埼臨技会誌 Vol.68
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し,カニューレの先端が第3脳室になるよう留置した.麻酔から覚醒後十分な回復期間をおき,振動数および体温の測定を開始した.測定期間中にレプチンを脳室内に留置したカニューレより投与し,投与前後の振動数および体温の変化を記録した.【結果】レプチンを第3脳室に投与すると,投与前と比して振動数の低下がみられた.また体温も投与前と比して低下がみられた.一方で溶媒を投与しても振動数および体温に変化は認められなかった.【考察】本研究により,レプチンの運動量抑制および体温低下を惹起する効果が示唆された.このことから,レプチンによる摂食制御機構と運動制御機構の関連が推察される.また,レプチンによる代謝制御機構と体温調節機構の関連も推察される.生 理2名0名0名5~6ppm3名16名116名0~4ppm◎田村 麻未1)、川野 智美1)、田名見 里恵1)、吉成 一恵1)、芦 直樹1)、鈴木 朋子1)、菊池 裕子1)◎田村 麻未1)、川野 智美1)、田名見 里恵1)、吉成 一恵1)、芦 直樹1)、鈴木 朋子1)、菊池 裕子1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院1)◎遠藤 真果1)、水谷 諭史1)、藤原 智徳1)◎遠藤 真果1)、水谷 諭史1)、藤原 智徳1)埼玉医科大学 保健医療学部 臨床検査学科1)埼玉医科大学 保健医療学部 臨床検査学科1)77連絡先:042(984)4133 内線:3575喫煙者・非喫煙者における呼気中一酸化炭素濃度測定結果の検討マウスの摂食行動に対するレプチンが及ぼす影響【はじめに】当院の禁煙外来では,喫煙レベルの評価として,呼気一酸化炭素濃度(以下呼気CO濃度)検査を実施している.測定値は様々な要因に影響を受けると知られており,今回喫煙者・非喫煙者の呼気CO濃度を測定し検討を行ったので報告する.【対象および方法】対象:同意の得られた当院職員20~70歳代 151名(喫煙者35名,非喫煙者116名),測定機器:piCO スモーカーライザー(原田産業株式会社),方法:取扱説明書に準じて検査を実施.呼気CO濃度は,喫煙者では7ppm以上,非喫煙者では6ppm以下と記載されている.喫煙者情報として,喫煙の有無,煙草の種類(紙巻・加熱式・電子式),最終喫煙時間を聴取した. 【結果】紙巻(他併用含む)加熱式・電子式非喫煙者【緒論】レプチンは全身の脂肪細胞から産生されるホルモンで,摂食行動や体重を制御する作用があると知られている.レプチンの受容体は脳全体に広く発現し視床下部・視床・小脳・延髄・延髄孤束核に近接するニューロンなどの部位に存在している.レプチンによるシグナルは中枢神経系にはたらいて摂食抑制やエネルギー消費低下を引き起こす.このことからレプチンの投与は,レプチン欠損による肥満患者の治療に用いられることが期待されている.また2型糖尿病の治療にも,レプチン投与の有効性が認められている.2型糖尿病の治療による減量後の体重を,レプチン投与によって長期的に維持する可能性があると考えられている.レプチンは摂食抑制作用が認められているが,行動に対する影響を統合的に解析した報告は未だない.本研究では,レプチンをマウスの第3脳室に投与することで行動に及ぼす影響について検討した.【方法】塩酸メデトミジン・ミダゾラム・酒石酸ブトルファノール麻酔下でC57BL/6Jマウスの腹腔内に運動量計測装置を挿入呼気一酸化炭素濃度7ppm以上14名0名0名紙巻煙草喫煙者19名中5名が6ppm以下を示した.加熱式・電子式煙草喫煙者16名が4ppm以下を示した.非喫煙者は116名全員が4ppm以下を示した.【考察】紙巻煙草喫煙者で6ppm以下を示した5名は,喫煙から5時間以上経過後の測定であった.これは呼気CO濃度の半減期が3~5時間であることから低値となったと推測される.加熱式・電子式煙草においては,COの発生が非常に低いため,4ppm以下を示したと考えられる.【まとめ】非喫煙者および加熱式・電子式煙草喫煙者では5ppm以上を認めなかった.この結果より,当院では呼気CO濃度は4ppm以下を禁煙指導の指標とした.また,紙巻煙草喫煙者でも6ppm以下を示したことから,検査時に最終喫煙時間を確認することにした.【結語】今回の検討で,検査者は測定値に影響を与える要因があることを把握し,測定する必要性があると考える.       連絡先:048(773)1111 内線2232EntryNo. 100生理EntryNo. 91生理マウスの摂食行動に対するレプチンが及ぼす影響生-19喫煙者・非喫煙者における呼気中一酸化炭素濃度測定結果の検討学生-20

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