埼臨技会誌 Vol.68
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②心電図検査時間は8秒有意に短縮(p<0.01)した.③待ち時間は1分51秒有意に増加(p<0.01)した. 【考察】①消耗品消費量が増加した要因は,検査環境の清考える.②心電図検査時間はやや短縮傾向にあった.検者時間の短縮につながったと推測する.③患者待ち時間が増(患者呼び出しから電子カルテに結果が掲載されるまでの時◎江原 由美香1)、金島 奈津子1)、伊藤 友彦1)、矢島 市淑1)、田中 映美1)、吉田 和広1)、室谷 孝志1)、◎江原 由美香1)、金島 奈津子1)、伊藤 友彦1)、矢島 市淑1)、田中 映美1)、吉田 和広1)、室谷 孝志1)、竹下 享典1)竹下 享典1)埼玉医科大学 総合医療センター1)埼玉医科大学 総合医療センター1)◎今井 友美1)、林 達矢1)、平山 真人1)、油座 記子1)、横田 進1)◎今井 友美1)、林 達矢1)、平山 真人1)、油座 記子1)、横田 進1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター1)76心電図検査を中心に当院におけるISO15189認定取得に向けた脳波・誘発筋電図検査の精度管理の取り組み【はじめに】埼玉医科大学総合医療センター中央検査部・輸血部・病理部では2021年3月,全部門においてISO15189の認定を取得した.ISO15189が求める品質を保証するためには精度管理が重要になるが,生理検査は対象が生体であるため標準物質や標準法が明確に示されていない.特に誘発電位検査においては認定を取得している施設が少なく,精度管理の内容や手順などの情報があまりない状況である.そこで,当院がISO15189取得に向け改善した精度管理の内容・方法を,脳波・誘発電位検査を中心に報告する.【対象項目】脳波検査,聴性脳幹反応検査,体性感覚誘発電位検査,視覚誘発電位検査(以下,聴性脳幹反応検査,体性感覚誘発電位検査,視覚誘発電位検査をまとめて誘発筋電図検査とする)【対象機器】脳波計EEG-1218 2台,EEG-1214 1台,Neuropack X1 MEB-2300 1台,Neuropack S1 MEB-9404 1台,ABRジェネレーター 1台 いずれも日本光電工業株式会社製【内容】〇内部精度管理:①日常点検(使用前チェックシートに従い行い,脳波計は校正波を出力する)②定期点検(メーカー点検 年1回)③要員間差の評価(技術・手順の確認,目合【はじめに】生理検査における感染対策の徹底は,COVID-19を筆頭とする感染症の拡散を抑止する上で,必要不可欠である.今回は,当センター生理検査室が実施している感染対策が,検査数の多い心電図検査の流れや消耗品消費量に与えている影響を検討した.【対象】当センターで心電図検査を実施した患者12,158名(感染対策前2019年11月から2020年3月:6,373名,感染対策後2021年11月から2021年3月:5,785名).【方法】以下の3項目について対策前後の測定値を比較した.①消耗品消費量(検査環境の清拭消毒に使用する除菌シート,患者手指消毒に使用する消毒液),②心電図検査時間間),③患者待ち時間(生理検査窓口での受付から患者呼び①除菌シートは7.8倍(p<0.01),消毒液は1.9倍に消費量が出しまでの時間).対策前後の指標の有意差検定は,対応のない平均値の検定を使用し.有意水準p<0.05とした.【結果】対策後,次のように変化した.有意に増加(p<0.05)した.わせ 年1回)④機種間差・機器間差の評価(ABRジェネレーターを使用 年1回)〇外部精度管理:①日本臨床衛生検査技師会 臨床検査精度管理調査(フォトサーベイ)②埼玉県臨床検査技師会 外部精度管理調査(フォトサーベイ)【審査の結果】精度管理に関しては軽微な不適合が1件,アドバイスを1件受けた.【まとめ】当院ではISO15189の要求を満たしながら,無理なく持続可能な精度管理の内容,方法を考慮し,改善していった.特に,要員間差の評価方法などにははっきりとした正解はなく,多くの施設で課題となっている.当院の方法が正しいとは限らないが,それぞれの施設にあった方法を確立していくことが重要だと考える.これから取得する施設が増えていくと思われるので,情報を共有していきたい.今後は,審査対象となっていない検査項目の精度管理を確立し,より一層質の高い検査を提供できるよう努力していきたい.連絡先:049-228-3494拭消毒や入室時の患者手指消毒といった感染対策の影響との感染対策の手際や,感染対策に対する患者の協力が検査加した要因は,検査終了後,患者毎に検査環境の清拭消毒を実施した影響が出ていると思われた.感染対策の導入により,現時点で生理検査室からの院内感染の報告はなく感染は抑止できていると思われる.しかし,消耗品消費量の増加や心電図検査の流れの停滞といった影響が出ていることも事実である.今後は感染対策のさらなる効率化を検討する必要がある.連絡先:048-536-9900当センター生理検査室における感染対策の影響生-17生-18心電図検査を中心に生理EntryNo. 60生理EntryNo. 23当院におけるISO15189認定取得に向けた脳波・誘発筋電図検査の精度管理の取り組み当センター生理検査室における感染対策の影響

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