埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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生 理○舘野 結衣,柏本 楓子,小島 弥子,中谷 帆乃加,大塚 裕子,庄司 拓哉,植松 明和大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科◎平 璃紗1)、山本 はるみ1)、八木下 有美1)、神澤 幸枝1)、小島 直美1)、風間 健美1)◎平 璃紗1)、山本 はるみ1)、八木下 有美1)、神澤 幸枝1)、小島 直美1)、風間 健美1)医療法人社団協友会 メディカルトピア草加病院1)医療法人社団協友会 メディカルトピア草加病院1)連絡先:048(922)3401 検査科直通応を誘発した.駆血解除後2分間,上腕動脈血管径を連続測定した.FMDは[(最大血管拡張径-安静時血管径)/安静時血管径]×100(%)で求めた.安静時FMD計測後にコーヒーを185mL摂取し,カフェインの血中濃度が最高になる30から1時間の間に同様の方法で再度FMDを計測した.使用機器はユネクスイーエフ38G(UNEX社)用いた.【結果】コーヒー摂取により22名中20名のFMDは低下したが,2名はFMDが増加した.安静時のFMDの平均値は13.6±3.7%であったのに対してコーヒー摂取後のFMD平均値は10.2±2.7%であり,コーヒー摂取により平均で3.4%低下した(p<0.01).【考察】本研究から90%(20/22名)の被験者でコーヒー摂取後にFMDは低下した.これはコーヒーの成分であるカフェインがFMDを低下させる作用があると考えられた.カフェインの血中濃度は摂取後30分から2時間で最大となり体内からなくなるまで約8時間かかることが知られており,検査前日よりコーヒー摂取は避けて検査する必要がある.本研究を継続し被験者数を増やし,他のFMD変動因子についても精査していきたい. 連絡先:0493-31-1501 手術内容の詳細は,左陽性の8件のうち7件が,左半月板・左脛骨高位骨切り手術,他1件は左膝関節滑膜切除を行っていた.また右陽性の4件は右半月板・右脛骨高位骨切り手術を施行していた.手術患側とDVT発生側は全て同側であった.【考察・結語】DVT発生率は8.3%であった.既出の文献では23.5%と示されているが,当院の手術は膝関節や足首に特化していることや術式から低い傾向であったと考える.また,DVT発生側と患側には関連があると予想されるため,術前からリスクの高い患者を留意することができる.さらに,左側の発生率がやや多い傾向と分かった.その理由として,解剖学的に左腸骨静脈が右総腸骨動脈と腰椎に挟まれて圧迫されていることが大きく影響していると考えられる.今回の調査により,術後検査や下肢静脈エコー検査は重要であると再認識できた.     75〇舘野結衣,柏本楓子,小島弥子,中谷帆乃加,大塚裕子,庄司拓哉,植松明和大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科 【はじめに】血流依存性血管拡張反応(FMD)検査とは,血管拡張物質である一酸化窒素が血管から放出されることにより血管がどの程度拡張できるかをみることで,血管内皮機能を評価する検査である.ABI,PWV,CAVIなど血管の硬さや詰まりを評価する検査とは異なり,FMDは血管内皮細胞の働きをみているためABIが正常値でもFMDは異常値を呈することがあり,血管内皮機能リスクの早期発見することができることから近年臨床現場で多く活用されている.FMD検査は午前中,空腹時に行うことが望ましく,また薬剤,喫煙,カフェインやビタミンCの摂取を避ける必要があるが,その中でも今回われわれはカフェインがFMDにどのような影響を与えるか検討した.【対象】本学にて2023年6~7月の期間にFMD検査を施行した学生被検者22名(男性:12名,女性10名),平均年齢21.0才を対象とした.【方法】検査当日は絶食,禁煙とし飲水のみ可とした.検査は安静時の上腕動脈内膜が鮮明に描出される部位で血管径を計測後に前腕に巻いたカフを収縮期血圧より50mmHg高い圧で駆血を行い,5分後に駆血を解除し血流依存性血管拡張反【はじめに】深部静脈血栓症(以下DVT)は,下肢整形外科手術における合併症として発生率が高いことが言われており,医師は検査結果や患者の状態をもとに下肢静脈エコー検査を施行する判断をしている.近年,当院では手術後の下肢エコー検査件数の増加を認めたため,整形手術後におけるDVTの発生率を算出することとした.また,手術部位と同側の下肢にDVTが生じる割合を比較,検討した.【期間】2022年4月1日~2023年3月31日【対象】対象期間内に下肢静脈エコー検査を行った全件数は57件.そのうち下肢手術後のDVT陽性12件を対象とした.【方法】DVT陽性患者の手術内容を調査し,術後DVT陽性率と,DVT発生側と手術患側の関係を求めた.【結果】対象期間内に行った下肢手術144件のうち,左下肢手術は73件,右下肢手術74件であった(両下肢を含む).DVT陽性12件で8.3%であった.そのうち左は8件で10.9%,右4件で5.4%と差がみられた.コーヒー摂取による血流依存性血管拡張反応(FMD)検査への影響コーヒー摂取による血流依存性血管拡張反応(FMD)検査への影響生理生理EntryNo. 11生-9(12:50~13:40)コーヒー摂取による血流依存性血管拡張反応(FMD)検査への影響生-10(12:50~13:40)当院における下肢整形外科手術のDVT発生率と当院における下肢整形外科手術のDVT発生率と手術部位の関係性について手術部位の関係性について

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