埼臨技会誌 Vol.70 補冊 2023_電子ブック
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○和久井 晶子(デンカ株式会社 臨床試薬部) 102【はじめに】 本セミナーでは、small dense LDLコレステロール(sdLDL-C)に関する検査から臨床にわたった最近の知見の他、健診・人間ドックでの活用事例についてご紹介いたします。【内容】 動脈硬化性疾患は死因の多くを占めており、脂質異常症は危険因子(リスクファクター)の1つである。small dense LDL (sdLDL)は低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein : LDL)のうち小型で密度の高いリポ蛋白亜分画であり、動脈硬化惹起性が高いことが示されている。 LDLコレステロール(LDL-C)を低下させることにより動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の発症が抑制されることは大規模臨床試験等の成績から明らかであるが、LDL-Cが基準範囲内であってもASCVDが発症する例も少なくないと言われている。 2020年に久山町研究において、sdLDLコレステロール(sdLDL-C)値 第4四分位(43.7 mg/dL)以上の群では第1四分位(24.4 mg/dL)未満の群と比較して冠動脈性心疾患(CHD)発症リスクが約5倍上昇することが示され、カットオフとしてはsdLDL-C 35 mg/dLが示された。 また、Atherosclerosis Risk in Communities Study(ARIC)、Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)、Framingham Offspring Study(FOS)、Copenhagen General Population Study(CGPS)、吹田研究といった複数の大規模臨床試験においても同様に、sdLDL-C値とASCVDとの関連性が報告されている。 sdLDL-Cの測定には従来は特別な設備を必要とし、測定に長時間を要するため日常検査で利用困難であったが、2021年に自動分析装置用測定試薬が日本国内で初めて体外診断用医薬品の承認を取得し、保険未収載ではあるが「冠動脈性心疾患発症リスクの管理の補助」を目的に診断に用いることが可能となっている。【製品概要】〇製品名 s LDL-EX「生研」〇特徴  ・各種自動分析装置に対応可能です。  ・血清、血漿での測定が可能です。  ・将来の冠動脈性心疾患発症リスクの評価に有用です。  ・本試薬を使用した国内の前向き疫学試験の結果を用いて、臨床性能評価を行っています。〇製品外観  【sdLDLに関する情報サイト(医療従事者向け)】sdLDLどっとこむ for medical professionalshttps://medical.sd-ldl.com/index.html(QRコード)資料請求先:デンカ株式会社 試薬学術担当 03-6214-3235CM演題-5臨床化学CM-5(第6会場 603号室 9:50~10:05)small dense LDLコレステロール検査の有用性について

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