埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
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◎勝俣 双葉1)、荒瀬 翔 1)、磯崎 誉斗1)、伊藤 綾香1)、斎藤 百花1)、藤村 和夫2)、岡田 茂治3)一 般有無有無◎林 達矢1)、柿沼 智史2)、渡邉 裕樹3)、織田 喜子4)、小針 奈穂美5)、松本 実華6)、福島 明音7)、藤村 和夫8)尿尿定定性性試試験験紙紙へへのの湿湿度度のの影影響響埼埼玉玉県県ににおおけけるるアアンンケケーートト調調査査結結果果~第1報 尿定性検査~【はじめに】尿試験紙は日常検査として広く実施されている検査である。乾燥剤とともにボトル内で密栓した状態で保存しているが、頻回の開封やフタの閉め忘れ、乾燥材の劣化など室内の湿度に対する環境により大きく影響することが予想される。今回、尿定性試験紙の湿度の影響について色調変化と判定結果について検討を行った。【対象及び方法】試験紙:ウロペーパーⅢ‘栄研’12、設定湿度:飽和食塩水での相対湿度が平均75%、飽和塩化マグネシウム水溶液での相対湿度が平均55%とし密封容器内で実施した。室温は25℃~29℃の範囲であった。保存方法は、①乾燥剤あり、ボトル内で密栓(推奨保存法)、②乾燥剤なし、ボトル内で密栓、③乾燥剤なし、ボトル内だが開封、④試験紙のままの条件で5日間での経日変化を評価した。【結果】経日的変化における色調は、潜血は特に青色が濃くなり、ブドウ糖で青緑色がやや濃くなり、比重は青紫色が薄くなった。亜硝酸塩はピンク色が、白血球は赤紫色が濃くなるなどほとんどの尿試験紙項目で高湿度による色調変化が見られた。1+濃度での目視判定結果は、相対湿度が平均55%の条件では色調変化はあったが判定結果に大きな変化はなかった。相対湿度平均75%では色調変化が大きく判定結果にも影響していた。特に潜血は青の色調が濃くなるため、判定結果は1+から2+へと高い判定となった。亜硝酸塩も同様にピンクの色調が濃くなるため判定結果は濃くなった。乾燥剤なし、ボトル内で密栓した②では大きな影響は認められなかった。【考察および結語】尿定性検査において尿試験紙の保存管理は日常精度管理として重要である。湿度の影響は高湿度で問題となる結果であった。検査室の温度と湿度は、ほぼ常時約25℃で50%以下に管理されている。検討した結果では1日平均湿度75%の環境下に置かなければ大きな定性結果への影響はほぼ認められない結果であった。しかし、平均湿度55%でも色調変化が認められ、反射率での測定には湿度の影響が予測されるので湿度対策は必須であった。通常実施している乾燥剤が入っていること、ボトルは密栓することを徹底することに加え、尿試験紙の色調が変化していないことを確認することも必要と考える。    連絡先048-973-4797試験,ビリルビンはイクトテストが尿試験紙より感度がよく,手技も簡易なため行われていると推察される.【結語】今回,新たに尿定性検査のWebアンケート調査を行った.アンケートの回答があった全施設で尿定性を行っており,確認試験はどの項目も50%以上の施設が行っていないことがわかった.確認試験の現状を報告している都道府県は多くない.とても貴重な情報となった.今後も調査を継続していきますので,アンケート調査にご協力にお願いします. 埼玉県一般検査アンケート調査(R5年度)◎勝俣 双葉1)、荒瀬 翔1)、磯崎 誉斗1)、伊藤 綾香1)、斎藤 百花1)、藤村 和夫2)、岡田 茂治3)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県 済生会川口総合病院2)、埼玉県立大学3)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻1)、埼玉県 済生会川口総合病院2)、埼玉県立大学3)◎林 達矢1)、柿沼 智史2)、渡邉 裕樹3)、織田 喜子4)、小針 奈穂美5)、松本 実華6)、福島 明音7)、藤村 和夫8)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)、川口市立医療センター2)、埼玉医科大学 総合医療センター3)、国家公務員共地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)、川口市立医療センター2)、埼玉医科大学 総合医療済組合連合会 虎の門病院4)、埼玉医科大学病院5)、自治医科大学附属さいたま医療センター6)、防衛医科大学校病院7)、埼玉県 済生会川口総合病院8)センター3)、国家公務員共済組合連合会 虎の門病院4)、埼玉医科大学病院5)、自治医科大学附属さいたま医療センター6)、防衛医科大学校病院7)、埼玉県 済生会川口総合病院8)【はじめに】埼玉県臨床検査技師会一般検査研究班では,県内施設の一般検査の実施状況を5年間隔で調査してきた.今回は令和5年度から新たに調査を行った尿定性検査の結果を報告する.【対象】令和5年度埼玉県医師会臨床検査精度管理調査において参加施設に対しWebにてアンケートを依頼し,回答が得られた52施設を対象とした.【方法】尿定性検査に関する実施・確認試験の有無を,計31項目のWebアンケートにて調査を行った.【結果】集計の一部を表に示す.今回,回答をいただいた施設で最も定性検査の項目が少なかったのが2施設でpH,ウロビリノーゲン,潜血,蛋白質,ブドウ糖の6項目であった.確認試験は全く行ってない施設が3施設,最も多く行っている施設は6項目の1施設であった.確認試験を項目別に見ると,実施が多かったのは蛋白質が52施設中21施設の40.4%,ビリルビンが44施設中20施設の45.5%であった.【考察】確認試験は施設および項目により実施状況は様々であった.試薬の管理や費用が生じるため,施設によっては行うことが難しいためだと考えられる.実施が多かった蛋白質はpH8.0以上の陽性者に対する確認94.1%84.6%59.6%94.2%92.2%54.5%92.3%92.0%100%実施方法pHウロビリノーゲン潜血蛋白質ブドウ糖ケトン体ビリルビン亜硝酸塩白血球クレアチニンアルブミン連絡先:048-536-9900機械法目視法75%測定25%確認試験96.2%98.1%100%100%100%98.1%84.6%50.0%48.1%11.5%15.4%3.8%1.9%0%0%0%1.9%15.4%50.0%51.9%88.5%84.6%5.9%15.4%40.4%5.8%7.8%45.5%7.7%8.0%0%~第1報 尿定性検査~99尿定性試験紙への湿度の影響埼玉県におけるアンケート調査結果一般一般EntryNo. 27般-2(9:40~9:50)般-3(9:50~10:00)EntryNo. 102

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