埼臨技会誌 Vol.71 補冊 2024_電子ブック用
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ラmRNA (-).追加検査にて,血清リゾチーム(-)で単球系分化を否定.CBFB (FISH法)スプリットシグナル98%であった.形態所見M2を呈するt(16;16)(p13.1;q22)を伴うAMLと診断された.【考察】本例の骨髄所見からはt(8;21)(q22;q22)を伴うAMLまたは,MDS overt AMLが鑑別に挙げられた.我々がこれまでに経験したt(16;16)AMLは異常好酸球を伴うM4,M2症例であり,本例は異常好酸球を認めず好中球の形態異常が顕著で遺伝子異常を予測することは困難であった.M2様所見を呈した場合でも,本病型を疑い異常好酸球の注意血 液一 般(表1) 判定一致率◎佐藤 仁美1)、横村 友城1)、波多野 佳彦1)、三橋 順子1)[背景] 当検査室では日常検査業務において,尿沈渣は全検体目視鏡検で行っている.検査業務の更なる効率化を図る目的として,全自動尿中有形成分分析装置(以下UF-1500)の試験運用を行う機会を得た.今回,UF-1500の基礎的性能評価及び臨床検査技師(以下 技師)との目視相関性,結果報告時間を検討したので報告する.[方法] 専用コントロール検体を用いて日間再現性及び併行精度(同時再現性)の評価を行った.また,尿沈渣の日常検査検体の一部を対象(ランダム)とし,UF-1500と技師との目視鏡検一致率を検討し,さらに,技師が検査結果を報告するまでの時間とUF-1500を使用した場合の時間とを比較した.[結果] 併行精度はメーカー推奨の装置性能(CV%)の基準範囲内であり,日間再現性もCV10%以内とおおむね良好な結果となった.技師とUF-1500の目視鏡検一致率に関しては表1に示す結果となった. 結果報告までの時間に関しては, 機械のみが最も早く,一部目視+機械と全検体目視鏡検の差はほとんどみられなかった.[考察] 今回の検討では, 一部円柱類で一致率がやや低い結果となったが,機器の性能に大きな問題はなく,目視鏡検一致率に関してはおおむね良好であった.結果報告時間に関しては UF-1500を用いることで,60%以上の検体を目視する必要がなくなる分,自動化及び業務効率化が可能となると思われる.◎川前 裕大1)、地田 信子1)、堀口 小春1)、赤沼 優里奈1)、山﨑 淳也1)、圓田 和人1)【はじめに】t(16;16)(p13.1;q22)を伴うAMLは,顆粒球系と単球系細胞の分化傾向に加え,骨髄中の異常好酸球を特徴とするためAML:M4Eoを示唆し得る.今回,顆粒球系に形態異常を認めたt(16;16)(p13.1;q22)を伴うAMLを経験したので報告する.【症例】70歳代男性.既往歴はなく,2ヶ月前から息切れと食欲不振にて他病院に受診,汎血球減少にて精査目的で受診.【検査所見】〈末梢血〉WBC:3120/µL(Blast:10.5%,Myelo:5.0%,Stab:3.0%,Seg:27.5%,Eo:0.5%,Baso:0%,Mono:4.5%,Lym:49.0%),RBC:188万/µL,Hb:6.6g/dL,Pl:7.9万/µL,Ret:9.4‰,〈骨髄〉過形成骨髄.芽球様細胞56.6%(一部にAuer小体),脱顆粒好中球,偽ペルゲル核好中球を認め,単球や好酸球の増加は認めず.芽球の特殊染色はMPO:陽性.EST:ASDが一部陽性.細胞表面マーカー:CD13,CD33,CD34,MPO,HLA-DR,CD117陽性,CD14陰性であった.染色体検査:t(16;16)(p13.1;q22),add(4)(q21)【20】を認め,遺伝子検査:CBFBːːMYH11キメ深い鏡検,単球系分化マーカーの追加検査などに加え,染色体・遺伝子検査の実施を併せ病型診断のため進めていくことが重要であると考えられた.Squa.EC:扁平上皮細胞Hy.CAST:硝子円柱Path.CAST:病的円柱Non SEC:非扁平上皮細胞YLC:酵母様真菌全全自自動動尿尿中中有有形形成成分分分分析析装装置置「「UF-1500」」のの基基礎礎的的検検討討目視VSUF-150094.3%96.2%100.0%100.0%84.9%83.0%98.1%100.0%94.3%96.2%RBC:赤血球WBC:白血球BACT:細菌CAST:円柱X'TAL:結晶連絡先:(048-721-3692 内線816)◎川前 裕大1)、地田 信子1)、堀口 小春1)、赤沼 優里奈1)、山﨑 淳也1)、圓田 和人1)戸田中央メディカルケアグループ 株式会社TLC 戸田中央臨床検査研究所1)戸田中央メディカルケアグループ 株式会社TLC 戸田中央臨床検査研究所1)◎佐藤 仁美1)、横村 友城1)、波多野 佳彦1)、三橋 順子1)AMG 医療法人社団愛友会 伊奈病院1)AMG 医療法人社団愛友会 伊奈病院1)98※病的円柱は陽性検体無しのため参考値項目顆顆粒粒球球系系細細胞胞にに形形態態学学的的異異形形成成をを認認めめたたtt((16;;16))((pp13;;qq22))をを伴伴ううAAMMLLのの症症例例連絡先:048(433)3711(±1ランク一致率)(±1ランク一致率)(±1ランク一致率)(±1ランク一致率)(一致率)(一致率)(一致率)(±1ランク一致率)(一致率)(一致率)全自動尿中有形成分分析装置「UF-1500」の基礎的検討顆粒球系細胞に形態学的異形成を認めたt(16;16)(p13;q22)を伴うAMLの症例血-11(13:45~13:55)般-1(9:30~9:40)血液EntryNo. 72一般EntryNo. 20

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