◎鈴木 優菜1)、一瀬 夏菜1)、滝野 景2)、于連升3)、布施川 岳人4)、村井 美代2)、岸井 こずゑ2)◎後藤 美楓1)、村山 浩基2)、前田 遥香1)、平川 乃朱1)、胡 翔子1)、久恒 順三3)、岸井 こずゑ1)、村井 美代1)微生物◎後藤 美楓1)、村山 浩基2)、前田 遥香1)、平川 乃朱1)、胡 翔子1)、久恒 順三3)、岸井 こずゑ1)、村井 美代1)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学専修2)、国立感染症研究所 薬剤耐性研埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学専修2)、国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター3)究センター3)◎鈴木 優菜1)、一瀬 夏菜1)、滝野 景2)、于連升3)、布施川 岳人4)、村井 美代2)、岸井 こずゑ2)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学専修2)、国立感染症研究所 薬剤耐性研究埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学専修2)、国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター3)、さいたま市民医療センター4)センター3)、さいたま市民医療センター4) 連絡先:048(973)4728連絡先:048(973)4727(直通)【はじめに】産生する市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)も院内で多く分離されるようになった.その一因に,市中にMRSA保菌者がいることが考えられる.本研究では,生活排水である下水から分離されたMRSAの遺伝子解析を行い,保有する毒素について調査したので報告する.【対象と方法】【はじめに】基質特異性拡張型βラクタマーゼ (ESBL) 産生菌は,世界的に問題となっている薬剤耐性菌の一つである.日本でも急激に分離数が増加しており,臨床のみならず市中を含めた蔓延防止が強く求められている.本研究では,下水由来ESBL産生Escherichia coli (ESBL-Ec)および臨床由来ESBL-EcのESBL遺伝子型の比較を行い,市中から臨床もしくは臨床から市中への薬剤耐性菌の伝播を推定する.【対象】埼玉県下下水処理場1カ所にて2023年9月, 2024年3月, 6月に採水した下水流入水より分離したESBL-Ec 14株を対象とした.加えて,当該下水処理場の処理区域内に位置する医療機関より2023年10月〜2024年3月に分離された臨床由来ESBL-Ec 60株を対象とした.【方法】JANISデータによると黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率は2022年の入院検体で45.6%と低下は緩やかで,2023年に更新されたAMR対策アクションプランの目標値は20%以下に据え置かれた.また近年,臨床上問題のある毒素を2023年の8月と9月に,埼玉県内A,B,C,Dの4ヶ所の下水処理場より採取した下水流入水を,X-SA平板 (ニッスイ)に接種して37℃で培養した.翌日形成された黄色ブドウ球菌のコロニーをX-MRSA平板培地 (ニッスイ)に接種して増殖,かつPCRによりmecA遺伝子を確認した55株をMRSAとした.これらのMRSAについてゲノム配列を決定し,MLSTとSCCmec型,ACME (arcA),PVL (lukF/S-PV),TBX agarにより下水からE. coliを分離した.その中からCTX 4μg/mL添加TBX agarによりCTX耐性株を選択分離した.ESBL遺伝子型はmultiplex PCRにより決定した.TSST-1 (tst),SEC (sec)などの毒素等に着目し解析した.【結果と考察】下水由来MRSAでは,SCCmec IVが55株中54株 (98%)を占めた.そのうち,関東地方で血液培養から分離が多いと報告があるCC1-Ⅳaが4か所の下水処理場から合計11株(20.4%)検出された.またST8-IVlは36株(65.5%)検出され,D処理場の1株を除きA, B, C処理場の35株はTSST-1とSECを保有するCA-MRSA/Jクローンであった.PVL保有株は4株(7.3%)で,このうちB処理場でCC8-ⅣaかつACMEを保有するΨUSA300とST22-ⅣaでTSST-1も保有する株が1株ずつ,C処理場でPVL保有のST22-Ⅳcが2株検出された.下水由来MRSAにも,臨床上問題となるPVLやTSST-1といった毒素保有株が含まれていた.現在もA,C処理場の下水調査を継続しており,その結果も合わせて報告する.また,これらの下水由来毒素保有MRSA株における他の遺伝子保有状況や薬剤感受性傾向を,埼玉県下の臨床由来毒素保有MRSA株と比較して相違がないか検討する.【結果】下水由来14株のESBL遺伝子型は,CTX-M-9G保有株が92.9% (13株,8株はTEM同時保有),TEMのみを保有する株が7.1% (1株)であった.臨床由来株については,CTX-M-9G保有株が66.6% (40株,18株はTEM同時保有),CTX-M-1G保有株が28.3% (17株,4株はTEM同時保有),CTX-M-2G保有株,CTX-M-1G+CTX-M-2G保有株,CTX-M-8G保有株については各1.7.% (1株)であった.【考察】下水由来ESBL-Ec,臨床由来ESBL-Ec共にCTX-M-9G保有株の占める割合が最も多く,何らかの関連性が示唆された.市中と臨床間の伝播を推定するためには,これらのCTX-M-9G保有株が同一クローンであるか否かの確認することが不可欠である.薬剤感受性試験は完了しており,今後ゲノム解析により詳細な遺伝子型とsequence type (ST)を決定し,クローンレベルでの比較を進めていく必要がある.下下水水由由来来おおよよびび臨臨床床由由来来ESBL産産生生Escherichia coliのの遺遺伝伝子子型型のの比比較較109埼埼玉玉県県のの下下水水由由来来MRSAのの毒毒素素遺遺伝伝子子保保有有状状況況ににつついいてて埼玉県の下水由来MRSAの毒素遺伝子保有状況について微-3(9:50~10:00)微生物EntryNo. 96微生物微-4(10:00~10:10)EntryNo. 94下水由来および臨床由来ESBL産生Escherichia coliの遺伝子型の比較
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