埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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れ,受診者の動線もスムーズとなった.②検査受付・患者呼生 理【はじめに】当院では骨導聴力検査を行う際,骨導受話器を乳突部に装着し検査を行っている.しかし,乳突部の形態や皮膚の可動性が大きい患者では骨導受話器が当てにくい場合や位置がずれてしまう等の問題が起こる可能性がある.このような場合,骨導受話器を前額正中部に装着し検査を行うことがあるが,乳突部と前額正中部では閾値の差を認める.そこで我々は乳突部に装着が難しい場合,骨導受話器の振動面が平行に装着可能であり,なおかつ乳突部同様の検査結果が得られる装着位置の有無について検証を行った.【方法】使用機器はAA-H1,健常者11名に対し下記の①~⑤の測定を行った.なお,マスキングはプラトー法,実行レベル10㏈を採用した.①左右の気導聴力②左右の骨導聴力③右乳突部より骨導受話器1つ分後方にずらした位置での骨導聴力(以下,後方)④右乳突部より骨導受話器1つ分上方にずらした位置での骨導聴力(以下,上方)⑤右乳突部より骨導受話器1つ分下方にずらした位置での骨導聴力(以下,下方)【結果】位置による閾値の変化はどの位置でも認めた.なかでも上方にずらした結果が乳突部での骨導聴力に最も近い【はじめに】当院は2022年6月に新築移転をした.旧病院の生理検査室では①検査室が階を跨いでいたことによる非効率なスタッフ配置②順路案内表の取り違えや口頭のみの患者確認による患者誤認③検査室に電子カルテ端末が無く,離席した際に【内容】①レイアウト:採血室・生理検査室が隣接し検査受付を一患者が転倒転落するなどの課題があった.新病院ではこれらを改善すべく,レイアウト及び運用を構築し,改善に至ったので報告する.括で行う.旧病院では心電図・肺機能検査室が一階,超音波検査室が二階とフロアを跨いでいたが,新病院ではスタッフエリアを中央に配置し,心電図室・肺機能検査室・超音波検査室が隣接するレイアウトにしたことで検査の兼任や連携が図りやすくなった.また廊下を挟んで健診センターが配置さび出し:テクノメディカ社製「検査総合受付システム」を導入,検査総合受付機にて患者自身が受付し整理券が発券さ閾値を示し,逆に下方にずらした結果は乳突部と比較すると最も離れた閾値を示した.【考察】検証結果に大きな差を認めなかった為,明確に結果を判断することは難しいと考えた.そこで,表皮から骨までの組織が厚い場合は物理的に音が伝わりにくいと考え,超音波検査にて表皮から骨までの組織の厚さの計測を行った.使用機器はaplio700,先の対象者11名に対し,②~⑤の位置での厚さの計測を行った.その結果,上方にずらした場合が最も乳突部に近い厚さを示し,逆に下方にずらした場合は最も厚い結果を示した.以上のことより組織厚との関連性が強く,今回の検証結果と一致した.【結語】位置による閾値の変化をどの位置でも認めた.位置をずらし,検査を行った場合は臨床側に検査時の状況が分かるようコメントを記載する必要があると考えた.また,装着位置は今回の検証により上方が有用ではないかと思われる. 最後に乳突部に装着しているにも関わらず,今回のような閾値の上昇傾向を認めた場合は骨導受話器のずれを疑うことが出来ると考えた.  連絡先:048(953)1321(内線1122)れる.検査総合受付システム端末を用いて整理券番号で呼び出し,バーコードで照合後,口頭での本人確認を実施する.整理券には採血と生理検査が異なる番号で記載されているため,番号で呼び出しても気がつかない患者も見受けられ,システムの周知・案内が今後の課題である.③検査室:各検査室を旧病院より広くし,検査室内に電子カルテ端末を設置したことで患者から離れずに前回検査値との比較・検査実施登録が出来るようになった.また車椅子や,ベッドごとの患者の受け入れを考慮し,一部に更に広い部屋を設け利便性と安全性が向上した.旧病院では各検査室がカーテンで仕切られていたが完全個室にしたことでプライバシーを確保,且つスタッフエリア側の扉にはカーテンを取付し,コロナ禍においても換気を保ちつつ検査が可能だった.【まとめ】旧病院での課題を踏まえレイアウト・運用を構築したことで効率的かつ安全な医療を提供することが可能となった.患者案内に関する新たな課題も改善すべく,努めていきたい.連絡先:0480(70)0888 (内腺番号2078)◎関口 友梨、吉見 明日香1)、池間 美佳1)、山室 真子1)、宮腰 朋奈1)、伊藤 真由美1)、髙橋 綾子1)、山田 志穂1)◎関口 友梨、吉見 明日香1)、池間 美佳1)、山室 真子1)、宮腰 朋奈1)、伊藤 真由美1)、髙橋 綾子1)、山田 志穂1)医療法人社団 愛友会 三郷中央総合病院1)医療法人社団 愛友会 三郷中央総合病院1)◎須田 美菜子1)、神澤 和樹1)、関口 知詠子1)、村田 貴司1)、大山 英美1)、菊地 久代1)、猪浦 一人1)◎須田 美菜子1)、神澤 和樹1)、関口 知詠子1)、村田 貴司1)、大山 英美1)、菊地 久代1)、猪浦 一人1)埼玉県済生会加須病院1)埼玉県済生会加須病院1)79骨導受話器装着位置による閾値の変動について病院移転に伴う生理検査室の改善点生-17(12:50~13:40)生-18(12:50~13:40)骨導受話器装着位置による閾値の変動について病院移転に伴う生理検査室の改善点生理EntryNo. 58生理EntryNo. 51

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