埼臨技会誌 Vol.68
80/138

①尿路感染症の起因菌として割合が多く、硝酸塩還元能を②①で培養を行なった各菌をMcFarland0.5の菌液に調整を③検査終了後の残尿検体の内、細菌(-)かつGlu(-)の尿と細菌(-)かつGlu(4+)の尿に②で調整を行なった各菌液を④③で調整を行なった各菌の尿検体を孵卵器で加温しなが◎藤村和夫1)、星 このみ1)、軍司 雅代1)、佐藤 友紀1)、栗田 佳子1)◎藤村和夫1)、星 このみ1)、軍司 雅代1)、佐藤 友紀1)、栗田 佳子1)埼玉県 済生会川口総合病院1)埼玉県 済生会川口総合病院1)◎田崎 翼1)、堀口 美佳1)、小関 紀之1)、藤代 政浩1)、中島 あつ子1)、春木 宏介1)◎田崎 翼1)、堀口 美佳1)、小関 紀之1)、藤代 政浩1)、中島 あつ子1)、春木 宏介1)獨協医科大学埼玉医療センター1)獨協医科大学埼玉医療センター1)78尿中亜硝酸塩における偽陰性の検証髄液中に芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の細胞を認めた一例10⁷cfu/mLになる様に調整した。【はじめに】尿定性検査の亜硝酸塩の項目は尿路感染症の診断に有用である。しかし、尿定性検査は様々な要因で偽反応が多いことが知られており、亜硝酸塩に関しても膀胱に約4時間以上の尿の貯留がないと偽陰性になると言われている。今回、我々は本当に4時間以上尿の貯留がないと偽陰性になるのか、また、菌種や尿中の成分によりこの反応時間に違いがないのかを検討したので報告する。【検討方法】有するE.coli、P.aeruginosa、K.pneumoniaeを純培養した。行なった。ら、直後~5時間後までの1時間毎、8時間後、12時間【はじめに】芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍(blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm:BPDCN)は,形質細胞様樹状細胞の前駆細胞性腫瘍であり,稀な疾患とされる.WHO分類改定第4版(2017年)では急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)から独立して分類された.今回,化学療法中に髄膜浸潤を認めたBPDCNを経験したので報告する.【症例】60歳代女性,2020年9月ごろ左腋窩リンパ節腫大を認め拡大傾向あり.2021年1月に当院皮膚科受診,皮膚腫瘤生検にてBPDCNと診断され,3月に血液内科紹介,4月から化学療法が開始された.4月CHOP療法,5月HD-MTX+Ara-C療法が施行された.自宅にてめまい,嘔吐を認めたため当院緊急入院となった.【入院時血液検査所見】WBC:64200/µL,RBC:4.49×10⁶/µL,HGB:12.1g/dL,Ht:37.1%,PLT:3.1×10³/µL,AST:46U/L,ALT:18U/L,LDH:1491U/L,sIL-2R:1570U/mL,血液像では異型リンパ球を認めた.【入院時髄液検査所見】鏡検による髄液検査では,髄液細後に尿定性検査を行ない、亜硝酸塩を調べた。【結果】E.colはGlu(4+)検体で4時間後に陽性、Glu(-)検体では12時間経過しても陽性にならなかった。P.aeruginosaはGlu(4+)検体で5時間後に陽性、Glu(-)検体では8時間後に陽性になった。K.pneumoniaeはGlu(4+)検体で3時間後に陽性、Glu(-)検体では12時間後に陽性になった。【考察・結語】菌種により、陽性になる時間には違いがあったが、約4時間以上の貯留は必要だと考えられた。Glu(-)検体よりGlu(4+)検体の方が陽性になる時間が速い事より、細菌の栄養素となる成分が尿中に多く存在する事が亜硝酸塩を陽性にする時間に大きくかかわると考えられた。亜硝酸塩のみでは尿路感染症の見逃しが懸念されるため、他の項目と合わせて評価が必要である。            連絡先048-253-1551(内線:1905)胞数:174/µL,単核球:多形核球=172:2,単核球中の166/µLはやや大型の単球様の異常細胞であった.髄液をメイ・ギムザ染色して鏡検し,診断時の末梢血液細胞像と比較して同様の細胞であることを確認した.また,XN-9100(シスメックス社)でのBFモード測定では,スキャッタグラム上に単球よりやや大きな細胞としてHF-BF領域にクラスターが延びていることが確認された.【症例経過】めまい,頭痛等の症状から中枢神経系への浸潤が疑われ,髄液検査での異常細胞を認めたことより,MTX,Ara-C,DEXが脳脊髄腔に投与された.40日後の髄液検査では異常細胞の減少が見られた.【まとめ】今回は,BPDCN化学療法施行中の症例であり,めまい等の症状から中枢神経系への浸潤が疑われた.血液疾患の治療において,髄液検査の迅速な結果報告・異常細胞の検出は非常に重要であることを本症例より経験した.連絡先:048-965-1111 (内線3208)般-1般-2尿中亜硝酸塩における偽陰性の検証一般EntryNo. 33一般EntryNo. 8髄液中に芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の細胞を認めた一例

元のページ  ../index.html#80

このブックを見る