49<抄録>硬組織科、材料化学科、乱用薬物科、毒性物質科、物理科、文書鑑定科、心理科があり各分野の専門的知識、技能を持つ研究員が鑑定業務を担っています。 私が所属している法医科には、臨床検査技師の資格を持つ者や、薬学部、獣医学部、農学部、理工学部出身者など、バラエティに富んだメンバーがいます。2 科捜研の仕事~法医鑑定 法医科では、血液、唾液、精液、骨、毛髪など犯罪現場に遺留された生体資料が鑑定の対象となります。犯罪現場で採取されたものが、何の体液なのか、あるいは何の組織なのか、そして、それがヒトに由来するものなのか、ヒトに由来するものであれば、誰のものであるかを明らかにすることが、法医鑑定の目的です。 たとえば、殺人事件の現場に点々と残された血液様のものが鑑定資料として持ち込まれた場合、まず、鑑定資料の血液様のものが、血液か 私の勤務している科学捜査研究所は、「科捜研」の略称で呼ばれ、近年では「科捜研の女」というテレビドラマにより、一般の方々にも認知されるようになりました。私が学生の頃は、科捜研の存在も知らず、「2サスの女王」が法医学教室を舞台に活躍するドラマを見ていたので、「法医学」は医師の範疇と思い、自分の就職先になるとは思っていませんでした。就職活動を始めたころ、同級生に科捜研職員募集について教えてもらったのをきっかけに、「法医」の仕事に携われるかもしれないとの淡い希望を持って応募したところ、縁あって科学捜査研究所法医研究員として勤務することになりました。 科捜研は、各都道府県警察本部に設置され、犯罪現場で採取された各種資料を科学的に分析し、犯人の特定や捜査の裏付けなど犯罪捜査を支えています。埼玉県警の科捜研には、法医科、講師略歴:1992年 私立女子栄養大学栄養学部保健栄養学科卒業臨床検査技師、衛生管理者取得 埼玉県警察本部刑事部科学捜査研究所法医科配属 血液型鑑定 約3,500件 実施 2008年 DNA型鑑定資格認定書取得DNA型鑑定 約30,000件 実施 講演会場:第1会場(401号室) 12:50~13:501 はじめに谷田部 和子学会企画講演3科捜研の仕事~科学捜査に検査技術は活かせるか~
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