埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
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免疫血清◎新井 心遥1)、村上 穂乃佳2)、小瀧 佳惠3)、玉井 洋太郎1)、伊藤 さやか1)◎山本 彩永1)、緒方 久江1)、岩元 玲奈1)、鳥村 亮1)、首藤 のぞみ1)、神田 なつき1)、服部 直行1)び:1470FTUまで影響がないことを確認した.(4)直線回帰より回帰式y=0.5463x+14.216,相関係数r=0.6268,全検体の一致率は92.9%(65/70),陽性一致率は97.1%(34/35),陰性一致率は88.6%(31/35)であった.また, 70件のうち橋本病と診断された19件の陽性率はそれぞれcobas:84.2%,AIA:89.5%であった.【考察】一致率の結果より,陽性一致率に対し陰性一致率がやや低率であった.その理由として橋本病以外の疾患でAIAにて陽性となった症例が含まれていた為ではないかと考える.また,橋本病に対する陽性率の結果より,AIAはcobasと同等もしくはそれ以上の陽性率であり,従来と謙遜ない結果報告が出来ると考える.【結語】本試薬の基礎的検討結果は良好であり,一致率が高い為,院内測定を導入することは可能である.院内導入により迅速な結果報告ができ,臨床への貢献が期待できる.上記の結果を臨床医に報告し今後TgAbを導入するかを決めていきたい.γH鎖鎖病病患患者者1例例のの血血漿漿解解析析◎山本 彩永1)、緒方 久江1)、岩元 玲奈1)、鳥村 亮1)、首藤 のぞみ1)、神田 なつき1)、服部 直行1)戸田中央メディカルケアグループ 新座志木中央総合病院1)戸田中央メディカルケアグループ 新座志木中央総合病院1)◎新井 心遥1)、村上 穂乃佳2)、小瀧 佳惠3)、玉井 洋太郎1)、伊藤 さやか1)埼玉県立大学1)、さいたま市民医療センター2)、埼玉県済生会加須病院3)埼玉県立大学1)、さいたま市民医療センター2)、埼玉県済生会加須病院3)を解析したところ,50kDa付近に正常H鎖が検出されたが,その他に58~63kDa(異常蛋白)や23~32 kDa(欠損H鎖)にもバンドが検出された.ドメイン解析では,a-CH1およびa-Hingeにおいて欠損H鎖が検出され,欠損H鎖にCH1領域とHinge領域を含むことがわかった.【考察】a-IgGとa-Hingeでは,正常H鎖に比べ欠損H鎖のバンドは太く濃いのに対し,a-CH1ではそれが薄いことから,CH1を欠く異常H鎖も存在すると考えられた.以上の結果から,患者血漿中には少なくとも2種類以上の欠損H鎖が存在し, 正常H鎖より分子量の大きい異常H鎖あるいは多量体を形成した欠損H鎖の存在が示唆された.【結語】 g-HCD患者血漿において,免疫電気泳動法とWB法で2つのM蛋白が検出された.H鎖病に関する知見は少なく,その異常H鎖の詳細な解析は,自己免疫疾患との関連を明らかにする可能性があり,遺伝子検査法などを用いてさらなる解析が必要と考えられる.AAIIAA--CCLL11220000ででのの「「AAIIAAパパッッククCCLL  TTggAAbb反反応応試試薬薬」」のの基基礎礎的的検検討討連絡先:048(474)7211 内線:453連絡先:048(971)0500 (内線:4331)106【はじめに】抗サイログロブリン抗体(以下TgAb)は甲状腺濾胞コロイド内に蓄えられているサイログロブリンに対する自己抗体である.TgAbの測定は特に橋本病の診断に有用である.臨床医からの要望があり,院内測定導入に向けて基礎的検討を行ったので報告する.【検討機器・試薬】機器:AIA-CL1200,試薬: AIAパックCL TgAb反応試薬(東ソー株式会社)(CLEIA法)(以下AIA)【対照機器・試薬】機器:cobas e 801モジュール,試薬:エクルーシス試薬Anti-Tg(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)(ECLIA法)(以下cobas)【方法】(1)併行精度(2)室内再現精度(3)共存物質の影響(4)対照試薬との相関および陽性陰性一致率(N=70)【結果】(1)2濃度の専用コントロール,プール血清を10回測定した結果,CVは3.5~5.1%であった.(2)2濃度の専用コントロールを1日2回ずつ5日間測定した結果,CVはL:6.3%,H:6.2%であった.(3)干渉チェック・Aプラス(シスメックス株式会社)を用いた結果,ビリルビンF:20.4mg/dL,ビリルビンC:19.2mg/dL,溶血ヘモグロビン:490mg/dL,乳【はじめに】H鎖病(HCD)は,γ鎖型,α鎖型,μ鎖型が知られており,いずれも非常に稀なBリンパ球系細胞の増殖性疾患である.その臨床像はそれぞれに特徴があり,γH鎖病(g-HCD)は悪性リンパ腫に類似し,自己免疫疾患を併発することもある.正常の免疫グロブリン(Ig)は,H鎖とL鎖からなる4鎖構造であるが,H鎖病では,Fd部に種々の欠損がある異常H鎖のみが単クローン性に血清または尿中に出現する.本研究ではg-HCD患者1例のγ鎖の構造異常を解析したので報告する.【対象】70代女性.SLE合併g-HCD患者.IgG1値:1,986 mg/dL.【方法】患者血漿について免疫電気泳動法とWestern Blotting(WB)法を実施した.WB法ではIgGのドメイン解析のため,抗IgG抗体(a-IgG),抗IgG-CH1抗体(a-CH1)および抗IgG1-Hinge抗体(a-Hinge)を用いて検出した.【結果】免疫電気泳動法にて,患者血漿中に荷電と分子量が異なる2つのM蛋白を検出した.さらに,WB法でIgGAIA-CL1200での「AIAパックCL TgAb反応試薬」γH鎖病患者1例の血漿解析の基礎的検討免-1(10:30~10:40)免-2(10:40~10:50)免疫血清EntryNo. 44免疫血清EntryNo. 97

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