埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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2日目に血液寒天培地とチョコレート寒天培地上に滑走運動を示すCapnocytophaga属に特徴的なコロニーの形成を認め,コロニーからは紡錘状のグラム陰性桿菌を確認した.IDテストHN-20ラピッド(島津ダイアグノスティックス)にてCapnocytophaga ochracea,質量分析VITEK MS(外部委託)にてC. sputigena(スコア99.9)と同定された.薬剤感受性検査はディスク拡散法で行い,Capnocytophaga属の判定基準はないためHaemophilus属に準じて判定した.結果はβラクタマーゼ産生,ABPCとCCLに耐性,CTXとCFDNに非感性となった.【考察】C. sputigenaとC. ochraceaはヒトの口腔内常在菌であり,両者の生化学的性状での鑑別は困難な場合が多い.生化学的性状と遺伝子検査との一致率は20%程度との報告もあり,同定には質量分析や16SrRNA遺伝子検査などが有用である.今回は質量分析の結果からC. sputigenaであったと考える.βラクタマーゼ産生株やESBLを含めた耐性菌の報告もあるため薬剤感受性検査においても注意が必要である.       連絡先:048-965-2221(内線2255)■CHROMagar mSuper CARBAによって下水からCPEを分離しMALDI-TOFMSにて菌種を同定した。微量液体希釈法による薬剤感受性試験を行い、さらにmultiplexによりCPE遺伝子型グループを決定した。その後mCIMを用いてカルバペネマーゼ産生菌の検出を行った。 【結果】 ■mCIMによる検出の結果、GES型CPE 14株中11株 (78.6%)が陰性、2株 (14.3%)が中間、1株 (7.1%)が陽性であった。NDM型CPE 5株については5株 (100%)が陽性、GES型+IMP型 CPE 5株については4株 (80.0%)が陰性、1株 (20.0%)が陽性を示した。 【考察】 ■mCIMの検出感度は、GES型CPEに対して7.1%と低く、mCIMによるGES型CPEの検出は困難であることが示された。mCIMを採用している検査室は多く、臨床におけるGES型CPEの見逃しの可能性が示唆される。これらの特性を踏まえた上でCPEの動向に注視していくことが必要である。 連絡先:048 (973) 4727(直通)■微生物・その他◎木村 豪1)、鈴木 直樹1)、滝野 景1)、于 連升2)、菅原 庸2)、鹿山 鎭男2)、村井 美代1)、岸井 こずゑ1)1)埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻、2)国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター2)◎稲垣 理絵1)、石井 直美1)、千葉 明日香1)、神成 千晴1)、松内 萌1)、前田 友子1)、高村 さをり1)、渋谷 賢一1)◎稲垣 理絵1)、石井 直美1)、千葉 明日香1)、神成 千晴1)、松内 萌1)、前田 友子1)、高村 さをり1)、渋谷 賢一1)越谷市立病院1)越谷市立病院1)68木村 豪1), 鈴木 直樹1), 滝野 景1), 于 連升2) , 菅原 庸2), 鹿山 鎭男2), 村井 美代1), 岸井 こずゑ1) 1) 埼玉県立大学 健康開発学科 検査技術科学専攻, 2) 国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター■ 【はじめに】 ■近年カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌 (CPE)は世界中で増加傾向にあり、深刻な問題となっている。これまでカルバペネム系抗菌薬の最小発育濃度 (MIC)が低値を示すCPEも報告されており、それらを正確に鑑別する検査体制の構築が求められている。下水由来CPEではGES型が多く分離される傾向にある。一方、GES型CPEによる院内感染例も報告されていることから監視の必要性があるものの、臨床ではGES型の分離数は少なく存在が見逃されている可能性も考えられる。一般的な検査室に普及しているCPE検出法としてmodified carbapenem inactivation method (mCIM)があるが、その評価に関する文献は未だ少なく、その検出能に関しては更なる評価と検証が必要とされている。本研究では、下水由来CPEを対象としてmCIMによる感度を評価した。 【対象】 ■埼玉県の下水処理場2ヵ所にて2020年12月〜2022年12月に採取された下水より分離したCPE 24株を対象とした。 【方法】 【はじめに】Capnocytophaga属はヒトや動物の口腔内常在菌である.発育に高濃度のCO2を要求する通性嫌気性の紡錘状グラム陰性桿菌で,鞭毛はないが滑走運動を有する.今回,肺癌化学療法中に発熱性好中球減少症(FN)をきたしCapnocytophaga sputigenaによる敗血症を発症した症例を経験したので報告する.【症例】80歳代,男性.肺癌手術適応外と診断され,当院にて化学療法施行のため入院となった.化学療法施行第13日目にFNをきたし血液培養,喀痰培養が提出された.抗菌薬はCZOPが使用され,患者は第30病日に軽快退院となった.【細菌学的検査】血液培養3日目に好気ボトル1本が陽転化した.血液寒天培地(極東製薬),チョコレート寒天培地Ⅱ(栄研化学),ドリガルスキー改良培地(以下BTB寒天培地:栄研化学)にサブカルチャーを行った.血液寒天培地とチョコレート寒天培地はCO2環境下で,BTB寒天培地は好気環境下で,それぞれ35℃,18時間培養した.【結果】血液培養液ではグラム陰性小桿菌を認めた.培養下水由来カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌を対象としたmCIMの評価 Capnocytophaga属による敗血症の1例微生物・その他微生物・その他EntryNo. 29微-4(9:30~10:10)微-5(12:50~13:40)下水由来カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌をCapnocytophaga属による敗血症の1例対象としたmCIMの評価

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