埼臨技会誌 Vol.68
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②A群(18例):HbE/ホモ(5例:27.8%),Hb量は男性(5例:5.6%),HbS(2例:2.2%),タイプ不明の異常Hb(17例:18.9%),βサラセミア疑いなどであった.0の値と比較して、共存物質各濃度において測定結果にどの程度影響があるかを比較検討した。臨床化学8180Tで解析した.検討:①異常Hbタイプを調査.②クや赤血球恒数(MCV)との関連性を検討.③免疫法を基準にHPLC法のHbA1c変動率を調査.【結果】①異常Hbを12.8g/dl±0.2(2例),女性11.4g/dl±0.7(3例),MCVは59.6fl±3.3.B群(42例):HbE/ヘテロ(36例:85.7%),Hb量は正常,MCVは76.4fl±4.3.C群(5例):修飾Hb(4例:80.0%),Hb量・MCVは正常.D群(9例):HbS(2例:22.0%),Hb量・MCVは正常.E群(16例):サラセミア疑い(4例:25.0%),Hb量は男性9.6g/dl±1.4(3例),女性8.3g/dl(1例),MCVは66.2fl±2.7であった.③B・D群で認めるHbE/ヘテロのデ当院での血糖POCT機器の基礎検討アークレイ社 HPLC法によるHbA1c異常ピークの検出に関する検討◎石鍋 花歩1)、片桐 佳紀1)、佐々木 愛美1)、吉田 久美子1)、木村 有沙1)、齋藤 綾1)◎石鍋 花歩1)、片桐 佳紀1)、佐々木 愛美1)、吉田 久美子1)、木村 有沙1)、齋藤 綾1)医療法人社団哺育会 白岡中央総合病院1)医療法人社団哺育会 白岡中央総合病院1)◎川前 裕大1)、地田 信子1)、石井 里佳1)、杉浦 小春1)、本橋 侑子1)、赤沼 優里奈1)、山﨑 淳也1)、圓田 和人1)◎川前 裕大1)、地田 信子1)、石井 里佳1)、杉浦 小春1)、本橋 侑子1)、赤沼 優里奈1)、山﨑 淳也1)、圓田 和人1)戸田中央医科グループ 戸田中央臨床検査研究所1)戸田中央医科グループ 戸田中央臨床検査研究所1)89【はじめに】ベットサイドにて血糖値を把握するため使用されている血糖POCT機器であるが、当院では導入から数年が経過。現在使用している機種の測定レンジの狭さ等から機種変更に向けた検討を行った。今回我々は2社各1機種(以下A社、B社)の比較検討を行ったので報告する。【検討内容】検討試料は、当院職員5名より採取したヘパリン血漿及び血球を用い、グルコース添加食塩水にて調整した。①同時再現性:中濃度(100mg/dl程度)の調整試料を10回測定しCV%を比較した。②ヘマトクリット(以下Ht)の影響:中濃度、高濃度(300mg/dl程度)の調整試料をHt20%、30%、40%、50%、60%、70%に調整した試料を2回測定しHt40%の値と比較して、測定結果にどの程度影響があるかを比較した。③相関統計:調整した11試料(低濃度60mg/dl程度~高濃度1200mg/dl程度まで調整)を用い、A社、B社と(株)エイアンドティーGA08Ⅲ(電極法)との相関を比較した。④共存物質の影響:中濃度、高濃度の調整試料をアスコルビン酸、キシロース、ドパミン、フロセミドを段階的に添加した試料を作成し、共存物質濃度【目的】HbA1cの測定のひとつであるHPLC法ではクロマトグラムが得られる.そのクロマトグラムから異常ヘモグロビン(以下異常Hb)が示唆された検体の異常ピークの詳細について検討を行う機会を得たので報告する.【方法】対象:2018年1月~2020年12月の間に健康診断を受診しHbA1cの依頼があった241,463件.試薬・機器:HbA1cはHPLC法であるADAMSA1c HA-8181およびHA-8190Vを用いた.異常Hbを疑う検体はアークレイ社の協力を得て免疫法であるスポットケムバナリストSI-3620およびHbS,HbC,HbE,HbD,HbA2,HbFの測定はADAMSA1cHA-ロマトグラムのHbA1cピークから5群に分類(A群:ピーク検出不能,B群:ピーク二峰性,C群:ピーク幅広,D群:HbA0手前の未知ピーク,E群:正常ピークに近似)し貧血疑う検体90件中,可能性が高いと判定された検体は67件(74.4%).内訳はHbE/ヘテロ(43例:47.8%),HbE/ホモ【結果】①A社はCV値3.3%、B社はCV値5.8%であった。②A社はHt40%値と比較して測定値の変動は±10%に留まり、B社はHt70%にて+20%程度の変動が見られた。③各社とも相関係数1.00と良好な相関が得られた。④アスコルビン酸:A社は影響が見られなかった。またアスコルビン高値にて測定エラーの表示となった。B社はアスコルビン高値に伴い測定値の上昇傾向が見られた。キシロース:A社は影響が見られなかった。B社はキシロース値上昇に伴い測定値の上昇傾向が見られた。ドパミン・フロセミド:各社ともに共存物質濃度0の値に比べ±10%程度の変動が見られた。【考察】今回の当院での検討結果からHt、共存物質の測定値に影響が見られた。Htによる値への影響はB社が提示した基礎検討結果と異なり、Ht高値にて値の変動が見られた。これらの結果を考慮し、当院での導入を進めていきたい。連絡先 0480-93-0661(内線235)ータ変動率は約17%の低値であった.【考察】A・B群は小赤血球症を示す異常Hbを多数認めるもクロマトグラムを一見することで異常ピークの存在が検出しやすい症例である.一方,E群はクロマトグラムだけでは検出が困難な例も含むため,小球性貧血およびHbFからβサラセミアを疑い,異常Hbの検出にはHbA1cと血糖値とのバランスを評価することが重要であると考えられた.連絡先:048-433-3711EntryNo. 27EntryNo. 40臨床化学臨床化学化-4化-5アークレイ社 HPLC法によるHbA1c異常ピークの検出に関する検討当院での血糖POCT機器の基礎検討

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