免疫血清◎野口 莉佳1)、今瀬 貴子1)、渡邊 剛1)、大野 優子1)、室谷 孝志1)、竹下 享典1)◎富澤 公博1)、丹羽 恵実1)、山本 桃子1)、神山 喜之1)、郡司 隆彬1)、渡辺 圭一1)◎富澤 公博1)、丹羽 恵実1)、山本 桃子1)、神山 喜之1)、郡司 隆彬1)、渡辺 圭一1)【目的】BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は,心筋細胞ストレスマーカーとして心室から分泌され,心室筋の璧運動状況を反映し心不全などの心機能把握に用いられている.短時間での報告が望まれるが,当院で使用している化学発光酵素免疫法では報告まで約50分を要しており,汎用自動分析装置に搭載可能なラテックス免疫比濁法試薬の(Nタイプ)ナノピアBNP-A(積水メディカル)は報告までに約25分程度とTAT(Turn Around Time)短縮が期待されている.我々は今回(Nタイプ)ナノピアBNP-Aの有用性について比較検討する機会を得たので報告する.【対象・方法】当院患者でBNP検査の依頼があった外来及び入院患者の残存血漿を用いた.対照試薬はルミパルス®BNPを用い,ルミパルスG1200(共に富士レビオ)で測定した.検討試薬は(Nタイプ)ナノピアBNP-A を用いTBA120FR(キャノンメディカル)で測定した.結果から乖離率を求め67~150%の範囲を逸脱した検体を乖離検体と定義し,乖離検体は積水メディカルにて精査解析を依頼した.また,結果から「血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関するステートメント2023年改訂版」内のカットオフ値(心不全診断/循環器専門医への紹介基準)を元に5群(A~E)に分け基礎【はじめに】TARC(thymus and activation-regulated chemokine)は,Th2細胞に特異的に発現するケモカイン受容体CCR4のリガンド(CCL17)であり,Th2型免疫反応のマーカーになりえることから,アトピー性皮膚炎(AD)の重症度を示す指標となる. 積水メディカル株式会社より発売されたTh2ケモカイン・TARCキット「ナノピアTARC」を検討する機会を得て HISCL TARC専用試薬(委託検査)との相関,及び採血管の検討を行ったので報告する.【方法】測定機器:LAbOSPECT008α((株)日立ハイテク),検討試薬:ナノピアTARC(積水メディカル(株))比較試薬(:HISCL TARC(シスメックス(株)).分離剤入り採血管(以下CG管), トロンビン入り高速凝固採血管(以下SQ管),EDTA-2K採血管を10分間静置後遠心分離し,ナノピアTARCを用いてLAbOSPECT008αで測定を行った.(健常者(n=14)対象)【結果】相関結果がy = 1.14x + 37.8(r=0.994 ,P>0.05)でナノピアTARCが高値であった.CG管とSQ管を比較した結果r=0.914,P>0.05で有意差は認められなかった.,EDTA-2K採◎富澤 公博1)、丹羽 恵実1)、山本 桃子1)、神山 喜之1)、郡司 隆彬1)、渡辺 圭一1)和風会 所沢中央病院1)和風会 所沢中央病院1)和風会 所沢中央病院1)◎野口 莉佳1)、今瀬 貴子1)、渡邊 剛1)、大野 優子1)、室谷 孝志1)、竹下 享典1)埼玉医科大学 総合医療センター1)埼玉医科大学 総合医療センター1)((Nタタイイププ))ナナノノピピアアBNP―A測測定定試試薬薬のの有有用用性性にに関関すするる検検討討((Nタタイイププ))ナナノノピピアアBNP―A測測定定試試薬薬のの有有用用性性にに関関すするる検検討討「「ナナノノピピアアTARC」」導導入入ののたためめのの基基礎礎検検討討とと採採血血管管のの影影響響ににつついいてて検討を行った.【結果】検体196件中21件(TBA120FR:検出限界11.7pg/ml以下は除外N=31)の乖離が認められた(乖離率10.7%).全体相関y=0.99x+9.60 r=0.635,乖離除外y =0.92x+5.92 r=0.988であった.5群の結果は,A群(200以上, N=39)y=0.93x-5.17 r=0.971, B群(100~200pg/ml,N=37) y=0.85x+19.23 r=0.770,C群(35~100pg/ml,N=69)y=1.01x+1.90 r=0.920,D群(18.4~35pg/ml,N=24)y=1.32x-8.21 r=0.908,E群(0~18.4pg/ml,N=6) y=0.23x+11.46 r=0.30であった.【考察】全体で良好な結果を得たが,領域ごとに解析をした結果,全体像として相関性の強い所と弱い所の差があることが確認された.乖離検体に関しては依頼した精査解析の結果,既存法と同等の値が検証された.ラテックスが免疫グロブリンなど何らかの物質と非特異反応を起こし数値に乖離が生じている可能性が示唆された.今回の結果より,(Nタイプ)ナノピアBNP-Aは日常検査および患者診療に有用であると思われる.しかしながら,ラテックス試薬の特性上非特異反応が生じる可能性があることは考慮したい.連絡先:042-994-1265血管はCG管,SQ管と比べTARC値が低くr=0.373,P<0.05で有意差があった.【考察】ナノピアはHISCL TARCと比較すると高値ではあったが院内検査導入に問題ないと考えた.TARCはトロンビン刺激により血小板中からの放出が亢進されるという報告があったがCG管とトロンビン入りであるSQ管では測定値に有意差が認められなかった.検討した検体は健常者であったためTARC含有量はAD患者と比較し,少量であると考えると,凝固促進剤であるトロンビンの影響が少なかったと考える.EDTA-2K採血管は,血小板への刺激が血清を作成する状況より少ないため、 血小板中から放出されるTARCの量が少なかったことが原因であると考えられた.【結語】院内でTARC測定を導入することで迅速な結果報告に繋がり,診察前検査として有用であると言える.今後はAD患者検体で容器の影響についてTARC値の違いを検討したい. 連絡先:049(228)3498107(Nタイプ)ナノピアBNP―A測定試薬の有用性に関する検討「ナノピアTARC」導入のための基礎検討と採血管の影響について免-3(12:50~13:00)免-4(13:00~13:10)免疫血清EntryNo. 78免疫血清EntryNo. 56
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