は10%以下であったが,溶血ヘモグロビンは10%を超える影響となった.6)EIA 法との相関:247検体の相関をクレアチニン補正値で比較した結果,相関係数r=0.912,回帰式y=0.939x-1.144となった.ド)は,EIA法であるオステオマーク測定試薬(アボットダイアグノスティクスメディカル株式会社製)にて検査を行っているが,CLEIA法であるビトロス®NTx測定キット(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社製)が発売された為,基礎的検討を行ったので報告する.【方法及び結果】1)併行精度(同時再現性):4濃度の試料を用いて10重連続測定を実施した結果,変動係数CV1.0~3.6%であった.2)室内再現精度(日差再現性):4濃度の試料を8日間測定した結果,変動係数CV3.8~6.6%であった.3)実効感度(定量下限):低濃度域試料を10段階希釈して測定した結果,変動係数CV20%で8.18nMBCEであった.4)希釈直線性:高濃度域試料を用い,10段階希釈をして測定した結果,キットの測定範囲15.0~3000.0nMBCEにおいて良好な希釈直線性が確認できた.5)干渉物質の影響:溶血ヘモグロビン,ビリルビン,トリオレインの影響を調べた結果,ビリルビン,トリオレインの影響7)検体保存安定性:3濃度の試料を冷蔵(2~8℃)の状態(25℃)の状態で0時間,2時間,8時間,24時間後にそれぞれで 0日,1日,2日,5日,7日後にそれぞれ測定した結果,5日目まで保存安定性が確認できた.また,3濃度の試料を室温NTX-尿測定試薬(ビトロス®NTx)の基礎検討CA19-9の乖離を認めた一症例◎稲葉 侑奈1)、神永 秀一1)、木戸 誠二郎1)、奈良部 安1)◎稲葉 侑奈1)、神永 秀一1)、木戸 誠二郎1)、奈良部 安1)株式会社ビー・エム・エル総合研究所1)株式会社ビー・エム・エル総合研究所1)◎藤岡 乃愛1)、関根 和江1)、渡邊 剛1)、庄司 和春1)、大野 優子1)、室谷 孝志1)、竹下 享典1)◎藤岡 乃愛1)、関根 和江1)、渡邊 剛1)、庄司 和春1)、大野 優子1)、室谷 孝志1)、竹下 享典1)埼玉医科大学 総合医療センター1)埼玉医科大学 総合医療センター1)94測定した結果,24時間まで保存安定性が確認できた.【まとめ】今回検討を行ったビトロス®NTx試薬は従来試薬と同等な性能を有していることが確認できた.【結語】本試薬を用いることで,今後の日常検査における利便性と検査精度向上に寄与する有用性の高い試薬と考える.連絡先―049-230-5078異好性抗体の影響が考えられた.新法の結果に対する検証では異好性抗体等の影響は認められなかった.しかし,臨床所見ではCA19-9高値が予想される状態であったため,低値の原因をLewis式血液型で確認した.その結果この患者はLe(a-b-)であり,2.0U/mL未満が妥当であることが分かった.以上,従来法での高値は偽陽性であり,新法の低値はLewis式血液型によるものであると考えられる.【まとめ】CA19-9は国際的な標準物質がなく,測定試薬によって結果が乖離することが知られている.今回経験した症例では,異好性抗体やLewis式血液型の影響も加わり,結果の判定が困難であった.臨床診断や経過観察には複数の関連項目を測定し,総合的な判断を行う必要があると認識した症例であった.【はじめに】尿中NTX(1型コラーゲン架橋N‐テロペプチ【はじめに】当院ではCA19-9の報告時間(TAT)短縮のため,測定機器および試薬の変更を行った.この移行期間に併行測定を行ったことで経験した,大きく結果の乖離を認めた一症例を報告する.【測定機器・試薬】測定機器はAlinity(アボット社)(以下従来法)からCobas8000(ロシュ・ダイアグノスティックス社) (以下新法)に変更した.測定試薬はCA19-9XR・アボット(CLIA法,測定時間30分)からエクルーシス試薬CA19-9Ⅱ (ECLIA法,測定時間18分)に変更となった.【症例】74歳男性,膵癌術後再発で治療中.この患者のCA19-9値は,従来法で775U/mL,新法では2.0U/mL未満(両法共にカットオフ値は37U/mL)となり結果の乖離を認めた. さらに後日新法での結果で,軽度上昇(11U/mL)がみられた.【検証と結果】乖離した結果の検証を行った.高値を示した従来法ではノイラミニダーゼ処理にて測定値の低下が認められず,CA19-9抗原の存在が否定された.さらに異好性抗体ブロッカー試薬,CA19-9抗体,マウスIgG添加にて顕著な測定値の低下が認められたため,抗イディオタイプ抗体および連絡先:049-228-3499EntryNo. 16EntryNo. 18免疫血清免疫血清免-6免-7NTX-尿測定試薬(ビトロス® NTx)の基礎検討CA19-9の乖離を認めた一症例
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