埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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管理運営・その他【はじめに】当院は2022年6月に久喜市から加須市へ移転し,テクノメディカ社の採血業務支援システムAssist Moreを導入した.また人員配置を見直し,採血室の効率化を図ったので報告する.【新病院での運用】採血受付機と専従の受付職員を確保し,技師を採血業務に専念させた.生化学免疫機器の連結・分注器の設置により,血清検体を集約し採血本数を減少させた.専任3名+当番1名を基本としていた人員配置を2023年3月のベテラン専任技師2名の退職を機に,専任技師1名以外は当番制とし,混雑状況に応じて流動的な人員配置とした.採血室と検体検査室,生理検査室を直結し,随時混雑を把握でき誰でも採血に加わることが可能となった.【運用変更による効果判定】旧病院,新病院旧体制(2023年1~3月),新病院新体制(2023年4~6月)の待ち時間,採血時間を比較した.待ち時間については,新病院で当科の目標として掲げた15分以内の達成率を算出し,旧病院の患者アンケート結果と比較した.【結果】待ち時間15分以内の達成率は,旧病院では60.9%,◎阿部 美智子1)、栗田 幸子1)、多田 由希子2)、道﨑 みのり2)、平井 麻友子2)、平山 康江3) ◎阿部 美智子1)、栗田 幸子1)、多田 由希子2)、道﨑 みのり2)、平井 麻友子2)、平山 康江3)こくさいじクリニック1)、くぼじまクリニック2)、おおしまクリニック3) こくさいじクリニック1)、くぼじまクリニック2)、おおしまクリニック3)【はじめに】こくさいじクリニックは、くぼじまグループの1施設であり、乳腺外来・内科・人工透析を行っている。超音波検査は常勤臨床検査技師2名と数名の外部技師で業務を担っている。今回グループ施設内でプローブの破損があり、それを契機に超音波装置の管理問題に発展した。グループ内の装置を有効活用するため、臨床検査技師を中心に各施設と連携をとり、他職種の協力を得て一元化した管理表を作成した。一元化して見えてきたこと、この管理表のメリット、今後の展望について報告する。 【対象・方法】くぼじまグループ5施設すべての超音波装置を対象。各施設の状況を把握するため、装置の所在・保管場所・購入年度・使用状況と使用者・外部点検(保守)の有無・付属プロ-ブ及びプリンターを調査した。この調査は各クリニックの超音波装置に携わる職種(医師・看護師・診療放射線技師・事務)の複数人から聞き取り調査を行った。所在不明の装置も存在したので購入先メーカーに販売履歴を確認したり、装置間のプローブやプリンターの互換性についても調べた。 新病院では旧体制91.7%,新体制97.4%であった.採血時間は,旧病院5分48秒,旧体制2分55秒,新体制3分12秒で,旧病院と比較し,新病院では大幅に短縮したが,新病院における新旧体制を比較すると,新体制で僅かに延長していた.【考察】待ち時間の短縮要因として,採血室のフラット化により,車椅子患者が採血台待ちをすることなく受付順に採血可能となったこと,受付番号や待ち時間のモニター表示があることで患者の呼び出しがスムーズになったことが考えられる.また新病院での採血時間短縮の要因は,採血管の統合による採血本数の減少や患者確認方法のシステム化,旧病院では採血時に手渡しだった尿カップの自動発行化などが考えられる.ベテラン専任技師2名の退職による採血時間の延長は,採血技師数を増やして対応し,待ち時間を短縮することでカバーできたと思われる.【まとめ】採血室の人員を流動的に配置することで,検査室全体の業務効率が上がった.採血待ち時間は患者満足度に直結すると考え,今後も患者サービス向上に貢献できるよう採血室運営に取り組みたい.      連絡先0480-53-3930【結果】①すべての装置を把握している施設②使用している装置は把握しているが他部署はわからない③装置の存在が不明(はっきり分からない)の施設があった。調査は同じ内容にも関わらず、同施設で職種によって回答が異なる結果であった。プロ-ブはリニアが多く、コンベックスやセクタが少なかった。所在不明の装置は物置や通路にあった。カラードプラの搭載がない装置が2台存在した。施設に常勤臨床検査技師在籍の有無で管理に大きな差が認められた。 【考察】グループ全体で装置を管理する職員が存在せず装置は有効活用されていなかった。結果から装置の管理は購入責任者と臨床検査技師が適任であること、運用は他職種を交え会議で決定し運用することが重要と思われた。 【まとめ】超音波装置を一元化することにより事務処理・装置の質・使用日と時間等が把握できた。一元管理化は、経費を抑え適切な運用に繋がる。今後は装置だけでなく超音波検査の質向上に取り組みたい。 連絡先:■048-551-2525 ◎下元 怜美1)、佐藤 祥子1)、落合 仁美1)、加藤 鉄平1)、畠山 結那1)、小室 汰樹1)、太田 恵1)、猪浦 一人1)◎下元 怜美1)、佐藤 祥子1)、落合 仁美1)、加藤 鉄平1)、畠山 結那1)、小室 汰樹1)、太田 恵1)、猪浦 一人1)埼玉県済生会加須病院1)埼玉県済生会加須病院1)90 当院での外来採血業務運用の見直しグループ施設内における超音波装置の一元管理化について 管理運営・その他管理運営・その他菅-2(9:50~10:20)他-1(9:50~10:20)グループ施設内における超音波装置の一元管理化について当院での外来採血業務運用の見直しEntryNo. 49

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