埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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免疫血清◎石井 愛莉1)、緒方 久江1)、服部 直行1)◎石井 愛莉1)、緒方 久江1)、服部 直行1)新座志木中央総合病院1)新座志木中央総合病院1)◎山平 実結1)、工藤 亜紀1)、北原 裕士1)、飛田 若菜1)、佐藤 千恵1)、伊藤 佳穂1)、大関 敬子1)、服部 直行1)◎山平 実結1)、工藤 亜紀1)、北原 裕士1)、飛田 若菜1)、佐藤 千恵1)、伊藤 佳穂1)、大関 敬子1)、服部 直行1)新座志木中央総合病院1)新座志木中央総合病院1)AQT90FLEXシステムを用いての検討採血管・抗凝固剤の違いによるNT-proBNP値への影響AQT90FLEXシステムを用いての検討65SCC抗原院内測定に向けた委託先測定値との相関分析主にSCCA1が産生され,癌症例ではSCCA1に加えSCCA2の産生が亢進する.SCCA1とSCCA2では結合や阻害をする酵素の種類が異なるため,試薬の抗体反応性や標準液の値づけの違いなどの要因で,試薬メーカーによって反応性が異なる場合がある.今回AIAの測定値よりG600Ⅱの測定値が高値になったのはこの反応性の違いが要因の一つと考えられた.【まとめ】AIAの測定値とG600Ⅱの測定値の相関は良好であることが分かった.G600Ⅱの測定値がAIAの測定値に比べ全体的に高値を示す結果となった.測定機器・試薬が変わることで基準値が異なることを院内に周知した上で,SCC抗原の院内測定の導入となり迅速な診療に貢献できた.めた.NaF添加血漿の変化率は-26.3~-4.4%(中央値-13.4%)であり,すべての検体で低値を認めたが一定ではなかった.変化率が±5%以上の検体は,血清17件,NaF添加血漿32件で,すべて低値であった.【考察】AQT90FLEXシステムはイムノアッセイ装置であり,抗原抗体反応を利用している.血清,NaF添加血漿検体で測定値にばらつきがみられる原因として,反応系が何らかの影響を受けていることが考えられ,採血管に含まれる凝固促進剤や抗凝固剤,その他血清や血漿中の成分が要因の可能性として挙げられる.また,想定された検体でないために校正時の条件に合わず,測定値に影響があった可能性も考えられる.【結語】今回の検討において,AQT90FLEXシステムにおけるNT-proBNPの測定に,血清,NaF添加血漿では測定値に影響がみられることが分かった.当院では,EDTA添加全血のみで測定することとした.【はじめに】扁平上皮癌関連抗原(SCC抗原)は,子宮頸部,肺などの扁平上皮癌の検出や治療効果の判定などに有用な腫瘍マーカーである.臨床医からの院内測定導入の要望があり,ルミパルスG600Ⅱでの院内測定導入に向けて委託先測定値との相関分析を行った. 【院内測定機器・試薬】機器:ルミパルスG600Ⅱ(以下G600Ⅱ)試薬:ルミパルスSCC(CLEIA)(富士レビオ株式会社).【委託先測定機器・試薬】機器:AIA-CL2400(以下AIA),試薬:AIAパック-CL SCC(CLEIA) (東ソー株式会社).【対象】2022年7月~10月にSCC抗原の依頼があり余剰血清が十分に得られた患者検体(N=59)【方法】対象患者のAIAの測定値とG600Ⅱの測定値を収集し相関係数,回帰式を確認した.【結果】回帰式y=1.5334x-0.0036,相関係数r=0.9962と正の相関を認めた.しかし,AIAの測定値に対してG600Ⅱの測定値は平均1.5倍(中央値1.52)高値となった.【考察】SCC抗原にはアイソフォームとしてSCCA1とSCCA2の2種類の抗原が存在している.正常扁平上皮内で【はじめに】当院で使用しているAQT90FLEXシステム(ラジオメーター株式会社)において, NT-proBNP測定の検体はEDTAおよびヘパリンリチウムの全血または血漿が使用可能とされている.当院では,EDTA添加全血を使用しているが,追加検査や検体不良で再採血が必要となる場合がある.今回,NT-proBNP測定における各採血管,抗凝固剤の比較を行い,EDTA添加全血以外での測定が可能か検討した.【測定機器・試薬】機器:AQT90FLEXシステム,試薬:NT-proBNP AQTテストキット(ラジオメーター株式会社)【対象】血清,NaF添加血漿,EDTA添加全血を同時に採血している検体33件.【方法】①EDTA添加全血測定値に対し,血清,NaF添加血漿での測定値をそれぞれ比較,t検定で評価した(有意水準p<0.05).②EDTA添加全血を基準とし,それぞれの測定値の変化率を確認した.変化率は±5%以上を影響ありとする.【結果】①血清,NaF添加血漿の測定値は,ともにEDTA添加全血測定値との有意差を認めた.(p<0.01)②血清の変化率は-21.1~4.6%(中央値-5.4%)であり各検体にばらつきを認連絡先048-474-7211(内線451)連絡先:048(474)7211(内線451)免疫血清免疫血清免-4(9:30~11:15)免-5(9:30~11:15)EntryNo. 33EntryNo. 43SCC抗原院内測定に向けた委託先測定値との相関分析採血管・抗凝固剤の違いによるNT-proBNP値への影響

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