埼臨技会誌 Vol.68
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上, テーリングはみられなかったが, 患者血清および正常血清との混和血清ではLD2からLD5の低下が目立った.また患者赤血球溶血液はLD1 > LD2 > LD3であり, 赤血球由来の正常パターンであったことから, 遺伝的要因によるLD低値は否定された. ⑤ 免疫グロブリン:IgG 1419 mg/dL,IgA 526 mg/dL, IgM 66 mg/dLとIgAが若干高値であった.⑥ 血清蛋白分画および免疫固定法:明らかなM蛋白は検出されなかった. ⑦ 免疫混合法:LD-IgはIgA-κ型と同定された. ⑧ NADH存在下でのLD活性阻害:1, 5, 10 mmol/LのNADHを含む正常血清に患者血清を混和させたところ, LD活性阻害は一部阻止された.【考察】本症例を精査した結果, LD異常低値の原因はIgA-κ型のLD-Igが活性阻害(失活)因子として働いていることによるものと推測されたが, 外来経過観察中に突如としてLDが異常低値となった機序や病態との関連性等については証明できておらず不明な点も多い. しかし, 酵素異常値の原因検索を行うことは, 酵素活性値の正しい臨床評価のために重要であると考える. 連絡先:048-873-4111(内線2824)K値,全血K値に差があるかどうかt検定で評価した.②血小板数で分け偽性高K血症と定義される割合を算出した.【結果】①血小板高値群と正常・低値群の血清K値に有意差を認めた.(p<0.05)血小板高値群と正常・低値群の全血K値に有意差は認めなかった.(p>0.05)②血小板60.0×109/L以上で50%以上の割合で偽性高K血症を認めた.【考察】結果①より全血K値は血小板数に影響が少ないことが示唆され,血清K偽高値鑑別に血液ガス分析の全血K値が有効であると考える.結果②から血小板60.0×109/Ⅼ以上で血清K偽高値の頻度が増すことが確認できた.以上により, 血小板数が60.0×109/L以上の場合は,血清K偽高値の可能性があることを記載し,臨床側へ報告を行うこととした.また同日血液ガス分析を測定している例は全血K値を確認することとした.【まとめ】今回の検討で血清K偽高値の対応を実際の測定値で確認し,構築することができた.今後も臨床側に有用な報告を行っていきたい.       ◎森 佳菜子1)、岸 健太1)、岡田 麻佑1)、本宮 夏海1)、吉野 香織1)、大津 佳那子1)、石井 圭一1)、南雲 裕次1)◎森 佳菜子1)、岸 健太1)、岡田 麻佑1)、本宮 夏海1)、吉野 香織1)、大津 佳那子1)、石井 圭一1)、南雲 裕次1)戸田中央医科グループ TMGあさか医療センター1)戸田中央医科グループ TMG あさか医療センター1)◎大地 康文1)、福本 恩英1)、大嶋 利奈1)、我妻 朋代1)、小林 巧1)、齋藤 美由紀1)、長澤 英一郎1)、手塚 康晴1)◎大地 康文1)、福本 恩英1)、大嶋 利奈1)、我妻 朋代1)、小林 巧1)、齋藤 美由紀1)、長澤 英一郎1)、手塚 康晴1)さいたま市立病院1)さいたま市立病院1)90LDが異常低値となったLD結合性免疫グロブリンの一例血小板増多による血清カリウム(K)偽高値の検討連絡先:048-463-7284【はじめに】血清K値が偽高値になる要因の一つに,血小板数増多があげられる.機序として血小板崩壊により細胞外へKが放出され,血清中のK濃度が上昇する為と言われている.また一般的に血清K値が血漿K値より0.4mmol/L高値を示す場合,偽性高K血症と定義される.血清K値は重篤な不整脈を引き起こすなど治療に置いて重要な役割を果たす一方,偽高値の報告は不適切な治療に繋がる.血清K偽高値鑑別にはヘパリン採血での血漿K値の確認とあるが,当院ではヘパリン採血が浸透していない現状がある.しかし,同日に血液ガス分析を測定している例がある為,血液ガス分析の全血K値が鑑別に有効となり得るのではないかと考え,以下の項目について比較・検討したので報告する.①血清K偽高値鑑別における血液ガス分析の全血K値の有効性②血小板数別の血清K偽高値の頻度【対象】2018年1月~2021年6月までに血小板数,血清K, 全血Kが測定された10,752例(溶血検体は除く)【方法】①血小板高値群(34.9×109/L以上)と血小板正常・低値群(34.8×109/L以下)に分類し,両群における血清【はじめに】LD結合性免疫グロブリン(LD-Ig)はこれまで多くの症例が報告されている.そのほとんどはLD活性値が異常高値か基準範囲内であり,異常低値を示すのは極めて稀である.今回我々は, LD-IgによってLD活性値が異常低値となった症例を経験したので報告する. 【症例】当院整形外科に通院している77歳の女性. 2021年3月の外来受診時, AST 12 U/L, ALT 9 U/L, LD(IF) 40 U/LとLDが異常低値となった. 同年2月の前回値は, AST 14 U/L, ALT 10 U/L, LD(IF) 171 U/Lであり,当院初診の2006年からLD活性値が基準範囲より低値のことはなかった. また, 抗がん剤や免疫抑制剤の使用歴もなかった. 【方法と結果】① 再測定および生理食塩水での2ⁿ倍希釈測定:再現性は良好であり, タイムコースは正常であった.② 患者LDの保存安定性と温度依存性:室温および37 ℃保存よりも4 ℃保存でLD活性値が低下した. ③ 正常血清との混和試験:4 ℃, 24時間保存前後のLD活性値を比較したところ, 正常血清はほぼ低下しなかったが, 混和血清では著しく低下した. ④ LDアイソザイム:デンシトグラム臨床化学臨床化学化-6化-7EntryNo. 62EntryNo. 17LDが異常低値となったLD結合性免疫グロブリンの一例血小板増多による血清カリウム(K)偽高値の検討

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