埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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病 理◎内田 春香1)、石松 寛美1)、佐々木 菜緒1)、関澤 勇弥1)、上田 有美1)、石井 直美1)、渋谷 賢一1)◎内田 春香1)、石松 寛美1)、佐々木 菜緒1)、関澤 勇弥1)、上田 有美1)、石井 直美1)、渋谷 賢一1)越谷市立病院1)越谷市立病院1)◎関澤 勇弥1)、石松 寛美1)、佐々木 菜緒1)、内田 春香1)、上田 有美1)、石井 直美1)、渋谷 賢一1)◎関澤 勇弥1)、石松 寛美1)、佐々木 菜緒1)、内田 春香1)、上田 有美1)、石井 直美1)、渋谷 賢一1)越谷市立病院1)越谷市立病院1)当院の病理システムの変更及び運用の実際当院の病理検査室における「トラブル事例報告書」の取り組みについて91【はじめに】検体到着から病理医への標本提出までの作業工程には様々な段階があり,各段階において検体取り違いや患者誤認のリスクを有している.当院の以前の病理システムを用いた運用では,技師による手作業が多く,ヒューマンエラーが起きやすい環境であった.今回,令和4年1月に行われた病理システムの変更を機に,作業内容の見直し,病理検査室の運用を新たに構築したので報告する.【変更前の作業内容】電子カルテと病理システムが連動していなかったため,受付時,紙媒体の「病理検体依頼書」を元に,患者情報を病理システムに手入力していた.切り出し時,切り出し図は「手書きで行う紙運用」であり,切り出し終了後にスキャナーで取り込みを行っていた.臓器写真の取り込みはSDカードを使用し,撮影した全ての写真を一括で取り込み,1枚ずつ病理番号を確認しながら対象患者へ割り振っていた.また,カセットへの病理番号の記載は手書きで行っていた.薄切では,当日薄切する分の患者情報ラベルを事前に印刷し,スライドガラスへ手貼りしていた.【変更後の作業内容】電子カルテと病理システムの連動に【はじめに】病理組織検査で扱われる検体は,手術で摘出された臓器や内視鏡で採取された生検検体など,改めて採取することが困難な検体がほとんどである.また,検査技師の業務が病理診断に大きく影響するため,ヒューマンエラーが重大事故へ繋がる危険性が高い.しかし,病理検査室では,検体受付から病理医への標本提出まで,検査技師の手作業によって一人で完結させる部分が多く,ヒューマンエラーが発生しやすいのが現状である.今回は,その様な病理検査室における業務の特性を踏まえ,ヒューマンエラーが重大事故へ繋がることを防ぐために,我々が行っている「トラブル事例報告書」の取り組みについて報告する.【概要】当院ではインシデント発生時,報告ツールを使用してインシデントレポートを作成し,院内の安全対策委員に送信するシステムとなっている.しかし,送信後に当事者と安全対策委員以外の職員は,インシデントレポートの詳細な内容は確認できないため,検査室内であっても周知が難しい.その点を補うため,病理検査室では独自に「トラブル事例報告書」として, ヒューマンエラーの記録を作成している.内容は,記より患者情報が自動で病理システムに取り込まれ,受付時の手入力が不要となった.切り出し室へのタブレット導入により,病理システムとカメラが連動し,切り出し途中であっても臓器写真を患者ごとに取り込めるようになった.さらに保存した写真に直接切り出し図の入力が可能となった.カセットプリンターとスライドプリンターの導入により,2次元コードでの管理となり,カセット及びスライドガラスの患者情報が自動印字となった.また,ブロックのバーコードを読み込ませ,対応するスライドガラスをプリンターから出力し,1ブロックごとに薄切することで,標本の拾い間違いを防止している.【考察】一般的にヒューマンエラーは,手作業による工程が多いほど起こりやすくなる.今回の病理システムの変更で手作業の工程を少なくしたことは,ヒューマンエラーの防止に繋がると考える.また,作業効率の向上や病理検体取り扱いマニュアルに沿った方法での標本作製に繋がっていると考える.今後もより安全に業務を行えるよう,リスクのある作業を病理検査室内で見直したい.連絡先:048-965-222 (内線2298) 録者・経験年数・発生日時・対象病理番号・事例内容・対応・改善策であり,当事者が記録を行っている.病理検査室内の全ての検査技師が確認した後にファイリングするため,周知を徹底することができている.また,確認時に当事者以外の検査技師が,個人で行っている対策や注意しているポイント,今後類似した事例を発生させないための防止策の提案などを報告書に追記するようにしたことで,病理検査室内で新たな発見があった.【まとめ】我々が行っている「トラブル事例報告書」の取り組みは,発生したヒューマンエラーを病理検査室内に周知し,話し合うきっかけを作ることで,重大事故へ繋がることを防ぐ一助になると考える.また,どのような事例が過去にあり,注意が必要なポイントはどこか,対応・対策はどうすべきか,などが一つのファイルにまとまっており,新人教育などにも活用することができると考える.今後も長期間にわたって記録を集積し,病理検査室の運用に活かしていきたい. 連絡先:048-965-2221 内線:2298病理EntryNo. 18病理病-2(10:10~10:40)EntryNo. 20当院の病理検査室における「トラブル事例報告書」の取り組みについて病-1(10:10~10:40)当院の病理システムの変更及び運用の実際

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