埼臨技会誌 Vol.68
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T&S比率(%)3.2 (2/63)25.0 (1/4)64.1 (50/78)58.7 (44/75)0.0 (0/0)3.4 (2/59)35.5 (99/279)輸 血◎長島 千尋1)、小原 佑太1)、小曽根 江美1)、横濱 茉里乃1)、林 茉里佳1)、塚原 晃1)◎長島 千尋1)、小原 佑太1)、小曽根 江美1)、横濱 茉里乃1)、林 茉里佳1)、塚原 晃1)戸田中央医科グループ 戸田中央総合病院1)戸田中央医科グループ 戸田中央総合病院1)◎岩崎 篤史1)、廣田 悠里1)、中野 佑美1)、清水 咲子1)、三ツ橋 美幸1)、武関 雄二1)、渡野 達朗1)◎岩崎 篤史1)、廣田 悠里1)、中野 佑美1)、清水 咲子1)、三ツ橋 美幸1)、武関 雄二1)、渡野 達朗1)自治医科大学附属さいたま医療センター1)自治医科大学附属さいたま医療センター1)85手術準備血の更なる有効利用への取り組み当センターにおける輸血副反応報告の解析使用率(%)73.8 (158/214)66.7 (8/12)49.5 (90 /182)38.3 (108/282)48.1 (854/1,774)22.5 (46/204)47.4 (1,264/2,668)【はじめに】昨今、献血者が減少傾向の中、輸血用血液製剤の更なる有効利用が求められおり、廃棄血削減に向けて日々取り組んでいる。当院では赤血球製剤を年間約6,000単位使用しており、その中の約40%を手術準備血が占めている反面、出庫せず返却になる場合もあり、廃棄血発生要因の一つになっているのが現状である。そのため今回、手術準備血に注目し依頼内容を調査したところ、交差適合試験依頼が多く、T&S依頼が占める割合は25.7%と低い傾向であった。T&Sの割合を増加させることで赤血球製剤の有効利用に繋がると考え、今後の取り組みについて検討したので報告する。【対象・方法】[対象]2019年度に手術準備血として赤血球製剤を依頼した外科、整形外科、脳外科、泌尿器科、形成外科、心臓外科の6科446件3,024単位 [方法]手術準備血の依頼単位数、使用単位数、T&S依頼単位数を科別に集計しその使用率・T&S比率を求めた。【結果】科別手術準備血の使用率とT&Sの比率【はじめに】近年,輸血用血液製剤の安全性は高まっているが,現時点での副反応防止対策としては洗浄製剤の使用等,限定的である.安全かつ効果的な輸血療法を実施するために,輸血副反応発生状況を把握することは重要であり,今回当センターにおける過去3年間の輸血副反応全症例について解析したので報告する.【対象・方法】2018年4月から2021年3月までに当センターで使用された自己血を除く輸血用血液製剤45,371本(RBC:21,502本,FFP:14,028本,PC:9,841本)の製剤別,副反応別の発生状況と洗浄血小板の使用数について調査したので報告する.【結果】過去3年間で報告された輸血副反応は全250件であり,副反応発生率は0.55%であった.製剤別の副反応発生割合は赤血球製剤:40/21502(0.19%),血漿製剤:99/14028(0.71%),血小板製剤:111/9841(1.13%)であり,全例即時型非溶血性副反応であった.症状発見時間は赤血球製剤,血小板製剤で輸血終了後の割合が高かった.輸血副反応の症状別でみると,掻痒感・かゆみ,発疹・蕁麻疹といったアレルギー性副反応症状が大半を占め,特に(カッコ内は使用率:使用単位数/依頼単位数、T&S比率:T&S依頼件数/交差適合試験依頼件数)科別整形外科形成外科外科泌尿器科心臓外科脳外科合計【考察・まとめ】科によって使用率・T&S比率に偏りがあったが、当院では脳外科の使用率・T&S比率が最も低い結果となった。今回の結果を基に、脳外科や他科への赤血球製剤の手術準備血に対し、T&Sへの変更依頼をしていきながら血液製剤有効利用に繋がるよう、定期的に集計を行い医師と情報共有を行っていく事が必要である。連絡先 048(442)1111 内線2530血小板製剤で高い割合を示した.当センターで使用された洗浄血小板は3年間で216本であった.赤血球製剤は発熱症状がみられた症例が報告された.当センターの埼玉県赤十字血液センターへの副反応報告数は40.6%(RBC:17.9%,FFP:66.7%,PC:46.7%)であった.【まとめ】当センターで報告された製剤別の輸血副反応発生割合は血小板製剤,血漿製剤,赤血球製剤の順に高く,日本赤十字社の副反応報告とも一致していた.症状発見時間は赤血球製剤と血小板製剤で輸血終了後の発生割合が高く,輸血中だけでなく輸血後の患者観察も十分に行う必要がある.アレルギー性副反応症状は血漿成分に起因すると考えられているため,血小板製剤での発症割合が高く,洗浄血小板の使用により副反応の減少が期待できる.過去3年間の輸血副反応報告から,当センターにおける副反応発生状況を把握することができた.当センターは血液センターへの副反応報告数が埼玉県の中で多く,今後も副反応報告を分析し,臨床側へ情報提供することにより,輸血療法の安全性を高めるよう努力したい.(連絡先:048-648-5371)輸-3輸-4輸血EntryNo. 79輸血EntryNo. 29手術準備血の更なる有効利用への取り組み当センターにおける輸血副反応報告の解析

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