埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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輸 血◎小島 典江1)、伊丹 直人1)、吉野 優里1)、比嘉 絢子1)、髙田 梨恵1)、小島 みなみ1)◎小島 典江1)、伊丹 直人1)、吉野 優里1)、比嘉 絢子1)、髙田 梨恵1)、小島 みなみ1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター1)95輸血同意書の取得もれを削減するために【背景・目的】輸血を実施する際は同意書の取得が必須である。当センター血液内科では一連の治療期間が長く頻繁に輸血する患者が多い。そのため、輸血する度には同意書を取得しておらず、主治医が判断し任意のタイミングで同意書を取得していた。また、いつ同意書を取得したかをチェックする機能がなく、長い期間同意書を取得せずに輸血をしている患者が散見された。今回、これらを改善するための対策が効果をあげたので報告する。【方法】①同意書を取得する間隔について輸血療法委員会で検討した。②同対象患者を抽出する方法を検討した。③輸血した患者について「②」で決定した間隔で同意書を取得しているかチェックした④同意書の再取得が必要な患者のカルテに、「輸討した⑤同意書を取得していない輸血件数の経時変化を観察した。【結果】①治療法の変更や入院・外来の入れ替わるとの認識を輸血療法委員会で決定した。②電子カルテシ意書の取得チェック方法について電子カルテシステムから血の際は同意書再取得が必要」とのアラートが出せるか検りがない場合でも、6ヶ月毎に取得した同意書が必要であステムのデータ抽出機能を利用し、同意書未取得で輸血を実施した患者を一括で表示させた。③同意書再取得のアラートを出した結果、同意書を取得していない事例は対応前の2023年4月に623件中31件(5%)であったが、対応後の2023年6月には588件中6件(1%)と大幅に減少した。【考察】今まで同意書の取得をチェックする機能がなかったため同意書の取得もれが発生していた。今回、システムを利用して効率的に対象患者を抽出する方法が確立できた。そのため少ない労力で今回の対応を継続できると確信している。カルテのアラートを確認した臨床スタッフから「同意書をとらないと輸血できないか」と問い合わせる電話が多数あり、積極的に同意書の取得をフォローしてくれた事も結果の改善に役立っている。輸血管理室が働きかけることによって同意書の取得もれを大幅に削減させることができた。【結語】同意書の取得方法を検討・整理したことで、輸血医療の円滑な実施におけるチーム医療の一端を担うことができた。埼玉県立がんセンター 048-722-1111(4140)輸-2(9:30~9:50)輸血EntryNo. 60輸血同意書の取得もれを削減するために

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