皮膚軟部組織感染症例について病原性の高いMRSAが一定数存在することを念頭に日常業務にあたることが重要であると考える。連絡先:048 (973) 4727連絡先:048(626)0011【はじめに】薬剤耐性菌の一種である基質拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌は,本邦にて急激な増加が問題となっている.本菌の拡大防止のためには,院内に限らず市中環境を含む動向監視が不可欠である.また,COVID-19パンデミック後に耐性菌の出現傾向に差が出たという報告がある.本研究では,埼玉県下下水由来ESBL産生Escherichia coli(ESBL-Ec)を対象にCOVID-19パンデミック下とその後における薬剤耐性遺伝子型を比較しその動向を調査した.【対象】埼玉県内の下水処理場1カ所にてCOVID-19パンデミック下である2020年10月~2021年8月の6回,パンデミック後の2023年8月~2024年6月の3回,下水(流入水)を採水した.その下水から分離したESBL-Ec それぞれ30株および13株を対象とした.【方法】E. coliの選択培地TBX agarを用いて下水からE. coliを分離した.さらにCefotaxime (CTX) 4µL/mLを添加したTBX agarに継代し発育した株をCTX耐性株として分離した.その後,質量分析による同定,Multiplex PCRによるESBL遺伝子型別実施した.【はじめに】近年病原性の高いMethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)が問題となっており、TSST-1やPVLといった病原因子の関与が示唆されている。これら病原因子の検索は日常業務で行うことは困難だが、これら病原因子の疫学調査をすることは重要であると考える。今回我々は当センターから分離されたMRSAを対象に遺伝子解析を行い、毒素遺伝子保有状況を把握することを目的とし調査したので報告する。【対象】2023年5月から2024年3月に分離されたMRSA52株を対象に遺伝子解析を行った。mecAを確認するためPCR法を実施したところ50株で陽性となり2株は陰性であったため解析対象株を50株とした。【方法】各種遺伝子の検出はPCR法により行いSCCmec型別、ACME(arcA)、PVL(lukF/S-PV)、TSST-1(tst)、SEC(sec)の毒素遺伝子を検出し、CA/MRSA/JおよびψUSA300の推定を行った。 【結果】MRSAのSCCmec型別は従来院内感染型と呼ばれてきたSCCmecⅠ・Ⅱ保有のMRSAは全体の10%(5株)に薬剤耐性遺伝子型の比較検討110当当セセンンタターーでで分分離離さされれたたMRSAののTSST-1及及びびPVL遺遺伝伝子子保保有有状状況況COVID-19パンデミック下とその後における下水由来ESBL産生微生物EntryNo. 95微生物EntryNo. 53微-5(10:10~10:20)微-6(10:20~10:30)当センターで分離されたMRSAのTSST-1及びPVL遺伝子保有状況

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