◎磯崎 誉斗1)、荒瀬 翔1)、伊藤 綾香1)、勝俣 双葉1)、斎藤 百花1)、岡田 茂治1)一 般◎荒瀬 翔1)、磯崎 誉斗1)、伊藤 綾香1)、勝俣 双葉1)、斎藤 百花1)、岡田 茂治2)分であり,サポニンはゴースト化した血球が2/4量程度残った.【考察および結語】臨床でしばしばみられる肉眼的血尿への対策として各種溶血剤を検討した.リンス液が市販されなくなっ連絡先048-973-4797核核染染色色のの向向上上をを目目指指ししたたササムムソソンン液液改改良良のの試試みみ肉肉眼眼的的血血尿尿検検体体にに対対すするる新新たたなな溶溶血血剤剤のの検検討討◎磯崎 誉斗1)、荒瀬 翔1)、伊藤 綾香1)、勝俣 双葉1)、斎藤 百花1)、岡田 茂治2)埼玉県立大学1)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学2)◎荒瀬 翔1)、磯崎 誉斗1)、伊藤 綾香1)、勝俣 双葉1)、斎藤 百花1)、岡田 茂治2)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学2)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県立大学2)【はじめに】サムソン液は髄液検査,穿刺液検査等で日常臨床検査業務として広く利用される染色法である.サムソン液は酢酸酸性下でフクシンにより細胞核を染色しているが,時に染まりが不十分な症例があり,核染色が不十分なため細胞分類が困難な時がある.同じ酢酸酸性下で核染色を行える,核染色色素を添加し染色性の向上を目指し検討を行った.【対象及び方法】原法(試料180μlとサムソン液20μl)を基準とし,正常者血液を洗浄し白血球生理食塩水浮遊液を作成し,アルブミンを添加し40mg/dl蛋白濃度とした試料を用いた.サムソン液(武藤化学)に1/10,3/10の割合で1%酢酸カーミン(AK,吉田生物研究所),1%酢酸オルセイン(AO,吉田生物研究所),0.5%酢酸ベーシックバイオレット(AB,東京化成工業株式会社)を加えた改良染色液で染色性を検討した.評価方法はBZ-X810(KEYENCE)でマイクロセルカウント機能を利用し,多形核球,リンパ球の輝度値(積算)を計測し,統計処理ソフトSPSS(IBM,バージョン29.0.0.0)で統計処理を行った(有意差P<0.05とした).【結果】目視による染色性の向上はAK,AOでは大幅な向上【はじめに】臨床検体ではしばしば肉眼的血尿を呈する検体が認められ,著しい腎尿路系での出血や腎尿路系がんを示唆する.時に混入などでもみられるが臨床上重要な所見であり尿沈渣鏡検時に大量の赤血球により有用な細胞成分の観察が不十分となる問題点を解決しなければならない.過去に比色計洗浄液として使用していたリンス液(旧第一化学)を添加した生理食塩水についての有用性を報告したが,現在市販されていないので,新たな赤血球除去液の検討を行った.【方法】溶血剤はリンス液(旧第一化学),Tween80(MP_Biomedical),TritonX100(MP_Biomedical),サポニン(ナカライテスク)を1%,3%,5%の生理食塩水溶液とした.洗浄赤血球浮遊液1%,5%,10%に対し,540nmでの完全溶血時の吸光度を100%とし溶血度の評価を行った.【結果】1%赤血球浮遊液では4法とも溶血した.5%赤血球浮遊液ではリンス液とTritonX100は溶血したが,Tween80が十分な溶血を示さず,サポニンは顕微鏡で確認するとゴースト化した血球が1/5程度残った.10%赤血球浮遊液ではリンス液,TritonX100は溶血したが,Tween80では溶血は不十は認められなかった.ABでは核の染色が青~紫が重なった色調となるが核の染色性が向上し明瞭化した.統計解析結果では独立多群の検定(ANOVA法を使用し多重比較はTamhaneを使用しP値を求めた)により,多形核球では,AK,AOでは有意差は認められず,ABは優位差が認められた.リンパ球ではAK,AO,ABとも有意差が認められた.【考察および結語】サムソン液は酢酸による細胞固定とフクシンによる核染色を行う染色法である.臨床検体では核染色が不十分で時に判別が困難な症例がある.今回サムソン液の利点である細胞質の染色所見を残しつつ,核の染色性の向上を試みた.0.5%酢酸ベーシックバイオレットを1/10加えた改良法が,多形核球,リンパ球とも優位に染色性が向上し観察もしやすい結果であった.ベーシックバイオレットはパラロザリニンを基本骨格とし核や染色体の染色に用いられる色素であり,多形核球やリンパ球の核染色が向上したものと考えられる.しかし,今回検討できなかった単球や異形細胞などの染色性,胸水,腹水などの穿刺液検査試料についても検討を加えていきたい. 連絡先048-973-4797たことで,現在利用可能な界面活性剤等を検討した.溶血性能はTritonX100が優れた結果であり,リンス液とほぼ同等の性能を有し,一般検査のみならず細胞診検査での利用も期待される.我々の経験では,リンス液で溶血後の試料はS染色で染色性が向上し細胞は濃く染まる傾向があったので,今後の検討課題としてTritonX100での赤血球除去後の染色性や細胞成分の回収率などの検討と特に円柱や卵円形脂肪体などの有用成分への影響など追加検討が必要と考える. 100核染色の向上を目指したサムソン液改良の試み肉眼的血尿検体に対する新たな溶血剤の検討一般EntryNo. 93一般EntryNo. 98般-4(10:00~10:10)般-5(10:10~10:20)
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