埼臨技会誌 Vol.68
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免疫血清微生物◎波多野 彩夏1)、木村 真依子1)、多川 裕介1)、笹原 美里1)、松本 さゆり1)、菊池 裕子1)◎波多野 彩夏1)、木村 真依子1)、多川 裕介1)、笹原 美里1)、松本 さゆり1)、菊池 裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)◎佐藤 聡太1)、穴原 美子1)、江端 晃子1)、金子 雄宇太1)、葛西 晃司1)、柏﨑 里呼1)、土井 尚1)◎佐藤 聡太1)、穴原 美子1)、江端 晃子1)、金子 雄宇太1)、葛西 晃司1)、柏﨑 里呼1)、土井 尚1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)株式会社アムル 上尾中央臨床検査研究所1)NT-proBNP導入から2年間を振り返って~問題点とその対応、今後の課題~連絡先 048(773)1111 内線:241595【はじめに】BNP,NT-proBNPは心不全の診断に有用な項目であり,当院では以前よりBNPを測定していたが,臨床からの要望を受け2019年8月よりNT-proBNPに変更した.今回,運用開始後の問題点及び改善への取り組みと今後の課題について報告する.【変更の経緯及び取り組み内容】臨床よりNT-pro BNPの方が上昇率が高いこと,また血清での検査が可能となることで患者及び検査の負担が軽減する等の理由から,院内に導入してほしいとの要望が挙がった.導入に伴い迅速に結果が報告できるよう,検体ラベルに印をつけ他の検査項目と区別化し,優先的に測定する仕組みにした.また,委員会や院内LANにてNT-proBNP導入に至った経緯や留意点の周知を行った.【運用後の問題点と改善への取り組み】運用後の問題点として,①腎機能の影響を受けるNT-proBNPの導入はどうかという問い合わせや,②院内測定の廃止されたBNPの院内検査依頼が残る問題が生じた.また,③結果報告遅延の指摘を臨床側から受けた.以上の問題点改善への取り組みと【はじめに】日本における結核の罹患率は,2019年に人口10万人対11.5まで低下したもののまだ10を上回る中蔓延国である.また近年,非結核性抗酸菌症が増加傾向との報告もあり問題となっている.今回当施設における抗酸菌の検出状況を集計したので報告する.【対象と方法】2015年1月から2020年12月に抗酸菌検査を実施した患者35,568件を対象とし,項目別依頼数,患者別依頼回数,項目別陽性率(Z-N染色,蛍光染色,TB・MAI-PCR,抗酸菌培養),依頼回数別陽性率,年代別依頼数,年代別菌種別陽性率,培養検出菌を集計した.【結果】期間中の抗酸菌検査依頼総数は53,409件あったが,年間患者数に大きな変化はなかった.患者当たりの依頼回数は,1回が68.5%,2回17.9%,3回10.1%,4回以上3.5%であり複数回依頼が増加傾向にあった.項目別陽性率はZ-N染色2.0%(180/8,944),蛍光染色3.5%(1,646/47,085),TB-PCR1.8%(405/22,710),AV-PCR3.9%(958/24,551),IN-PCR1.0%(242/24,551),抗酸菌培養8.1%(3,742/45,997)であり,依頼回数に比例して陽性率は高くなっていた.依頼数は~問題点とその対応、今後の課題~して,①NT-proBNPとBNPの違いと配慮すべき点を直接臨床側へ説明し,臨床と密に関わり全診療科へ理解を得た.②新規検査への移行に関して各診療科と連絡をとり,今後BNP(外注検査)とNT-proBNPのどちらを検査していくか予め確認しておくことで,その都度確認する負担が減り,迅速な対応が可能となった.③結果報告の遅延に対しては,優先的に測定する仕組みを立てていたにも関わらずの指摘を受けている状況であり,まだ改善の余地がある.今回の取り組み・問題点を踏まえ迅速な対応をとれるように検査項目の新規導入時におけるマニュアルを作成し,誰が行っても導入時の対応や院内周知の徹底を行えるようにした.【まとめ】NT-proBNPに関して,導入当初利点を考え導入したが,多くの問題点が抽出されその対応に追われることとなった.マニュアルを用いた導入手順を徹底することで、新規検査導入時には周知不足等の問題点を改善できるようにした.新たに問題が発生した場合,見直しを行うことで継続してより良い運用を行っていきたい.年代とともに増加し80歳代がピークで33.5%(11,925/35,568)あり,陽性数も依頼数に比例して多くなっていたが,結核菌が10歳代から100歳代まで広く検出されたのに対し,その他抗酸菌は40歳代から90歳代に集中していた.年代別結核菌陽性率では10歳代・20歳代がそれぞれ5.0%と最も高かった.培養陽性になった患者は1,734人おり,M.aviumが1,004人(57.9%),M.intracellulare287人(16.6%),M.gordonae107人(6.2%)などであり,M.aviumは年々増加傾向が見られた.結核は33人(1.9%)であり,同定不能も91人(5.2%)あった.【考察】非結核性抗酸菌が増加傾向と言われているが,当施設においてもM. aviumの増加が確認できた.若年層で結核菌の陽性率が高かったが依頼数は少なく,高齢者では抗酸菌検査がスクリーニング的に行われるのに対し若年者では結核疑いの強い場合に検査が依頼されるのではないかと思われる.依頼回数が多いほど検出率は高くなるが,1回のみの依頼がまだまだ多く,今後は依頼施設に3連痰実施を働きかけていきたい. 連絡先:048-997-7721内線(200)当施設における抗酸菌の検出状況免疫血清微生物EntryNo. 11免-8微-1EntryNo. 59NT-proBNP導入から2年間を振り返って当施設における抗酸菌の検出状況

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